矢部浩志(Controversial Spark, ex.カーネーション)のソロユニット・MUSEMENTによるニューアルバム「ソング・パビリオン」が7月5日に配信リリースされる。
2020年に急性骨髄性白血病の治療のため活動を休止していた矢部。彼はその闘病で関係者やリスナーから受けた支援への感謝を込めてアルバムを制作した。
MUSEMENTのアルバムがリリースされるのは2016年発表の「Musement Fair」以来、約7年ぶり。「Musement Fair」は1曲のインストゥルメンタルを除き、女性シンガーとのコラボ曲で構成されていた。「ソング・パビリオン」で矢部はすべての工程を1人で手がけており、楽器には打ち込み、ボーカルには歌声合成ソフトウェアを使用。さらにはキャリア初となる作詞も行った。YouTubeではアルバムより「雨が世界を撫でて」「MELODYLAND」のリリックビデオが公開されている。
本作リリースにあたり、矢部は「何かテーマがあるとしたら、やはり『感謝』でしょうか。自分の人生に明かりを灯してくれた人々や音楽への。子供の頃から憧れてきた音楽に、この歳になってやっと少し近づけたかな、と思えるような内容です」とコメント。またMUSEMENTのファンである澤部渡(スカート)は本作について「これがいくつかある最新型のベッド・ルーム・ポップ・ミュージックの中の、あるひとつの最高なんだと思います」と激賞している。
矢部浩志(MUSEMENT) コメント
2020年の白血病の闘病支援へ感謝を込めまして、新曲10曲のアルバムを作りました。
ハードな治療で脳が覚醒したのか、一生無理と思っていた作詞を手掛ける事が出来た、束の間の貴重な記録でもあります。
さらにボーカルにはAIボーカルアプリを導入して、全工程を一人で手掛けた初の完全ソロ作品になりました。
何かテーマがあるとしたら、やはり「感謝」でしょうか。
自分の人生に明かりを灯してくれた人々や音楽への。
子供の頃から憧れてきた音楽に、この歳になってやっと少し近づけたかな、と思えるような内容です。
皆さんが助けてくれたおかげで、またちょっとした何かを作ることが出来ました。本当に、ありがとうございます。
澤部渡(スカート) コメント
MUSEMENTの新譜が突然届けられた!もう、嬉しくて仕方がない。
そして再生して、聴き進めてもっと嬉しくなりました。
1曲1曲語ってしまうと読めたもんじゃなくなってしまうので1曲に絞って触れさせてください。私は今、「スターダスト」に心を奪われています。とてもシンプルな音像の中、「あなたによく似た 消えゆくようなメロディ」という詩が今の私にはなぜか無性に刺さり、涙がこぼれそうになりましたし、「空っぽの心なら うまく笑えないだろう」と歌った直後にブラシで叩かれたスネアの音が入るのも完璧、美しすぎます。
アルバムの前情報として全作詞作曲プログラミング矢部さん、そしてAI合成音声による歌唱と知らされて、あらゆる意味で驚いていたのですが、最高のメロディ、最高のコード進行を前にすれば、身を委ねるほかありません。この感覚はプリファブ・スプラウトの「クリムゾン/レッド」を聴いたときの感覚にも似ている気がします。これがいくつかある最新型のベッド・ルーム・ポップ・ミュージックの中の、あるひとつの最高なんだと思います。
MUSEMENT「ソング・パビリオン」収録曲
01. MELODYLAND
02. 1970
03. ドリーミング
04. 空中ビュッフェ
05. WINDOWS
06. スターダスト
07. 歌のパビリオン
08. TWISTER
09. 夜と朝のバラード
10. 雨が世界を撫でて