Kis-My-Ft2のアリーナツアー「Kis-My-Ft2 -For dear life-」が、昨日2月15日に東京・国立代々木競技場第一体育館で終幕した。この記事では最終日15日の昼公演の模様を中心にレポートする。
“茶封筒”から13年ぶりの代々木
昨年8月をもって北山宏光がグループを卒業し、6人体制での新たなスタートを切ったキスマイ。新体制では初のツアーとなった今回の公演タイトルには“全力を尽くす”という意味が込められており、グループの新たな一面を見せる演出やセットリストで全26公演、合計26万5000人のファンを楽しませた。
昼公演の開演前にはメンバー6人が報道陣の取材に応えた。キスマイが代々木第一体育館でライブを行ったのは、ステージ上でCDデビューが発表された2011年2月12日、通称“茶封筒の日”の公演以来実に13年ぶり。ひさびさに立ったステージを宮田俊哉は「客席や天井の感じとか見て『あ、ここでデビューの発表があったんだな』と思い出して、なんかエモかったですね」、藤ヶ谷太輔は「来てた衣装とか、鮮明に覚えています」と懐かしんだ。
演出やセットリストの構成を中心になって手がけたという二階堂高嗣は、6人体制での初のツアーについて「最初はやっぱりもちろん不安もありました」と正直な心境を吐露。続けて「『今の6人だったら、7人のときにできなかったことができるかもしれない』と模索しながらリハーサルをしてきました。僕らもファンのみんなも楽しめているので、今は安心してライブできています」とツアーファイナルを迎えた思いを語った。
玉森担当の衣装に二階堂&千賀がクレーム?
衣装を担当した玉森裕太は、「Rebirth Stage」のミュージックビデオの衣装をオマージュしライブ仕様の装飾を施したセットアップについて「みんなすごい華やかな感じで。テーマは変わらず『カッコいいキスマイを見せたい』ということでやらせてもらいました」と胸を張るが、横尾渉は二階堂と千賀健永について「ニカセンが衣装を作ったときに(玉森に)『お前、なんかキラキラ多くね?』と言っていて……(笑)」と玉森にクレームを入れていたと明かして笑いを誘う。玉森は「装飾の分量は俺は決めてないですから!(笑)」と2人に反論していた。
今回のツアーはキスマイのライブでは約4年ぶりに観客の声出しが可能となり、全国のファンが6人に熱い声援を送ってきた。このことについて尋ねられると、千賀は「あの声と僕らのパフォーマンスが重なることでやっとステージができるんだ、と改めて感じる瞬間がすごく多かったですね」としみじみと語り、横尾も「ライブが始まる前、皆さんが『キスマイGO!』って言ってくれるところで僕らのテンションもどんどん上がりました」と各公演を振り返った。
オープニングでいきなり重大発表
15日の昼公演のオープニングでは1曲目が始まる直前、場内のスクリーンで突如として初夏にニューアルバムがリリースされること、夏に東名阪ドームツアーが行われることが発表され、予期せぬサプライズに観客は大いにどよめく。興奮が会場内に満ちる中、6人は背中を向ける形でステージに現れ、オープニングナンバーの「Rebirth Stage」をクールに披露。その後もメインステージからセンターステージ、サブステージへと行き来しながら「HANDS UP」「Edge of Days」「Smokin' Hot」といったダンスナンバーを立て続けにパフォーマンスした。
アンニュイな雰囲気を漂わせる6人がゆっくりと逆さまになるインターバル映像に続いて始まったのは「CHUDOKU」。この曲では椅子に座ったメンバーが空中をフライングし、そのまま映像と同じように逆さまになるという演出でファンを驚かせた。卓越したダンススキルを余裕たっぷりに見せつけた「Akumu」、レーザー光線と6人の動きがシンクロした「You know what?」、二階堂と宮田のタップダンスに観客が沸いた「Tequila! -テキーラ-」など、キスマイのダンスパフォーマンスが存分に楽しめる楽曲が続く。「Lemon Pie」では会場がレモンの香りに包まれる演出が行われ、楽曲の世界を嗅覚からも表現してみせた。
「やっぱりドームに立ちたい」願いが叶う
MCでは宮田が「俺たちのツアー最終日に乾杯!」と音頭を取り、ファンに水分補給を促す。そして「13年前に“茶封筒”をいただきまして。それから代々木では(ライブを)やっていなかったけど、13年ぶりに帰ってきたぞ!」と思い出のステージに戻ってきた喜びを語り、千賀も「意図的にやってなかったわけじゃないんだけどね」と13年間を振り返る。一方、宮田は「ニカ、今日どうした?」と二階堂の呼吸が異様に乱れていることを指摘。「Tequila! -テキーラ-」でタップダンスを披露する二階堂と宮田は、曲の前半に花道の下を中腰姿勢で猛ダッシュしているとのことで、二階堂は「(代々木は)ここが長いのよ……」と花道の長さに苦戦したと告白。あげく2人は実際にどう走っているかを花道上で実演させられ、二階堂はさらに息を切らしていた。
そして6人はライブの冒頭で発表したアルバムリリースとドームツアーを改めてファンに報告し、「うれしいよね!」と笑顔を交わす。宮田はツアーをやっていく中で「やっぱりドームに立ちたいよな」という思いを強くしたと語る。しかしアルバムの詳細についてはまだ決まっておらず、現在打ち合わせ中とのこと。藤ヶ谷は「決まってないわりに(冒頭の映像で)『詳細待て!』って強気じゃなかった?(笑)」、横尾は「俺たち、あんまり決まってないうちに発表することが多くない?(笑)」とツッコみ、ファンの笑いを誘った。
最新シングル、メドレー、6人で歌う「ともに」
和やかなやり取りのあとで披露されたのは、1月3日にリリースされた両A面シングルのうちの1曲「C'monova」。振付のない、ラフな中にも6人の息が合ったパフォーマンスで観客を魅了すると、金木犀の香りを場内にあふれさせながら「想花」をしっとりと歌う。「雨 -Remix-」「Luv Bias」ではセンターステージ上方にクラゲのオブジェがゆらゆらと揺れ、幻想的なムードを作り上げた。
パープルの衣装にチェンジした6人は「Tokyo-Kis」のシックなサウンドを届けたのち、ソロダンスパートを経て「PSYCHO」「Black & White」をアグレッシブにパフォーマンス。観客のシンガロングを煽った「Dream on」からは、キスマイのこれまでのキャリアを彩ってきた各時代の楽曲をメドレー形式で披露する。千賀は「これが今のKis-My-Ft2です! これからも俺たちについてきてください」と力強く宣言した。
本編最後には「僕たちにとっても、皆さんにとってもすごく大切な曲です」という二階堂の言葉に続き、7人体制最後の楽曲となった「ともに」を歌唱。オーディエンスはペンライトの色を北山のメンバーカラーだった赤に変え、6人にエールを送った。アンコールでは6人がローラースケートを履いて登場し、デビュー曲「Everybody Go」を颯爽とパフォーマンス。その後は2階まで届くスタンドトロッコに乗り込み、会場の隅々のファンに向けて6人が手を振った。
最終公演で届けられたファンからのプレゼント
また、最終公演の15日夜公演ダブルアンコールではメンバーへのサプライズ企画も行われた。最新シングル収録曲の「Jenga Love」をライブ初披露したのち、スクリーンにはツアー会場でファンがメッセージを書く映像が映し出される。これは各会場のブースで、ファンから新体制への応援メッセージやライブの感想を密かに集めていたサプライズ企画。そしてファンから寄せられたメッセージを印刷した金テープがメンバーに向けて発射されると、各メンバーの目には涙がにじんだ。
宮田は「ちゃんと完走しないとなっていうプレッシャーとか責任とかもすごくあったツアーだったから、これはダメだって……」と感極まり、玉森は「よし、帰ろうぜ!」と冗談まじりに話したあとで改めて「たくさんの愛を受け取りました」と感謝を述べる。千賀は「こうやってファンのみんなの思いを言葉で受け取ることってなかなかないからうれしいな」、藤ヶ谷は「ほんと、(グループを)閉じなくてよかったな、続けてよかったよ。続けてたら人生いいことあるな」と感慨深げに話した。二階堂はツアーの制作過程を「いろいろ思い出しちゃった、ライブを作る過程とか」と回顧し、横尾も「皆さんの愛とたくさんのスタッフさんに支えられて、僕たちは本当に活動できてるなと思っています」と支えてくれた人々への思いを明かした。
メンバーがステージを降りたあと、スクリーンにはステージ裏の映像が中継された。そこには約3万枚にもおよぶメッセージを印刷した幕が150m以上にわたって掲出されており、6人はそれぞれの言葉に目を通しながら楽屋まで歩む。デビュー前にバックに付いていたTravis Japanやスタッフからのメッセージも寄せられ、ファンや関係者の思いの深さを感じさせるひとときとなった。
今回のツアー最終公演の模様は3月30日にWOWOWプライムで放送されることが決定している。また4月からはメンバーのインタビュー、ツアーのバックステージなどで構成されたオリジナル番組もオンエアされる。
セットリスト
「Kis-My-Ft2 -For dear life-」2024年2月15日 国立代々木競技場第一体育館 昼公演
01. Rebirth Stage
02. HANDS UP
03. Edge of Days
04. Smokin' Hot
05. Mr.FRESH
06. CHUDOKU
07. Akumu
08. You know what?
09. Tequila! -テキーラ-
10. Lemon Pie
11. SHE! HER! HER!
12. AAO
13. C'monova
14. 想花
15. 雨 -Remix-
16. Luv Bias
17. Tokyo-Kis
18. PSYCHO
19. Black & White
<マッシュアップ>
20. Dream on
21. アイノビート -Rock ver.-
22. Tonight
23. 若者たち
24. 全力ファイター
25. Shining Ace
26. Bang! Bang! BURN!
27. FIRE BEAT
20-b. Dream on
28. ともに
<アンコール>
29. Everybody Go
30. Sweet Melody
31. Yeah E Yeah!!!!!!!
32. Thank youじゃん!