PaperBagLunchboxの全作品のストリーミング配信がスタートした。
2001年に大阪で結成され、2011年6月に解散したPaperBagLunchbox。当時リリースされた楽曲はすべてCDで販売されたため、現在はその多くが入手困難となっているが、解散から12年半を経て各ストリーミングサービスで楽しめるようになった。
配信に際し、デビュー作のミニアルバム「PBLEP」と1stアルバム「ベッドフォンタウン」はプロデューサーのカナイヒロアキ、ライブ会場限定で発売された2ndアルバム「Lost & Found ~2006-2010~」とラストアルバム「GroundDisco」は益子樹(ROVO、DUB SQUAD)によるリマスタリングが施されている。
また現存する唯一のミュージックビデオ「watching you」もYouTubeで公開された。合わせてメンバーのコメントも発表されている。
PaperBagLunchbox コメント
中野陽介(Vo, G)
音楽バブルの末期に、脆弱な心と体で挑んだ音楽の世界。思い返せばもう前世の記憶のような、、。苦々しい思い出とセットのはずの全33曲。しかし10年も経てば響きは変わってくるものです。1st EPと1st Albumをストリーミング配信に耐えうるサウンドにアップデートしてくれたカナイさん。当時は表現しきれなかった本来のバンドらしさを削り出してくれた益子さん、そして配信を許可してくれたwondergroundに心から感謝します。Emeraldの僕しか知らない人にも、また、当時僕たちを愛してくれたファンの皆様にも、届きますように。これで僕の関わった曲は全て、アクセスできる状態になりました。再び再生してもらえたなら、あの音楽にかけた10年という年月が少しだけ報われる気持ちです。
恒松遙生(Key, Noise)
just the Two of Us進行(丸の内進行)とも呼ばれるコード進行。文字で書くとスルーしてしまう人もいるかもしれないですが、音で聞けば、ほとんどの人はわかるはずです。
PBL無き後の日本の音楽シーンにおいて、爆発的に流行ったからです。極端に言えば、今も流行っています。このコード進行。「個人的」にはめちゃくちゃPBLっぽいなぁと勝手に思っています。2023年の今も。…「思っている」のに、PBLにこのコード進行の曲は存在していません。
僕はPBLのバンドの構成上、自然とコード進行やコードの選択をする立場でした。つまり、just the Two of Us進行(丸の内進行)を僕は選ばなかったのです。要するに、当時の僕の「個人的な拘り」で選ばなかった訳です。
「個人的な拘り」。PBLという音楽は、4人のメンバーの個人的な拘りのみによって作られています。
1stアルバム「ベッドフォンタウン」。例えば僕の場合だと、歌はボーカルのみにしたいから出来るだけハモりをつけたくない、トニックコードはなるべく使いたくない、などの「個人的な拘り」がありました。その後、空白の5年を経た後の2ndアルバム、3rdアルバム。作風は変わっていますが、メンバーそれぞれの「個人的な拘り」であることに変わりはありませんでした。PBL4人だけでなく、PBLに関わった人たち全員が「個人的な拘り」のみで突き進んだPBLプロジェクトだったのかもしれません。「個人的な拘り」…1人による行動においては当たり前の事ですが、バンドやチームとなると途端にそれを突き通すことが難しくなります。しかし、PBLはその難しさを純度100%で作品化しました。もちろん、たまたまです。メンバー4人が出会ったのもたまたま。偶然、という言葉がありますが、ここは「奇跡」と表現させてください。PBLは「奇跡のサウンドトラック」だったと僕は思っています。「個人的」に。今回、いろいろな方々のご尽力により、PaperBagLunchboxの全てのスタジオ録音作品が遂にネットにログオンとなりました。「奇跡のサウンドトラック」。今の時代に結構面白いと大真面目に思っています。僕もサブスク環境で聴くのが楽しみです。
倉地悠介(B)
10年以上前の曲がサブスクで聴けるようになるなんて驚きです。
今回楽曲を蘇らせてくれたカナイさん、益子さんに感謝!!
ぜひ聴いてください。
伊藤愛(Dr)
まさかまた改めてリリースされる日が来るなんて、思ってもみませんでした。
おひさしぶりですの人にも、はじめましての人にも。
たくさんの人のお耳を拝借できればいいなぁ、と思っています。