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鞘師里保の新たな挑戦、ツアータイトル「whynot?」に込められた思い

笑顔で手を振る鞘師里保。
5か月前2023年11月08日 13:03

鞘師里保の全国ツアー「RIHO SAYASHI 3rd LIVE TOUR 2023 whynot?」が、11月3日に東京・豊洲PITでファイナルを迎えた。全国7都市を回った鞘師はツアーファイナルの豊洲PITで昼夜2公演を実施。ファイナルのみの2段組ステージで、ダンサー4人とゲストアーティストを迎えた盛りだくさんのパフォーマンスを披露した。この記事では最終公演となった夜の部の模様をレポートする。

「ここにすべてを置いてかないと後悔してしまう」

開演前、無人のステージに目をやると、ツアータイトルの「whynot?」をかたどった楕円形のロゴマークが淡い光を放っていた。そこにまずは、昨年のツアー「RIHO SAYASHI 2nd LIVE TOUR 2022 UNISON」でも息の合ったパフォーマンスを見せたダンサーのGENTARO、pik、AYAKA、YUKINAが登場。「Stupid」のイントロに乗せてステージ上段に鞘師のシルエットが浮かぶと大きな歓声が上がった。声出しが禁じられていた昨年のツアーにはなかった光景だ。モノトーンの衣装に身を包んだ鞘師と4人のダンサーは「Stupid」の世界観をクールな歌とダンスで表現。繰り返されるスラップベースがじわじわとテンションを上げる2曲目の「Take a Breath」でフロアの温度をゆっくりと高めていく。「Melancholic Blvd.」では観客もリズムに合わせて体を揺らし、感情のこもった鞘師の歌声に聴き入った。

「ついに来てしまいました……ツアーファイナルです! はああ……ここにすべてを置いてかないと後悔してしまう」と、鞘師はツアーの終わりを惜しみつつ「だから後悔しないようにすべてを出し切ろうと思うんですけど、皆さんにも同じように今日は全力で楽しんでほしいです。ライブというものは皆さんの協力あってこそ完成するものなので、一緒にライブを作ってください。いいですね?」と問いかける。観客はこれに大声援で応え、続く「LAZER」ではその言葉の通り、フロアを激しく照らすレーザーの下で赤いペンライトを灯らせて幻想的な空間を作り上げた。アッパーチューン「BUTAI」で目まぐるしいダンスが展開されたかと思うと、ステージは暗転。ピンスポットの下にゲストDJのBUDDHAHOUSEが姿を現し、ファイナルにのみ用意されたスペシャルなパフォーマンスがスタートした。BUDDHAHOUSEのプレイに乗せてダンサー4人がソロダンスを披露したのち、鞘師が再びステージへ。MA-1を大胆にアレンジしたカーキ&オレンジの衣装に身を包んだ鞘師は、クラブ仕様にミックスされたメドレーで音に身を委ねるようにステージを跳ね回った。

「whynot?」はポジティブに裏返せる言葉

中盤のMCではファイナル2公演だけのために設置されたステージを愛でるようにゆっくりと移動し、立ち位置の番号が振られた床や照明演出のためスケルトン仕様になった足場などをうれしそうに紹介。切れ味鋭いパフォーマンスから一転、リラックスしすぎるほどにリラックスした様子で観客をなごませる。また、ソロとして初めて立ったステージでもある豊洲PITに帰ってこられた喜びをしみじみと語った鞘師は、このツアーで観客と一緒に盛り上がるべく用意した新曲「ラッセ!」を披露。タイトルにもなっている「ラッセ!」のかけ声と簡単な振付をレクチャーし、観客との一体感を楽しんだ。同じくキャッチーなタイトルのフレーズが一体感を生む「DOOM PA」では鞘師とダンサー4人のアクロバティックなダンスも飛び出した。

フロアとの“共演”を満喫した鞘師は、ここでツアータイトルの「whynot?」に込めた思いを明かす。「今まではパッと聞いたときにポジティブな印象が残るタイトルを選んでたんですけど、今回は『whynot?』、notが入ってるんですね。何か言われたことに対する『何がだめなの?』という意味だけど、ポジティブに裏返せる言葉でもあるんですよ。いろんな歌を歌っていきたい、新しいチャレンジし続けていきたいと考える中で、不安に思うことも正直あります。そういう迷いを『なんで好きなことをやっちゃだめなの?』と自分に対してチャレンジを肯定するような言葉になっていて。何か選択に迷ったときに『誰がどう思うとか、そういうのを考えすぎずに、自分が信じたものをちゃんとやっていこう』と自分自身の背中を押すような言葉になるんじゃないかと思うんです。同時に『鞘師がそういうふうに考えているんだったら、私も一緒にやってみよう』と皆さんの背中も押せるような、そんなアクションを送ることができればいいなと思うんです」と慎重に言葉を紡ぐ鞘師に、観客は温かい拍手を送った。そう宣言した鞘師がこの日最後のチャレンジとして用意したのは、ピアノ演奏とのコラボレーション。ピアニストの鈴木瑛子を呼び込むと、シンプルにアレンジされた「あの日約束したから」を丁寧に歌い上げた。鈴木はそのまま演奏を続け、ラストナンバーの「Winding Road」へ。ダンサー4人も合流し、スモークに包まれたステージで鞘師は軽やかに歌い踊った。

新しい挑戦の始まり、新曲「Hi(gh) Life」初披露

盛大な「鞘師!」コールを受けて再登場した鞘師が披露したのは、このツアーに合わせて制作されたもう1つの新曲。ツアーではここまでタイトル未定の新曲として歌われてきたが、ツアーファイナルで初めてそのタイトルが「DARK SIDE」であることが明かされた。「DARK SIDE」はBiSHの代表曲の数々を世に送り出してきた松隈ケンタの提供曲。これまでになくワイルドな鞘師の新たな一面が見られる楽曲だ。「みんなでブチ上げて終わりましょう!」と鞘師はさらにもう1曲、「WE THE ONES」をパフォーマンス。これにて大団円と思いきや、鞘師は最後にサプライズを用意していた。スタイリスト藤本大輔が手がけた衣装に着替えた鞘師は「一緒にライブを作ってくださった皆さんに感謝の気持ちを込めて、もう1曲新曲を歌います。新しい挑戦の始まりの1曲になるんじゃないかと思います」と宣言し、さらに「新しい空間を作りたいんですけど、協力してもらってもいいですか?」とスマートフォンのライトを点けるよう観客にリクエストする。フロアが星空のような光に包まれる中、鞘師はDURDNのトラックメイカーSHINTAとyaccoによるプロデュースユニット・tee teaが提供した新曲「Hi(gh) Life」を初披露。穏やかな笑顔でステージをあとにした。

セットリスト

鞘師里保「RIHO SAYASHI 3rd LIVE TOUR 2023 whynot?」2023年11月3日 豊洲PIT 夜公演

01. Stupid
02. Take a Breath
03. Melancholic Blvd.
04. LAZER
05. BUTAI
06. MERGE~Go-by~Find Me Out~Baby Me
07. ラッセ!
08. DOOM PA
09. あの日約束したから(ピアノver)
10. Winding Road
<アンコール>
11. DARK SIDE
12. WE THE ONES
<ダブルアンコール>
13. Hi(gh) Life

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