私立恵比寿中学の真山りかが、なだぎ武、宮田裕章、大塚明夫とともに、本日10月5日に東京・六本木ヒルズ森タワー 東京シティビューで行われた「手塚治虫 ブラック・ジャック展」のオープニングセレモニーに参加した。
手塚治虫「ブラック・ジャック」の連載開始50周年を記念し、明日10月6日から11月6日まで同会場で開催される展覧会「手塚治虫 ブラック・ジャック展」。この展覧会では、1973年11月から1983年10月まで「週刊少年チャンピオン」で連載された本作の500点以上の原稿や、1970年代に手塚が発表した200点以上のエピソードの直筆原稿が展示される。また本展では「ブラック・ジャック」の誕生秘話が明かされるほか、連載当時のニュース映像とともに本作を読み解くコーナー、さらにキャラクターたちと写真が撮れるフォトブースも設置される。
東京の景色をバックに「ブラック・ジャック」の名セリフが掲示されたホールに、マンガ好きで知られる真山、手塚治虫作品ファンのなだぎ、慶應義塾大学医学部教授で、本展の東京会場公式ファシリテーターの宮田が登場。冒頭ではピノコを意識した衣装に身を包んだ真山が、ピノコが怒ったときや驚いたときに使う言葉「アッチョンブリケ」をかわいらしく披露してみせるなど、和気藹々としたムードで「ブラック・ジャック」トークに花を咲かせた。
一足先に「ブラック・ジャック展」を見た感想について、「原画だけでもありすぎて……逆に何を見たか覚えてない」と切り出したなだぎは、そもそもの原画の状態がとにかくよかったと熱弁。そして「手塚先生の情熱とエネルギーと汗と愛のこもった原画を、生でこの時代に見られるのは非常に貴重な展示会だと思うので、今度はプライベートで朝一番から来たいと思います」と食い気味に意気込んだ。真山はテーマごとに沿った回が並べられている“第3室”で見たギャグコーナーが印象的だったと話し、「動物が出てくる回がすごく好きで、その中でもクマを描いた生の原画をじっくりと見て大興奮してしまいました」と笑顔を浮かべた。また節目ごとに「ブラック・ジャック」を読み返すという宮田は、「読む度に大切な話が増えていきますね」とコメント。さらに「10年前は『こんな時代来ませんよ』と思っていたAIの話が、今はもうその時代になってる。医師がプログラマーになってるところも、今ではリアルだし……医師免許を持って未来を見ていた手塚先生だからこそ描けたんだなと」と、時代が変わってもリアリティが増していくすごさを語った。
3人による「ブラック・ジャック」トークが加速していくのを、柔らかに受け止めた司会者は「本日スペシャルゲストに駆けつけていただきました!」とゲストを紹介。ホール内に「医者はなんのためにあるんだ」という名言が響くと、アニメ「ブラック・ジャック」で主人公のブラック・ジャックの声優を務めた大塚明夫が姿を現した。
ブラック・ジャックを演じた際のエピソードを尋ねられた大塚は、自身が元々は別の役に扮する予定だったことを明かし、「1tくらいあるぼた餅が棚からドーンと落ちてきた」と当時を振り返る。そして「大きなキャラクターがやれるんだ!といううれしさと、同じくらいのプレッシャーがありました」としみじみと語った。真山の「役作りはどのようになさっていたんですか?」という質問には、「ブラック・ジャックがどういう人なのかは心得ていたんです」と連載当時からマンガを読んでいたことで、本作と馴染み深かったことを説明。また「アニメにしかないオリジナルの部分は、大塚さんの中で膨らませて演じでいたんですか?」という問いかけには、「そこは台本、監督の出崎統さんのイメージに準じて演じていました」と答えた。さらにアフレコの際に泣いてしまうことがあるのか聞かれ、「ありました。何を言っているかわからなくならないようにしながらも、いい意味で利用してました」と胸を張った。
最後は大塚が「ブラック・ジャック」のセリフを生で披露することに。真山が昨年声帯ポリープの切除を行なったことから、その手術後のシチュエーションとして「あなたのポリープは切除しました。ギャラはびた一文まけませんぜ。3000万円いただきましょう」と即興アレンジでパフォーマンスし、オープニングセレモニーを締めくくった。
※手塚治虫の塚は旧字体が正式表記。
手塚治虫 ブラック・ジャック展
2023年10月6日(金)~11月6日(月)東京都 六本木ヒルズ森タワー 東京シティビュー
(c)Tezuka Productions