アンジュルムが昨日6月21日に神奈川・横浜アリーナにて単独コンサート「ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE『アンジュルムより愛をこめて』」を開催。本公演をもって竹内朱莉がグループおよびハロー!プロジェクトを卒業した。
“タケちゃん”の愛称で親しまれる竹内は、2008年よりハロプロエッグのメンバーとして活動を開始。2011年8月にはスマイレージのサブメンバーに選出され、同年10月、2期メンバーとしてグループに正式加入した。2014年、スマイレージからアンジュルムに改名されると、翌2015年に同期の中西香菜とともにアンジュルム初代サブリーダーに就任。2019年には初代リーダーの和田彩花からバトンを引き継ぎ、以降、2代目リーダーとしてグループを牽引してきた。
書道を得意とする竹内は、準五段(正師範)の資格を取得しており、現在はすべての人に実技指導ができる五段(教授)の取得を目標に掲げている。今後、芸能活動を続けながら書の道を極めていくため、このたびのグループ卒業に至った。
本コンサートはアンジュルムとしては初となるアリーナ公演。CSテレ朝チャネル1で生中継されたほか、47都道府県、台湾、香港の映画館、計83スクリーンでライブビューイングも行われた。開演時間になると、詰めかけた1万2000人のファンは竹内のメンバーカラーである青のペンライトで会場を一色に染め上げる。竹内が毛筆で書き上げた巨大な「愛」の文字がスクリーンに映し出されると、爽やかなブルーの衣装に身を包んだ10人のメンバーが登場。「ぶっ壊したい」「出すぎた杭は打たれない」という激しいロック調のナンバーで幕が開き、竹内が「横浜アリーナ! 盛り上がってるかー!」とシャウトすると、観客は大きな声援で応える。彼女たちは客席中央に設けられた円形ステージに移動すると、堂々とした表情で「マナーモード」「人生、すなわちパンタ・レイ」を続けて披露した。
MCコーナーで「今日、私、卒業するらしい!」と発言した竹内は「えー!」という残念そうなファンの悲鳴に対し「『えー!』って言われても、卒業するもんだぜぇ?」と、とぼけた声で返し、「(卒業する)実感がまったくない!」と率直な心境を口にする。さらに竹内は「この10人の集大成、“最強アンジュルム”をお見せしたいと思います!」と宣言した。
「赤いイヤホン」「愛されルート A or B?」「次々続々」「悔しいわ」「ドンデンガエシ」と、キラーチューンが続き、10人は広大なステージを縦横無尽に駆け回る。序盤からボルテージを上げた客席が熱気を帯びる中、スクリーンにスマイレージのオーディションを受けている当時13歳の竹内の姿、グループ加入時の様子など、歴代のなつかしいVTRが流れると、空気は"卒業ムード"に一変。カラフルな衣装に着替えた10人は「私、ちょいとカワイイ裏番長」「ミステリーナイト!」とスマイレージ時代の楽曲を立て続けに披露した。パワフルな歌声を響かせる竹内はカメラに向かってウインクを投げかけ、長いアイドル活動でつちかった余裕を感じさせるパフォーマンスで会場を魅了した。
後半は「タチアガール」「ええか!?」「ねぇ 先輩」「エイティーン エモーション」「『良い奴』」「プリーズ ミニスカ ポストウーマン!」「スキちゃん」と、同じくスマイレージから歌い継がれてきた名曲たちがメドレーで披露される。メドレーでは曲ごとに歌唱メンバーが入れ替わったが、竹内は全曲に参加した。
にぎやかな空気から一転、卒業メンバーを送り出す楽曲として知られる「交差点」に差し掛かると、涙で声をつまらせるメンバーも。しんみりした雰囲気に、終始笑顔を見せていた竹内も堪え切れず涙を見せる。続いて6月14日にリリースされたばかりの最新シングルより、竹内にとって恩師でもあるつんく♂が彼女の卒業に際して作詞・作曲した「同級生」が披露された。
「水飲んでくるからつないでおいて!」と、竹内からMCを任されたメンバーたち。サブリーダーの川村文乃、3期メンバーとして竹内を支えてきた佐々木莉佳子、そして7期の伊勢鈴蘭は、それぞれアリーナ席、センター席、スタンド席に向かって「竹内さんのこと大好きですかー?」と投げかけ、温かいコール&レスポンスが繰り広げられる。竹内の後任として新リーダーとなる上國料萌衣は「タケちゃん! タケちゃん! タケちゃん、愛してる!」のフレーズで三三七拍子を取り仕切った。
「本日の主役!」と呼びこまれ、竹内が舞台に再登場すると、コンサートはラストスパートへ。ニューシングル「アイノケダモノ」を筆頭に「Survive~生きてく為に夢を見んだ」「46億年LOVE」「愛すべきべき Human Life」「大器晩成」と、底抜けに明るくアップテンポなナンバーで畳み掛け、会場は卒業公演ということを忘れてしまうほどの高揚感に包まれた。
竹内のメンバーカラーである青、スマイレージ時代のメンバーカラーである赤の2色のペンライトで彩られた会場にはアンコールならぬ“タケちゃんコール”が鳴り止まない。赤と青のチェック柄のドレス姿で再びステージに現れた竹内は、卒業に合わせて堂島孝平が作詞・作曲を手がけたソロ曲「行かなくちゃ」を噛みしめるように歌い上げた。
竹内は「アイドル人生の最後に素敵な景色を見ることができました。スマイレージに加入してから12年、ハロプロエッグから15年、どんなときも暑苦しすぎるほどの応援、大きすぎる愛を皆さんからいただいて、今日まで駆け抜けることができました。私をアイドルにしてくれありがとうございました!」と謝辞を述べ、残るメンバーに対し「愛しい妹たちに今までのように会えなくなるのはさみしい。みんなが信じた道を進んで、壁をぶっ壊して、最強を更新してください!」とエールを送る。また自身の今後について「書道で世界を目指します!」と意欲を示しつつ、「私、これからも歌います! 踊ります! またステージに戻ってきます!」と宣言。涙ぐむメンバーとともに、“新生活ソング”の「旅立ちの春が来た」をパフォーマンスした。
メンバーからの挨拶で、平山遊季は「『新メンバーだから迷惑をかけて当たり前なんだよ』という優しい言葉をいただき、『甘えていいんだな』と思えてうれしかった」、松本わかなは「竹内さんの優しさや明るさに救われました」、為永幸音は「たくさんの愛をいただきました」と、それぞれ竹内への思いを伝える。さらに川名凛は「昨日、竹内さんからグループのチャットに感動的なメッセージが届いたのですが、そのあと唇のドアップの写真が来たんです(笑)」とエピソードを明かし、会場を沸かせた。
竹内がリーダーに就任してから初の新メンバーとして加入した橋迫鈴は、大粒の涙をこぼしながら竹内への感謝を語り、「竹内さんが書道の個展を開くときは、いつでもアシスタントとして手伝いにいくんで!」と頼もしさをのぞかせる。また伊勢は「竹内さんは、昔から変わらずにお姉ちゃんのような存在で、遠慮なく甘えることができました。この愛情深いグループを守っていけるようにがんばります」と決意を新たに。川村は「竹内さんはヒーローみたいな存在。これから先も最高なアンジュルムになるように見守っててください!」と言葉を投げかける。竹内と、じっと顔を見合わせながら「あー! もう! チュウしちゃう!」と冗談めかす上國料は「アンジュルムのあったかい雰囲気を作ってきたのは竹内さん。これからの新しいアンジュルムも応援してください!」と笑顔。涙をぐっとこらえた佐々木は「タケさんのリーダー、マジ最高でした! 私も、もう1つ階段を登れるように強くなります! カッコよくてチャーミングで、ときどき適当なタケさんが大好きです!」と目を輝かせた。
最後に竹内は「ライブハウスが埋まらなかったりしたこともあるのに、私たちが単独で横浜アリーナに立てるなんて! ありがとうございます。ここに立てているのは歴代の先輩方、同期、後輩たちのおかげです。12年間ありがとうございました!」とメッセージを送る。そして疾走感あふれるサマーチューン「夏将軍」、ダブルアンコールではパンキッシュな卒業ソング「友よ」で大団円。竹内は「長い間お世話になりました! また会おうね!」と満面の笑顔でステージをあとにし、長いアイドル活動に終止符を打った。
アンジュルムは、5月に新メンバーの下井谷幸穂と後藤花が加入。今後は11人で活動していく。
「ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE『アンジュルムより愛をこめて』」2023年6月21日 横浜アリーナ セットリスト
01. ぶっ壊したい
02. 出すぎた杭は打たれない
03. マナーモード
04. 人生、すなわちパンタ・レイ
05. 赤いイヤホン
06. 愛されルート A or B?
07. 次々続々
08. 悔しいわ
09. ドンデンガエシ
10. 私、ちょいとカワイイ裏番長
11. ミステリーナイト!
12. メドレー / タチアガール~ええか!?~ねぇ 先輩~エイティーン エモーション~「良い奴」~プリーズ ミニスカ ポストウーマン!~スキちゃん
13. 交差点
14. 同窓生
15. アイノケダモノ
16. Survive~生きてく為に夢を見んだ
17. 46億年LOVE
18. 愛すべきべき Human Life
19. 大器晩成
<アンコール>
20. 行かなくちゃ
21. 旅立ちの春が来た
22. 夏将軍
<ダブルアンコール>
23. 友よ