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KID FRESINOがバンドと一体化した怒涛のライブで観客圧倒、新曲やカバーでさらなる進化見せつける

KID FRESINO「KID FRESINO rose tour」神奈川・KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:Ray Otabe)
約1年前2023年09月04日 9:01

KID FRESINOが8月22日から8月29日にかけて、バンド編成で愛知、北海道、神奈川、石川を回るライブツアー「KID FRESINO rose tour」を開催した。

KID FRESINOは2017年1月に初の生楽器、バンド編成による作品「Salve」をリリースし、2018年1月に初めてバンドセットによるワンマンライブを開催。同年11月にバンドで制作した楽曲を中心とする3rdアルバム「ài qíng」をリリース後、バンド編成でのライブを積み重ね、その方向性を推し進めた4thアルバム「20,Stop it.」を2021年1月に発表した。

今回のツアーで彼は多くのライブをともにしてきた三浦淳悟(B)、佐藤優介(Key)、斎藤拓郎(G)、石若駿(Dr)、小林うてな(Steelpan, MainStage, Cho)、西田修大(G)と各地を回り、「ài qíng」や「20,Stop it.」の収録曲を中心とする楽曲を演奏。初披露となる新曲やカバーも届け、バンドと一体化したパフォーマンスでその進化を見せつけた。この記事では8月28日に行われた神奈川公演の模様をレポートする。

平日ながらも、しっかりと観客で埋め尽くされたキャパ2000人規模のKT Zepp Yokohama。開演時刻を迎え、今回のツアータイトルとなっている最新曲「rose」のビートが爆音で鳴り響くと、照明で赤く染まったステージにスーツ姿のKID FRESINOが飛び出してくる。スタンドマイクを振り回しながら疾走感あふれるラップで観客を沸かせた彼は、ライトが激しく明滅する中、「Special Radio」を2曲目に披露。この曲では石若がドラムを重ね、続く「No Sun」でほかのバンドメンバーも加わると、大迫力の演奏とそれに引けを取らないKID FRESINOの力強いラップがさらなる興奮を生み出していく。

石若の変幻自在なドライミングに加えて、佐藤や西田のソロプレイも光った「RUN」、KID FRESINOが鎮座DOPENESSのヴァースもラップした「Winston」に続けて披露された「Girl got a cute face」「Keys open door」には、Campanellaがゲスト参加。バンドメンバーによる軽快な演奏に乗せて、KID FRESINOとCampanellaは息の合った掛け合いを繰り広げ、スキルフルなフロウでオーディエンスの頭を揺らす。パワフルなパフォーマンスに対して観客の盛り上がりも尋常ではなく、「Arcades」ではその場にいないNENE(ゆるふわギャング)のヴァースを合唱。「come get me」「Let It Be」と勢いあるナンバーが続く中、何度も大歓声が巻き起こった。

「dejavu」「not nightmare」「Retarded」とやや落ち着いたナンバーをしっかり聴かせて会場のムードを変えたKID FRESINOは、ここで新曲を披露。メロウな演奏に甘い歌声を絡ませたかと思えば、アグレッシブなロックサウンドに乗ってシャウトし、ファンを驚かせる。さらに聴き覚えのないオリエンタルなムードの新曲が演奏され、観客が聴き入る中、ステージに現れたのはOtagiri。まるで演説のような独特なラップで観客を惹き付けた彼は、続く「Lungs」でもKID FRESINOと息を呑むようなスリリングなパフォーマンスを繰り広げ、強烈なインパクトを残して去っていった。

ラッパーのライブでは観客がスマホを掲げて撮影する光景が当たり前になっているが、Otagiri退場後、KID FRESINOは「今日はですね、ちょっとゆっくり観てもらおうかなと思って、撮影なしとかにしてもいいですか?」と呼びかけ、「ごめん、みんなの自由は奪いたくないんだけど、そういう感じでやってみよー!」と笑うと、現在のバンドスタイルを知らしめた楽曲と言える「Coincidence」へ突入。会場が熱気に包まれる中、「Salve」では盟友JJJも姿を見せ、ファンは一層沸き上がった。

ライブ終盤、イギリス・ロンドンのインストバンドLos Bitchosの楽曲を引用した情熱的なバンドアレンジで「lea seydoux」を届けたKID FRESINO。続けて彼が披露したのは、アメリカのシンガーソングライター、アーロン・フレイザーによるカバーでも知られるグルーヴィなナンバー「Looking For A Brand New Game」だ。バンドが爽快感あふれる演奏を繰り広げる中、KID FRESINOは明るい歌声を響かせ、新たな一面を印象付けた。

その後ピンスポットの中で「youth」を静かに歌い、「Rondo」で穏やかなムードを作り上げたKID FRESINOは、「that place is burning」で尊敬するハナレグミを迎え入れる。ハナレグミが温もりのある歌声を響かせる一方、楽曲後半でKID FRESINOのラップとバンドの演奏はどんどんと加速。壮絶なパフォーマンスに観客は釘付けとなる。

その余韻が強く残る中、ハナレグミは自身の楽曲「光と影」を優しく歌い上げて退場し、KID FRESINOは人気曲「LOVE」でライブを締めくくるが、アンコールを求める拍手に応じて再びステージへ。彼が最後にバンドセットで「Easy Breezy」を披露すると、歓喜したファンは待ってましたとばかりに大合唱で応え、会場は熱狂的な空気で包まれる。こうして全26曲のライブは終演。怒涛のパフォーマンスをほぼノンストップで浴びた観客は圧倒された様子で、終演後も会場は興奮で満ちあふれていた。

KID FRESINO「KID FRESINO rose tour」2023年8月28日 KT Zepp Yokohama セットリスト

01. rose
02. Special Radio
03. No Sun
04. Run
05. Winston
06. Girl got a cute face feat. Campanella
07. Keys open door feat. Campanella
08. Arcades
09. come get me
10. Let It Be
11. dejavu
12. not nightmare
13. Retarded
14. 新曲
15. 新曲
16. Lungs feat. Otagiri
17. Coincidence
18. Salve feat. JJJ
19. lea seydoux
20. Looking For A Brand New Game(aaron frazer cover)
21. youth
22. Rondo
23. that place is burning feat. ハナレグミ
24. 光と影 feat. ハナレグミ
25. LOVE
<アンコール>
26. Easy Breezy

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