Deep Sea Diving Clubのライブツアー「Mix Wave Tour」が、海の日の7月17日に東京・Spotify O-nestでファイナルを迎えた。
2019年に結成し、今年5月にEP「Mix Wave」でメジャーデビューを果たした福岡発の4人組バンド・Deep Sea Diving Club。彼らは本作を携え、7月7日に活動拠点である福岡のOP's、16日に大阪・LIVE HOUSE Pangea、17日に東京・Spotify O-nestというライブハウス3カ所で公演に臨んだ。
Deep Sea Diving Clubのロゴをかたどった青いネオン管のオブジェがひときわ存在感を放つステージ。場内にはケツメイシ「夏の思い出」、BONNIE PINK「A Perfect Sky」など、この時期にぴったりのサマーチューンが流れている。その音が止むと、出原昌平(Dr, Cho)、鳥飼悟志(B, Cho)、大井隆寛(G, Cho)、サポートの宗正恭平(Key)、少し時間を置いて谷颯太(G, Vo)がステージ入り。東京でレコーディングした3部作の1つ「フーリッシュサマー」で軽快にライブをスタートさせた。谷の「踊りましょう!」というひと声をきっかけに披露されたのは、土岐麻子とタッグを組んだ「Left Alone」。歌謡曲の要素も感じられるこのナンバーを、谷は土岐のパートを含め、たおやかに歌い上げた。
全編英語詞で構成される横ノリの「SUNSET CHEEKS」、温かなサウンドが心地よい「おやすみDaydream」をじっくり聴かせたDSDC。続く、新たなライブチューン「リユニオン」では、音に乗りながらハンドクラップし、楽しげにシンガロングする観客を前に、時折ガッツポーズする場面もあった。それもそのはず。DSDCにとって「Mix Wave Tour」は初めて観客の声出しが解禁されたツアーだった。歓声を浴びてうれしそうな表情を浮かべる谷は「声を聞かせてくれ! Make some noise!」と観客をさらに盛り上げた。
力のこもったソロプレイにフロアが沸いた「Just Dance」のあとには、「bubbles」で涼やかなアンサンブルが場内を満たす。その後、鳥飼は「ツアーファイナルということで温まりまくった男たちががんばってるわけです」と力強く語り、出原は「やっほー! みんな元気ー! 元気が一番。8月で結成から丸4年ですよ。そう考えると感慨深いですね」としみじみ。大井は「今日はここに集まってくれてありがとう」と優しいトーンで語りかけた。そして、ジャジーなムードの「しじま」で本編は折返しへ。昨年冬に制作された「Miragesong」、渋谷の街を歩きながら作ったという「goodenough.」、ラップも織り交ぜられた浮遊感あふれる「ゴースト」といった最新作「Mix Wave」からのナンバーが次々と披露された。
終盤で届けられたのは、福岡の空を思いながら作詞したという「CITY FLIGHT」。天井のミラーボールが旋回する中、開放感のあるアンサンブルやソウルフルな歌声がフロア中に響き渡る。弾むようなビートが印象的な「lostpeople」を経て、ライブは本編最後の「T.G.I.F.」に突入。彼らは弾ける笑顔でダンサブルなサウンドを放ち、谷のロングトーンでオーディエンスを興奮の渦に巻き込んだ。
アンコールを求める拍手に応えてステージに再登場したDSDC。深く息を吸い込む谷の後ろで、出原がパワフルなドラミングを奏で、「ランデブー」がスタートした。陽気なアンサンブルに身を委ね、気持ちよさそうに体を揺らすオーディエンス。ラストソング「cinematiclove」ではクライマックスに向けて熱を帯びていくパフォーマンスに、ファンが釘付けとなった。すべての曲目を終えたメンバーは、集まった観客に改めて感謝の言葉を伝えた。
Deep Sea Diving Club「Mix Wave Tour」2023年7月17日 Spotify O-nest セットリスト
01. フーリッシュサマー
02. Left Alone
03. SUNSET CHEEKS
04. おやすみDaydream
05. リユニオン
06. SARABA
07. Just Dance
08. bubbles
09. しじま
10. FLACTAL
11. Miragesong
12. goodenough.
13. ゴースト
14. CITY FLIGHT
15. フラッシュバック'82
16. lostpeople
17. interlude(for Early Summer)
18. T.G.I.F.
<アンコール>
19. ランデブー
20. cinematiclove