ceroの全国ツアー「『e o』 Release Tour 2023」が、7月12日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でファイナルを迎えた。
「『e o』 Release Tour 2023」は、ceroが5月に5年ぶりとなるオリジナルアルバム「e o」をリリースしたことを記念して行われた全国ツアー。ファイナルとなるZepp Shinjuku(TOKYO)公演のチケットは早々にソールドアウトする盛況ぶりで、約1500人のオーディエンスが約2時間にわたって彼らの奏でる音楽を楽しんだ。
高城晶平(Vo, Flute, G)、荒内佑(Key)、橋本翼(G, Cho)が、サポートメンバーである厚海義朗(B)、光永渉(Dr)、角銅真実(Per, Cho)、小田朋美(Key, Cho / CRCK/LCKS)、古川麦(Trumpet, Cho)とともにステージに登場すると、会場は大きな歓声と拍手で包まれる。8人は定位置につくと、「e o」のオープニングナンバー「Epigraph」で静かにライブの幕を開けた。高城のささやくような歌声に、美しいコーラスワーク、繊細なピアノの音色が重なっていき、場内が徐々に神秘的なムードに支配されていく。次に披露されたのはグルーヴィなダンスナンバー「マイ・ロスト・シティー」。ceroはアフロファンク調のこの曲に「e o」を構成する1つの要素であるエレクトロニカを組み込み、ライブならではのアレンジでバンドの現在地を提示した。
角銅のトライバルなパーカッションを合図に「Elephant Ghost」の演奏が始まると、真っ赤に染まった場内は一気に異国ムードに。腕利きのメンバーが阿吽の呼吸で織りなす複雑なリズムに、オーディエンスは体を激しく揺らして演奏を楽しんだ。ceroは「Nemesis」で場内にスペーシーな空間を作り上げると、アバンギャルドなサウンドとカオティックな詩世界が交差する「Fuha」、幽玄で浮遊感漂う「Sleepra」を抜群のコンビネーションで奏でてオーディエンスを異次元へと導いた。
ライブ終盤、高城が満員のフロアを眺めながら「初めてceroのライブに来た方は手を上げてもらってもいいですか?」と呼びかけると、客席からたくさんの手が上がる。その様子を見た高城は「ちゃんと種を蒔いてきた結果だ(笑)。『e o』はなんのタイアップもない地味なアルバムで、僕らは40歳近いバンドで、こんなふうに新しい人が来てくれるって快挙ですよ」とうれしそうに語った。ceroは「わたしのすがた」でライブを再開させると、「Tableaux」「Poly Life Multi Soul」を続けて再び観客のテンションを引き上げていく。最後は「e o」を締めくくる「Angelus Novus」で壮大なサウンドスケープを描き、静けさと深い余韻を残してステージをあとにした。
強烈なアンコールを受けて再びステージに現れたceroは、高城がアルバムリリースまでの5年間を振り返ったのち「ロープウェー」を披露。観客たちは温かなサウンドの中で歌われる「やがて人生は次のコーナーに / 人生が次のコーナーに」というフレーズに、それぞれがceroの音楽とともに歩んできた日々を重ねるようにじっくりと耳を傾けた。その後、ceroが夏を感じさせるキラーチューン「Summer Soul」を届けて退場するも、観客の拍手は止まずダブルアンコールが行われることに。8人は最後に「Orphans」「街の報せ」を充実した表情でプレイしてツアーファイナルを締めくくった。
※高城晶平の「高」ははしご高が正式表記。
cero「『e o』 Release Tour 2023」最終公演 7月12日 Zepp Shinjuku(TOKYO) セットリスト
01. Epigraph エピグラフ
02. マイ・ロスト・シティー
03. Hitode no umi 海星の海
04. Cupola キューポラ
05. Elephant Ghost
06. Nemesis ネメシス
07. Fuha フハ
08. Sleepra スリプラ
09. Evening news イブニング・ニュース
10. Fdf エフ・ディー・エフ
11. Contemporary Tokyo Cruise
12. わたしのすがた
13. Tableaux タブローズ
14. Poly Life Multi Soul
15. Angelus Novus アンゲルス・ノーヴス
<アンコール>
16. ロープウェー
17. Summer Soul
<ダブルアンコール>
18. Orphans
19. 街の報せ