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吉田山田、“レア曲”で顧みる周年ライブ「最高の人生だと言い切れるのは、あなたのおかげ」

山田義孝(Vo)の肩を抱く吉田結威(G, Vo)。(撮影:白石達也)
約1年前2023年10月23日 6:01

吉田山田が10月21日に東京・品川インターシティホールにてデビュー14周年ライブ「吉田山田14周年記念ライブ~14祭~」を開催した。

音楽は魔法のようで、タイムカプセルみたい

2人がライブの最初に披露したのは、昨年の13周年ライブの最後に披露した「音楽」。13周年ライブは過去に発表した楽曲から最新曲まで時系列ごとに演奏するコンセプトのもとに行われ、「音楽」はそのフィナーレを飾る“最新の曲”として披露されていた。この1年ですっかりライブの定番曲として浸透したこの楽曲を歌い終えた2人は「ようやくこの日を迎えられた」「自分の誕生日よりうれしい日」と、周年ライブの開催を喜ぶ。吉田結威(G, Vo)は“お品書き”として、今年の周年ライブでは吉田山田がこれまで発表してきたシングルのカップリング曲をすべて披露することをアナウンス。まずは2009年10月21日にリリースしたデビューシングル「ガムシャランナー」のカップリング曲である「水色の手袋」「全部そのままのキミでいい」を披露した。

その後は「夏のペダル」のカップリング曲「頑張ることに決めた」へと続き、昨年と同じく古い曲から新しい曲へ、吉田山田の14年の歴史を“カップリング曲”といういつもと違う視点で切り取るようなセットリストが展開された。山田義孝(Vo)は「音楽は魔法のようで、タイムカプセルみたい。歌いながら、曲を作っていたときの部屋の匂いとか、季節の風を感じている。あのときの自分に励まされたような気持ちになる」と語り、2人がファンと過ごした長い時間の流れに思いを馳せていた。

即席のマジックで“歌詞消失”

吉田がアコースティックギターをワンストローク鳴らして手を挙げれば、シングル「約束のマーチ」に収録された「光」の演奏がスタート。この日の公演にはサポートメンバーとして幡宮航太(Key)が参加しており、CDに収録されている音源とは異なる特別なアレンジで各楽曲が披露された。MCでは吉田山田のファッションやライブでのパフォーマンスの変化を語り合うひと幕も。山田がライブでハトを出していた“ハト期”、ライブ中にマジックを披露していた“マジック期”など、いろいろなエンタテインメントに挑戦していたことを振り返ると、トークの流れで吉田は山田にマジックを披露するよう促す。何も用意していなかった山田はまさに“タネも仕掛けもない”状態で、ステージ上の人物が一瞬で入れ替わるマジックに挑戦。シルクハットで自身の顔を隠し、一瞬で何かを起こそうと奮闘するも、山田のマジックは一瞬だけ自身の変顔を披露しただけという結果で終わってしまう。突然のマジック披露に動揺した山田はライブの休憩を要請するも、吉田と幡宮は次の曲「愛するキミがそばにいる」の演奏を開始。気持ちの切り替えができていない山田は歌い出しから歌詞を飛ばしてしまい、マジックの結果として“頭の中の歌詞が消えてしまった”というオチが付いてしまった。

ライブ中盤のMCで吉田は「14年前のデビュー日当日に目を覚ましたときのワクワクした気持ちと、今朝目を覚ましたときの気持ちに変わりがない」と語り始め「14年前も今も、根拠のない自信だけはある。いい歳だからそこに根拠はつけていかなきゃいけないけどね(笑)。まだ叶えていない夢もたくさんあるから、今日はお祝いでもあり、その夢を叶える第一歩でもある」と、力強く宣言した。「好きだよ」の演奏中には吉田がサプライズで客席まで降りて行き、ファン1人ひとりの顔を見ながら歌唱。ファンとの交流を経て上機嫌になった吉田は曲の最後に相方である山田のところに歩み寄り、肩を組んで最後の一節をデュエットした。本編の最後に歌われた楽曲はシングル「桜咲け」にリミックスバージョンが収録されていた「押し出せ」。この楽曲は吉田山田がかつてキャッチフレーズとして多用していた「ネガティブ押し出せ」というフレーズをコール&レスポンスで繰り返すもので、歌い終わる頃には会場内はどこか心地よいポジティブな空気感に包まれていた。

15年目はやりたいことをやる

アンコールの代わりにファンの「約束のマーチ」の歌声が上がり始めると、それを聴いて再び吉田山田がステージに登場。本編ですべてのカップリング曲を披露し終えた2人は、ここで未発表の新曲「銀河ラジオ」を披露。ここからはコンセプトに縛られることなく、「ハローグッバイ」「約束のマーチ」「日々」といった人気曲が矢継ぎ早に披露された。

ライブがフィナーレを迎えると思いきや、吉田は客席のファンにライブの感想を聞きに行き、客席の中から「結婚しました」というボードを持ったカップルを発見。このカップルがライブ前日に結婚したことを吉田山田に報告すると、吉田は急遽カップルをステージ上に招いて2人を祝福した。カップルをステージから送り出した吉田は「15年目はやりたいことをたくさんやる」と宣言し、2024年4月より全国ツアー「吉田山田Tour2024 一期ツアー」を開催することを発表した。改めて客席全体を見渡した吉田は、ギターを爪弾きながら「最高の人生だと現時点で言い切ることができるのは、あなたのおかげです。本当にありがとう」と感謝の言葉を述べ、ラストナンバー「魔法のような」の演奏を始める。吉田の奏でるアコースティックギターの音色に山田が伸びやかな歌声を重ねると、客席からはいつの間にか手拍子が巻き起こり、会場内はピースフルな雰囲気に。最後には山田の号令のもと盛大な「ラララ」の歌声が響きわたり、14周年ライブは大団円を迎えた。

セットリスト

吉田山田「吉田山田14周年記念ライブ~14祭~」2023年10月21日 品川インターシティホール セットリスト

01. 音楽
02. 水色の手袋
03. 全部そのままのキミでいい
04. 頑張ることに決めた
05. 光
06. 風と雲と虹
07. 愛するキミがそばにいる
08. SMILE
09. 明日がくるよ
10. イッパツ
11. HOME
12. 好きだよ
13. たしか
14. 押し出せ
<アンコール>
15. 銀河ラジオ
16. ハローグッバイ
17. 約束のマーチ
18. 日々
19. 魔法のような

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