後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が主催する音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」の第6回ノミネート作品が発表された。
「APPLE VINEGAR -Music Award-」は文学界の「芥川賞」を参考にして後藤が2018年に設立したもの。新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる。
第6回となる今年は昨年発表されたアルバムからANORAK!「ANORAK!」、ID「B1」、松永拓馬「ちがうなにか」、Cwondo「Coloriyo」、優河「言葉のない夜に」、ウ山あまね「ムームート」、大石晴子「脈光」、ゆうらん船「MY REVOLUTION」、Laura day romance「roman candles|憧憬蝋燭」、the hatch「shape of raw to come」、春ねむり「春火燎原」、Kei Matsumaru「The Moon, Its Recollections Abstracted」の12作品がノミネートされた。大賞は3月の選考会を経て決定。選考委員は後日発表される。
またポッドキャスト番組「APPLE VINEGAR -Music+Talk-」では、2月15日、22日、3月1日の3週にわたって、ノミネート作品が紹介される。
後藤正文 コメント
私設音楽賞、APPLE VINEGAR -Music Award-は6回目を迎えました。
協力してくださっているすべての人たちに感謝します。
アワードそのものが持つ権威性には毎度、身を焼かれるようです。ある種の傲慢さを自分のなかに発見せざるを得ない、そういう行いなのだと自覚します。しかし、素晴らしい作品に出会ったときに、素直に「素晴らしい!」と声を上げたいわたしも存在します。アワードの設立に見出した意味や意義と、その権威性と責任、その前で揺れながらここまでやってきました。
昨年のコメントにも引用しましたが、数年前に出会ったアルフォンソ・リンギスの言葉には救われました。「肯定的な評価は確認である。私たちが誰かに『なんて君は美しいのだ!』と言うとき、この発言は、そう言われる人に対して、その人がすでにそうである単なる認識、その人が既に承知していることの再認識として働くのではない。それは人の力を呼び覚まし、駆り立てるのである」(『何も共有していない者たちの共同体』より)。何度でもこの態度に立ち返ること、肯定的な評価のエネルギーを信じること、それだけは続けていくつもりです。
とても網羅できないほどの作品が発表され続けていますが、そのなかから、いくつかの作品を今年も選びました。
それぞれの作品の素晴らしさが、様々な角度に広がるきっかけになることを願います。
APPLE VINEGAR -music award-では、賞金を拠出してくださる法人や団体を募集しています。お力添えいただけましたら幸いです。ご連絡の際は問い合わせフォームよりお願いします。
第6回APPLE VINEGAR -Music Award-ノミネーション 12作品
ANORAK!「ANORAK!」
ID「B1」
松永拓馬「ちがうなにか」
Cwondo「Coloriyo」
優河「言葉のない夜に」
ウ山あまね「ムームート」
大石晴子「脈光」
ゆうらん船「MY REVOLUTION」
Laura day romance「roman candles|憧憬蝋燭」
the hatch「shape of raw to come」
春ねむり「春火燎原」
Kei Matsumaru「The Moon, Its Recollections Abstracted」
※記事初出時、アーティスト名および曲名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。