JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイトJOYSOUND公式キャラクター「ジョイオンプー」

マカロニえんぴつFCツアー結成の地でファイナル、オタクに愛ある毒を吐く

はっとり(Vo, G)(撮影:酒井ダイスケ)
約1か月前2024年03月03日 3:07

マカロニえんぴつのファンクラブ限定のライブハウスツアー「マカロックツアーvol.17 ~思ひ出いっぱい☆地元へ帰ろう編~」が2月29日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでファイナルを迎えた。

マカロッカーへの恩返し

このFCツアーはマカロニえんぴつのオフィシャルファンサイト・OKKAKEの会員を対象に2月23、25、29日の3日間で行われたもの。長谷川大喜(Key, Cho)の出身地である新潟、はっとり(Vo, G)の地元の山梨、マカえん結成の地である神奈川を回り、インディーズ時代の楽曲を多数盛り込んだマニアックなセットリストでステージを繰り広げ、マカロッカー(マカロニえんぴつファンの呼称)を歓喜させた。また最終公演はOKKAKEで無料生配信され、全国各地のファンがリアルタイムでこのライブを楽しんだ。YouTubeではこの配信に向けてマカえんファンの“えんぴつ君”と“マカロニちゃん”を主人公としたショートムービーが公開されていた。

今や自他ともに認める“全年齢対象のロックバンド”として若者を中心に幅広い世代から支持されるマカロニえんぴつ。彼らが日本のロックシーンで活躍できるのはマカロッカーの支えがあってこそだ。

見ていると幸せだけど向き合うと面倒くさい

おなじみのThe Beatles「Hey Bulldog」が流れる中、真っ赤なライトに照らされて登場したはっとり(Vo, G)、高野賢也(B, Cho)、田辺由明(G, Cho)、長谷川大喜(Key, Cho)、サポートの高浦“suzzy”充孝(Dr)は初のドラマタイアップ曲「Supernova」でライブを開始。激しく明滅するライトとパワフルなロックサウンドが相まって、フロアは一気にヒートアップしていく。勢いを緩めることなくドロップされた「チューハイ少女」では、はっとりが軽快にギターを鳴らしながら「懐かしいー!」と声を張り上げた。

流れるようなキーボードサウンドが印象的な「girl my friend」に移ると、はっとりと田辺のツインギターが鮮やかな存在感を示した。序盤から凄まじい熱狂ぶりを見せるファンを前にはっとりは「この会場にはオタクしかいないです。オタクは見ていると幸せになりますが、向き合うと面倒くさいです(笑)。圧がすごい。古い曲やればやるほど喜ぶでしょ?」と呼びかけ、「大ちゃん、いっちゃうか! ピアノマン!」と長谷川にパス。弾むようなキーボードサウンドをきっかけに「ルート16」を届け、熱のこもったボーカルやポップなアンサンブルを場内に響かせた。

いい曲を熟成してきた

熱気をクールダウンさせるように「たしかなことは」を届けたあと、マカえんがパフォーマンスしたのは全国流通盤の1作目「アルデンテ」の収録曲「なんだったっけ」。大学時代に初ライブで演奏したというバンドの原点とも言えるこの曲でノスタルジックなムードに染め上げる。さらにメンバーは観客をディープな世界へと誘うように、サブスクでは配信されていない知る人ぞ知る「東京エレキ」「enough」を畳み掛けた。この2曲を終えるとはっとりは「こんないい曲をないがしろにしてたんだね」、長谷川は「熟成してたんだね」と語った。

懐かしいナンバーだけでなく最新アルバム「大人の涙」のリード曲「悲しみはバスに乗って」も披露され、切ないムードを増幅させるように「愛の手」や「二人ぼっちの夜」も届けたマカえん。深い余韻が残るフロアではっとりは「続いての曲でマカロニえんぴつを知った人も多いんじゃない?」とオーディエンスに語りかける。高野もお気に入りだという次の曲は「イランイラン」。高野からタイトルが発表されると、悲鳴に似た歓声が上がった。曲中には高野が心からステージを楽しむように軽やかなステップを踏み、ベースをプレイした。

高野、拳を突き上げる

「アルデンテ」からもう1曲「keep me keep me」をプレイしてライブはラストスパートへ。はっとりは「ロックは気持ちなのよ。ただ思わず叫びたくなった輩は、手を上げてしまいたくなったお前は、気持ちよくなるまで上げてくださいよ! 叫んでくださいよ!」と訴えかける。そしてイントロをたっぷり焦らしながらキラーチューン「ワンドリンク別」をドロップすると、ジャンプやコール&レスポンスでフロアは爆発的な盛り上がりを見せた。その後も「ハートロッカー」「洗濯機と君とラヂオ」というファンに親しまれ続けているライブ定番曲を畳み掛け、会場を存分に揺らしたマカえん。はっとり、田辺、高野は舞台から身を乗り出して熱演を繰り広げ、長谷川は場内をじっくり見回しながらキャッチーなサウンドを紡いでいった。

音楽を通じてマカロッカーと心を通わせ、幸福なひとときを過ごしたマカえんは感無量といった表情を見せる。はっとりが静かにギターを弾きながら「言葉がいらないなと思う。自分が情けなくなる瞬間って転がってるじゃない? 自分でロックスターとか言ってるけど、何者でもない気がしてるんだ。ただ優しさがほしい。愛情がほしい。わがままで自立してない人間だと思ってるんだ。だけど音楽をやってるときと、あなたと一緒にいるときはどうしようもない人間なんかじゃなくて、この世界にいるべき人間なんだって思えるんです。今のあなたが俺たちのすべてなんだよ」とメッセージを投げかけると、彼の言葉に賛同するように拍手が自然発生した。温かな空気が広がるフロアでメンバーはライブの締めにふさわしい「ヤングアダルト」で本編を終えた。高野は誇らしげに拳を突き上げていた。

「OKKAKE」を歌い始めるマカロッカー

アンコールを求めるマカロッカーはファンサイトの名前にもなっている「OKKAKE」をそろって歌い始める。するとステージがライトアップし、メンバーが代表曲「なんでもないよ、」をパフォーマンス。ここでもファンの大合唱が響きわたり、その歌声を聴きながら穏やかに微笑んでいた。最後にメンバーを代表してはっとりが「OKKAKE最高。OKKAKE愛してる。地図に乗ってないような無人島でも“OKKAKE”てくる? 幸せでした。ありがとうございました」と感謝を述べ、彼らはファンサイトの名前にもなっている「OKKAKE」でにぎやかな空気の中、ツアーをフィナーレに導いた。

マカロニえんぴつの次なるツアーは「マカロックツアーvol.18 ~わたし、しばらく家を出ます!don't call マザー☆鈍行27本ツアー~」。3月から7月にかけて全国各地のホールを回る。

セットリスト

マカロニえんぴつ「マカロックツアーvol.17 ~思ひ出いっぱい☆地元へ帰ろう編~」2024年2月29日 KT Zepp Yokohama

01. Supernova
02. チューハイ少女
03. レモンパイ
04. girl my friend
05. ルート16
06. たしかなことは
07. なんだったっけ
08. 東京エレキ
09. enough
10. 悲しみはバスに乗って
11. 愛の手
12. 二人ぼっちの夜
13. イランイラン
14. keep me keep me
15. ワンドリンク別
16. 言い訳ばかりの男
17. ハートロッカー
18. 洗濯機と君とラヂオ
19. ヤングアダルト
<アンコール>
19. なんでもないよ、
20. OKKAKE

今後のツアースケジュール

マカロックツアーvol.18 ~わたし、しばらく家を出ます!don't call マザー☆鈍行27本ツアー~

2024年3月23日(土)神奈川県 相模女子大学グリーンホール
2024年3月30日(土)群馬県 ベイシア文化ホール
2024年3月31日(日)茨城県 ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)
2024年4月6日(土)宮崎県 宮崎市民文化ホール
2024年4月7日(日)鹿児島県 川商ホール(鹿児島市民文化ホール)第1ホール
2024年4月10日(水)東京都 東京国際フォーラム ホールA
2024年4月13日(土)静岡県 富士市文化会館ロゼシアター
2024年4月19日(金)新潟県 新潟県民会館
2024年4月21日(日)長野県 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
2024年5月18日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2024年5月19日(日)岐阜県 長良川国際会議場
2024年5月25日(土)島根県 島根県民会館
2024年5月26日(日)岡山県 岡山芸術創造劇場ハレノワ
2024年5月29日(水)大阪府 オリックス劇場
2024年5月30日(木)大阪府 オリックス劇場
2024年6月8日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2024年6月9日(日)山形県 やまぎんホール(山形県県民会館)
2024年6月14日(金)京都府 ロームシアター京都 メインホール
2024年6月15日(土)奈良県 なら100年会館
2024年6月22日(土)東京都 NHKホール
2024年6月23日(日)東京都 NHKホール
2024年6月28日(金)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
2024年6月30日(日)北海道 帯広市民文化ホール
2024年7月4日(木)広島県 広島文化学園HBGホール
2024年7月6日(土)高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール
2024年7月7日(日)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール)
2024年7月10日(水)福岡県 福岡サンパレス

JOYSOUND
JOYSOUND.COMカラオケ歌うならJOYSOUND

関連記事

「バズリズム02」ロゴ

代々木で4日間に拡大「バズリズムLIVE」に超特急、NiziU、BE:FIRST、DISH//、マカえんら

1日
「SPACE SHOWER TV 35th ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2024」ロゴ

昨年の「ラブシャ」ライブ映像をYouTubeで1回限り公開、今晩より3日連続

8日
「この一瞬もアディダスと」キービジュアル

adidas党のマカロニえんぴつ・はっとり「この一瞬もアディダスと」を表現

10日
「紅茶花伝」の新テレビCM「ほどけるひととき春」編より。

マカロニえんぴつ新曲が「紅茶花伝」テレビCMソングに、はっとりは小芝風花の前で弾き語り

13日
マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつ新作EP「ぼくらの涙なら空に埋めよう」リリース、忘却バッテリー仕様の限定盤も

15日
「百万石音楽祭2024~ミリオンロックフェスティバル~」出演アーティスト第1弾

「百万石音楽祭」出演者第1弾はクリープ、SiM、sumika、10-FEET、マカえんら20組

15日
「VIVA LA ROCK 2024」ロゴ

「ビバラ」最終発表でペトロールズ、フレデリック、BREIMEN、秋山黄色ら追加&タイムテーブル公開

16日
マカロニえんぴつ「月へ行こう」ミュージックビデオより。

マカロニえんぴつ、ハリウッド映画日本版主題歌のMV公開

19日
go!go!vanillas(撮影:西槇太一)

go!go!vanillas、10年間で出会った6バンドに幕張で祝われ感無量「人生の行き先がここでよかった」

24日
「CDTVライブ!ライブ!」3月18日放送回の出演者。

「CDTV」にWESTꓸ、三代目JSB、セカオワ、トラジャ、マカえん、ルセラ、NiziUら11組

26日