湘南乃風が1月19日に東京・日本武道館でワンマンライブ「新・春・狂・乱」を開催した。
「新・春・狂・乱」は、湘南乃風のメジャーデビュー20周年を記念したライブシリーズの第1弾。彼らにとって初の日本武道館公演となった。会場には円形のセンターステージが設営され、その周りを満員の風一族(湘南乃風ファンの呼称)が取り囲んだ。開演時刻を迎えるとステージ中央のDJブースにThe BK Soundが登場し、アグレッシブなDJセットを披露。地響きのようなバスドラムのビートに呼応し、場内は歓声で満ちあふれた。
オープニング映像で「俺たちはもっと広めたいんだよ、レゲエを」という湘南乃風の熱い思いが語られたのち、メンバー4人がステージに姿を現す。「Knock it Down」で華々しくライブの幕が開き、「JUMP AROUND」「OH YEAH」「Rockin'Wild」「Joker」「爆音Breakers」「Born to be WILD」が立て続けに歌われた。曲のサビではステージの円周に沿って激しく炎が上がり、場内のボルテージがすさまじい勢いで上昇していく。メンバー4人の陽気な挨拶を挟み、ライブは湘南乃風の初期楽曲を振り返るパートに突入。彼らがアンダーグラウンドから飛び出すきっかけになったという1stシングル「応援歌」に続き、2ndシングル「晴伝説」、3rdシングル「カラス」、4thシングル「覇王樹」が順番に届けられた。
会場の空気を一変させたのは、5thシングル「純恋歌」の切ないピアノイントロ。大きな歓声が沸き上がる中、SHOCK EYEは「俺たちの運命を大きく変えた曲。なんでもなかった俺たち4人が作った愛の歌。それがこの武道館全部を、愛に包みますよ。準備はいいか」と優しく語りかける。しかしHAN-KUNは「目を閉じれば億千の星……」と歌いかけて中断。「みんな知ってるっけ、この歌。あ、ごめん知らないよね(笑)」と彼が観客を煽ると、「もちろん知ってます」と言わんばかりの大合唱が武道館に響き渡る。客席には白いライトがこうこうと浮かび「夜空へ響け愛のうた」という歌詞のとおり、星空のように眩い光景が広がった。
若旦那が「俺たちは弱いけど、力を合わせて強くなる。今ここで!1つになって!無敵になろうじゃねえか! 全員!タオルを!か!か!げ!ろー!」と熱く声を張り上げ「睡蓮花」がスタート。場内に無数のタオルが掲げられたが、サビに差し掛かるところで曲が突如イントロまで巻き戻される。呆気にとられた観客にHAN-KUNが「足りねえな! 聴こえない!」と発破を掛けると、場内に再び大合唱が巻き起こった。灼熱の浜辺にいるかのような熱気が立ち込める中、メンバーと風一族は全力でタオルを振り回しながら踊り騒いだ。
4人はMCで初期楽曲のジャケットデザインについて談笑したのち、「我楽多」「夢物語」「雪月花」「バブル」を続けざまに披露。RED RICEは集まったファンに改めて感謝を述べ、「俺なんか歌も下手だし、声も汚ねえし、大した歌も書けねえし。でもいちばん年上だからってだけで、みんなは俺にリーダという肩書きをくれた。それをお守りに、それを糧に、俺はなんとかここまで来れました」としみじみ回顧。本番前にメンバー全員で絵馬を書いたことに触れ「旦那は『周りを見る』、HAN-KUNは『周りを活かす』、SHOCKは『周りに感謝』って書いた。なんか俺は、ちょっと恥ずかしくて『周りに頼る』って書いた。ギャグのつもりで書いたけど、頼るってことはみんなを信用してるってことだから。だから俺もみんなに信用されるような、頼られるようなリーダーになっていこうと思います」と決意を口にした。鳴り止まぬ拍手の中、彼らは「曖歌」と「一番歌」を歌い上げ、ライブ本編を締めくくった。
アンコールで披露されたのは「SHOW TIME」「風乃時代」「親友よ」「黄金魂」。観客同士が肩を組み、巨大な円陣が幾重にも重なる一幕も見られた。終演後に明らかになったのは、湘南乃風の20周年を記念した全国ツアー「風伝説 20周年記念TOUR2023 祭りの方法教えてやろう 野郎ども声だせYo!わっしょい!」が4月より全国11都市で12公演行われること、8月12日の横浜スタジアム公演開催、今夏のベストアルバム発売という情報。風一族はアニバーサリーイヤーにさらなる期待を膨らませながら、会場をあとにした。