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RADWIMPS、8年ぶりのライブハウスツアーで巻き起こした熱狂の渦

野田洋次郎(Vo, G, Piano)(Photo by Takeshi Yao)
9か月前2023年07月12日 12:03

RADWIMPSの約8年ぶりの国内ライブハウスツアー「BACK TO THE LIVE HOUSE TOUR 2023」が本日7月12日に福岡・Zepp Fukuokaで閉幕した。この記事では野田洋次郎(Vo, G, Piano)の誕生日である7月5日に行われた東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の模様をレポートする。

幻想的な青色のスポットライトに彩られた会場に、サポートメンバーのエノマサフミ(Dr)、森瑞希(Dr)、そして桑原彰(G)、武田祐介(B)、最後に野田が登場。オーディエンスは期待のこもった拍手で5人を迎える。神秘的な白い光に照らされながらRADWIMPSが演奏し始めたのは、コロナ禍に生まれたナンバー「ココロノナカ」。多くの人々の背中を押してきた未来への希望に満ちたメッセージに、オーディエンスの温かなハンドクラップが重なってライブハウスに響き渡った。続いてRADWIMPは「なんちって」を勢いよく投下。約3年ぶりに声出しが許可されたツアーとなるが、そのブランクを感じさせないほど野田とオーディエンスは阿吽の呼吸でコール&レスポンスを繰り広げ、すさまじいエネルギーが会場に広がる。「ソクラティックラブ」でその熱気はとどまることなく上昇していくも、それでも野田は「踊ろうぜ、東京! 昨日より大人しいな、おい!」とさらに観客を煽った。

「ます。」の演奏が始まるとステージを照らす照明が一気に明るくなり、生き生きとした表情で音をかき鳴らすメンバーの姿があらわになった。一体感のあるコールを飛ばすオーディエンスの姿を、メンバーは楽しげな表情で2階席まで見渡す。「ハイパーベンチレイション」では息の合った盤石の演奏で心地のいいグルーヴが生み出され、鮮やかなソロ回しも披露された。たおやかなアンサンブルが紡がれた「指切りげんまん」を経て、野田がポツリポツリとつぶやくように歌い始めたのは「me me she」。野田の歌声にオーディエンスの合唱がエモーショナルに重なった。

「最高です。ありがとうございます」と告げて野田はピアノの前に座り、映画「君の名は。」の劇伴曲「かたわれ時」を演奏。野田が奏でる美しいメロディと、青空から夕焼け、やがて夜空へと移り変わっていく映像が相まってドラマチックな空間が生み出された。そのまま野田は「そっけない」を弾き始めるも、「あ、間違えた!」と途中で演奏をストップ。野田は思わず頭を抱えるも、フロアからの「もう1回!」コールを受け、「言われんでもやるわ」と笑い、「誕生日っていっても、ろくなことが起きないなあ。誕生日なので、この1分の記憶を消してください」と茶目っ気たっぷりに告げた。

「そっけない」をゆったりと披露したあと、桑原と武田がソロバトルを繰り広げて会場は大盛り上がり。2人の間に挟まれる野田はもっともっとというように彼らを煽り、その熱をグイグイと引き上げた。そしてそのままなだれ込むようにRADWIMPSは「ヒキコモリロリン」をリズミカルにプレイ。「俺色スカイ」では満天の星空をバックにオーディエンスの大きなシンガロングが響き渡った。続く「遠恋」の演奏が終わったところで少しの間が設けられると、「おめでとう!」と野田の誕生日を祝う声がフロアに飛び交う。「めでたい歳でもないんですが、ありがとうございます」と野田は言葉を返し、「やっと会えて最高です。全然声が足りないけどな! 3年ぶりにやっとこうやって誰に文句を言われるわけでもなく、愛を確かめ合えるわけだから、最高の夜にしましょう。よろしくお願いします」と告げた。

その後、「Tamaki」「オーダーメイド」をじっくりと演奏したRADWIMPS。武田は「このライブハウスツアー、始まる前の想像よりも毎回何十倍も素晴らしい空間をみんなからもらっていて。本当に今日も来てくれてありがとうございます!」と感謝の思いを述べ、「みんなの顔が見えて、みんなの声を聞けて、みんなで騒げるというこの空間を共有できて、今日は幸せでした!」と声を弾ませる。桑原は「東京の皆さん、おひさしぶりです! みんなの熱い声援で、めちゃくちゃ幸せにやらせてもらってます。本当にありがとうございます。ここから後半戦盛り上がっていくので、みんなも全部力を出し切っていきましょう!」と観客を煽った。今年RADWIMPSは4月に北米ツアー、5月にヨーロッパツアーを行い、7月21日にはアジアツアーをスタートさせる。野田は「世界に行って、肌の色も髪の色も目の色も違う人たちが同じように全力で日本語で歌ってくれている姿を見て誇らしい気持ちになります」と話し、「でもやっぱり、日本に帰ってきたら帰ってきたで、ああやっぱりここは俺らの国なんだなというのを再確認させられます。こんな熱量でみんなが迎えてくれるというのは俺らにとってはただ1つこの国なんだなと思わせてもらいました。最高です。ありがとうございます」と感謝の思いを述べた。

ライブはいよいよ終盤を迎え、「05410-(ん)」が演奏されると、オーディエンスは楽しげに飛び跳ねて声を上げる。そして「みんなまだまだ声を聞かせてくれよ。次の曲、一緒に歌っていいですか?」と野田が告げ、歌い始めたのは「有心論」。観客が一際大きな声で野田とともにこの曲を合唱すると、野田は「ありがとう!」と晴れやかな表情でギターを掲げた。「会心の一撃、見せてくれ!」と野田が言い放つと、鮮烈なギターとともにラストナンバー「会心の一撃」がスタート。みずみずしいサウンドを会場いっぱいに響かせてメンバーは笑顔でステージをあとにした。

「もしも」の合唱に呼ばれ、RADWIMPSは再びステージに登場。野田は「誰1人、俺が生まれた瞬間にこんな大勢の人に『洋次郎!』って呼ばれると思ってなかったと思います」と述べ、「俺は歌ってなくて歌詞も書けなくて音楽も作れなかったらどうしようもない人間なんですけど、本当に歌があってよかったなと思うし、歌があってこうやってつながれてるので、音楽があってよかったです」としみじみと口にした。ここでRADWIMPSは、Jリーグ開幕30周年を記念して制作した新曲「大団円 feat. ZORN」をパフォーマンス。フィーチャリングアーティストのZORNも舞台に登場し、重厚なサウンドに乗せて熱いリリックを放った。この曲ではカメラでの撮影が許可され、オーディエンスは一斉にスマートフォンを構えてこのコラボを写真に残す。最後にZORNは野田と握手とハグを交わし、「ありがとうございました! また会いましょう!」と言い残してステージを去った。野田は「俺はずっと勝負みたいな世界とは違うところにいきたいなと思って音楽を始めて。ちっちゃい頃からバスケをやるにしても、がむしゃらな相手チームの人を見るとちょっとひるんじゃって、こんなに勝ちたい人がいるなら、俺は負けていいやっていつも逃げちゃったりしていました」と話を切り出し、「この曲を作りながら吉田麻也選手のインタビューとかもさせてもらって、人間は基本的に優しさで生きていていいなと思うんだけど、自分のために、大事な人のために勝たなきゃいけないっていう瞬間があるんだなと思って、そんな思いで作りました。だからここ一番という瞬間で、この音楽が皆さんにとって大事な音楽になったら最高です」と楽曲に込めた思いを語った。

クラップがピースフルなムードを生み出した「いいんですか?」を経て、「せっかくだからもうちょいやるか!」という野田の言葉とともに「君と羊と青」が続く。アウトロでの「もう1回!」コールに応えてメンバーはエネルギーを爆発させるように演奏。その後もオーディエンスの期待のこもった拍手と声はやまず、野田から「どうせならもう1曲やるか!」という言葉が飛び出した。野田は「自分がちっちゃい頃に想像してた38歳のどのパターンよりも今が一番幸せです」とうれしそうに述べ、「東京の駄々っ子っぷりを見せてみろ!」と「DADA」を投下。最後までライブハウスに熱狂の渦を生み出し、東京公演に幕を下ろした。

RADWIMPS「BACK TO THE LIVE HOUSE TOUR 2023」2023年7月5日 Zepp Haneda(TOKYO)セットリスト

01. ココロノナカ
02. なんちって
03. ソクラティックラブ
04. ます。
05. ハイパーベンチレイション
06. 指切りげんまん
07. me me she
08. かたわれ時
09. そっけない
10. ヒキコモリロリン
11. 俺色スカイ
12. 遠恋
13. Tamaki
14. オーダーメイド
15. 05410-(ん)
16. 有心論
17. 会心の一撃
<アンコール>
18. 大団円 feat. ZORN
19. いいんですか?
20. 君と羊と青
21. DADA

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