安田章大(関ジャニ∞)が主演を務める舞台「少女都市からの呼び声」が明日7月9日に開幕する。初日を前にした公開ゲネプロと取材会が本日7月8日に東京・THEATER MILANO-Zaにて行われ、安田と咲妃みゆ、三宅弘城、風間杜夫、金守珍が登壇した。
「少女都市からの呼び声」は1969年初演の唐十郎の戯曲「少女都市」を、1985年に唐十郎らが立ち上げた劇団・状況劇場が改作した作品。主人公の男・田口を安田が、ガラスの肉体を持つ田口の妹・雪子を咲妃が、雪子のフィアンセ・フランケ醜態博士を三宅が、旧日本軍連隊長の亡霊を風間が演じる。
初日を前に、安田は「(THEATER MILANO-Zaの)オープニングシリーズ第3弾ということなので、日本だけじゃなく世界に届けられるレベルに仕上げてきたかなと思っています」と自信を見せ、本作で初めて唐十郎作品への出演を果たす心境を「金さん、風間さんと先輩たちが受け継いできた唐さんのエネルギーを受け継がなければならない年齢に至っていると思うので、次につなぐという意味でも(この作品に)入れている自分がとても幸せだと思います」と明かした。
“アングラの巨匠”とも言われる唐十郎の作品を自らが演じる意味について、安田は「唐十郎さんの作品を、ほぼ真逆であるジャニーズ事務所の安田が今回お届けできるという。ジャニーズ事務所ってすごく大きい事務所ですから、唐十郎さんの世界を広げていくためにはとても素敵な大きな場所であり、届けられる立ち位置にあるんだなということを考えています。関わっていく僕たちで唐さんのすごさを途切れさせないようにしないと、と改めて思いました」とコメント。その傍らで演出を手がける金も「唐さんは自らアングラを名乗ったことはないんですよ。逆に世間がアングラだと、風俗として消えるものだと揶揄してきて。それが文化として残る出発点になる、40年近く(「少女都市」を上演してきての)完成品だと思います」と力強く語った。
唐作品への出演が4本目となる風間は「唐さんの戯曲は詩のような叙情性があって。その世界を見事に現実化する金守珍の演出力に圧倒されています。機会があればやっさんとまた次も、と……」と安田を“やっさん”と呼ぶ。安田は「9年前から“やっさん”って呼んでくれてるんです(笑)」、風間は「9年前は親子をやってるんですよ」と、過去の共演時から続く絆を披露した。久々の共演について、風間は「一回りも二回りも大きく……体は大きくなってないか(笑)」と話して安田を「体はちっちゃいままだなあ(笑)」と苦笑いさせるが、「でも芝居に対する構え方が素晴らしく成長していて。頼もしいです」と、座長としての頼りがいを明かした。
三宅が演じるフランケ醜態は、初演時に唐が麿赤兒に当て書きしたという役どころ。三宅は「重圧に押し潰されそうになりながら……ほぼ押し潰されてたんですが(笑)、安田くんと咲妃さんと風間さんのお力もお借りしながら、なんとか僕なりのフランケができたのかなと」と稽古を振り返り「あとはこのミラノ座で『少女都市の呼び声』がどんどん育っていけば。お客さんと一緒に作っていきたいですね」と初日に向けた心境を明かす。また、本作が初のストレートプレイとなる咲妃は「毎日ワクワクしながらお稽古させていただいて、少しずつ自分の中で肉付けされていく雪子を楽しみながらここまで来ました」と語り、座長の安田の印象を「すごくストイックな方という印象を持っていたんですけど、その印象は変わらなくて。あとは目配りや気配りが大変行き届いていらっしゃって、共演者の方やスタッフさんへの何気ないお声がけにも温かみを感じられて、お人柄としてもすごく尊敬しています」と話した。
本作は通し稽古を終えてから、安田が歌う劇中歌が急遽1曲追加されたとのこと。あるシーンの田口について風間が「やっさんはもっと凛々しくカッコよくしてないとダメだ」と言ったことがきっかけで突如曲を追加したという金に、安田は「金さん、ダメですよ!」とツッコむ。そんな金が「唐十郎といえば劇中歌ですから。ファンはイチコロになりますよ!」と期待を煽ると、安田は「ハードル上げないで!」と苦笑いしていた。
THEATER MILANO-Za オープニングシリーズ / COCOON PRODUCTION 2023「少女都市からの呼び声」
2023年7月9日(日)~8月6日(日)東京都 THEATER MILANO-Za
2023年8月15日(火)~8月22日(火)大阪府 東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール