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くるりホールツアー完走、ジャンルレスな新旧25曲を届けた濃密な2時間半

「くるり『愛の太陽 EP』発売記念ホールツアー2023」東京公演1日目の様子。(撮影:三田村亮)
約1年前2023年08月04日 11:05

くるりの全国ツアー「『愛の太陽 EP』発売記念ホールツアー2023」が昨日8月3日に東京・昭和女子大学人見記念講堂にてファイナルを迎えた。この記事では、8月2日に同会場にて行われた東京公演1日目の様子をレポートする。

開演時刻ぴったりに岸田繁(Vo, G)と佐藤征史(B)、サポートメンバーの松本大樹(G)、石若駿(Dr)、野崎泰弘(Key)がステージに姿を現す。5人は「真夏日」の穏やかな演奏でライブをスタート。時の移ろいを表すように橙から青へと変わりゆく照明の中から、しなやかな音と歌声を届け、いきなり会場を感傷的な空気で包み込む。2曲目「LV45」を経て、5人は「ワールズエンド・スーパーノヴァ」「琥珀色の街、上海蟹の朝」「赤い電車(ver. 追憶の赤い電車)」と新旧の代表的なナンバーを立て続けに披露。ファンクやエレクトロ、ネオソウル、ヒップホップなどさまざまなジャンルの音楽を血肉化したパフォーマンスが続き、ライブの様相は万華鏡のごとく刻々と変化していく。その後さわやかなポップチューン「THANK YOU MY GIRL」で、胸のすくようなカタルシスがもたらされたのも束の間、プログレッシブな展開を見せる「Morning Paper」がシームレスに演奏され、激しい轟音が会場中に響き渡った。

ここまで7曲をノンストップで歌唱した岸田は「ここまではけっこう知ってる曲が多かったよね?」と観客に問いかけつつ、「せっかくのワンマンツアーですから、皆さんの知らない曲もお届けできたらと思います」と「GUILTY」を披露。佐藤と美しいコーラスを織り成し、続く「ハイウェイ」ではアコースティックギターの音を優しく鳴らす。「愛の太陽 EP」の収録曲「Smile」では牧歌的で朗らかな空気に会場が包まれた。ライブが折り返し地点を迎えた頃には、オリジナルメンバーである森信行とともに制作された「In Your Life」が披露され、無骨なギターサウンドを基調としたアンサンブルが心地よく鳴り響いた。

その後もくるりは、多彩なアプローチの楽曲を休む間もなく次々とパフォーマンス。岸田によるボンゴの演奏が印象的な「つらいことばかり」で目まぐるしい展開が続いたのち、異国情緒あふれる「スラヴ」が奏でられると、アウトロの終わりと同時に客席では大きな喝采が沸き起こる。さらに5人は「八月は僕の名前」で優美なサウンドと歌声を柔らかく充満させると、「愛の太陽」で軽快なバンドサウンドを鳴らし、緩急の利いたセットリストで観客を魅了し続けた。

ライブが終盤を迎えた頃、5人は「虹」を演奏し会場の熱気を上昇させる。アウトロでは激しいセッションが繰り広げられ、ブルージーなギターの音色と岸田によるスキャットが観客の耳を惹き付けた。代表曲「ばらの花」を経て、「Liberty&Gravity」でホール中が異様な高揚感に満たされる中、高らかに鳴り渡ったのは「ロックンロール」のギターリフ。5人が眩い照明を全身に浴びながら、真っ白な光の中から力強いバンドサウンドを鳴らすと、高まったムードはピークに達する。そして本編最後に彼らは「奇跡」を披露し舞台を去って行った。アンコールの拍手を受けて再び姿を現した5人は、8月9日にリリースを控える新曲「California coconuts」と「潮風のアリア」をパフォーマンス。グルーヴィな演奏に乗せて岸田の情緒豊かな歌声が届けられ、2時間半以上にわたる公演は幕を閉じた。

「くるり『愛の太陽 EP』発売記念ホールツアー2023」2023年8月2日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト

01. 真夏日
02. LV45
03. ワールズエンド・スーパーノヴァ
04. 琥珀色の街、上海蟹の朝
05. 赤い電車(ver. 追憶の赤い電車)
06. THANK YOU MY GIRL
07. Morning Paper
08. GUILTY
09. ハイウェイ
10. 7月の夜
11. Smile
12. 旅の途中
13. In Your Life
14. 益荒男さん
15. つらいことばかり
16. スラヴ
17. 八月は僕の名前
18. 愛の太陽
19. 虹
20. ばらの花
21. Liberty&Gravity
22. ロックンロール
23. 奇跡
<アンコール>
24. California coconuts
25. 潮風のアリア

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