ライブイベント「オダイバ!!超次元音楽祭 フユフェス2024」が2月24、25日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催された。
「2次元、2.5次元、3次元の垣根を取っ払い、次元を超えてひとつになろう!」というコンセプトを掲げるフジテレビ系の音楽番組「オダイバ!!超次元音楽祭」。2021年2月にこの番組発の音楽フェスが初開催され、その後のイベントにも大きな反響が寄せられた結果、4回目の公演となる「オダイバ!!超次元音楽祭 フユフェス2024」の実施に至った。出演者は両日合わせて全14組で、2月24日にはAqours、上坂すみれ、ウマ娘 プリティーダービー、ClariS、茅原実里、TRUE、ReoNa、25日には内田雄馬、鬼頭明里、鈴木愛奈、仲村宗悟、畠中祐、ももいろクローバーZ、Liella!が登場した。
「フジコーズ」ステージ
まずはフジテレビの生放送番組「オールナイトフジコ」に出演中の女子大生で構成されたフジコーズが、オープニングアクトとして登場。この日は15人のメンバーが、バブル時代を彷彿とさせるボディコン姿でデビュー曲「ウェーイTOKYO」を歌唱し、初々しいパフォーマンスで会場を盛り上げた。
ReoNa
昨年夏にデビュー5周年を迎えたReoNaは、1曲目に「ANIMA」を披露。歌い終わると会場を見渡し、「今日こうしてみんなと、あなたと、お歌と過ごせる時間。1対1。最後まで楽しんでいってね」と挨拶した。静かなイントロで始まる「ないない」では、会場が“静寂を武器としたライブスタイル”と言われるReoNaの世界観に染まる。踏切の警報音を思わせるサウンドで始まる「生きてるだけでえらいよ」でも彼女の歌声に観客が引き込まれ、心地よい静けさが会場に広がった。
上坂すみれ
赤のドレス姿で登場した上坂は、コミカルな雰囲気の「ハッピーエンドプリンセス」でライブをスタートさせる。お酒好きで知られる彼女は「お酒おいしー? お水だけどカンパーイ!」と茶目っ気たっぷりに客席に呼びかけ、「今日はまだ飲んでおりませんので、シラフの私をお見せしたいと思います! 皆さんとまだまだ盛り上がっていきたいです!」と挨拶。清竜人の提供曲「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」をキュートに歌ったかと思えば、2月にシングルリリースされた最新曲「ディア・パンタレイ」を情熱的に歌い上げた。さらにラストには代表曲「EASY LOVE」も披露された。
茅原実里
歓声の中、アカペラで歌声を届けたのは「超次元音楽祭」初出演となる茅原。1曲目に「みちしるべ」を歌い、青のペンライトで染まる会場を見渡した彼女は「すごいきれい! どうもありがとうございます!」と感謝を述べ、「今年、声優、歌手としてデビューして20周年を迎えさせていただきます。これからも1曲1曲、自分の歌を大切に歌っていきたいと思っています」と挨拶する。客席のペンライトの色が赤に変わったあとは、「ぴあアリーナ!行くよー!!」というかけ声で「Paradise Lost」がスタート。茅原はステージを端から端まで移動しながら歌い、ラストはテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」より長門有希のキャラクターソング「雪、無音、窓辺にて。」を熱唱した。
TRUE
本公演開催後の2月26日にアニソン歌手としてデビュー10周年を迎えたTRUEは、白色のドレス衣装で登場し「『超次元音楽祭』楽しんでいきましょー!」という軽快なひと言でライブを始める。ポップなナンバー「Happy encount」に会場全体が盛り上がり、そのままの勢いで披露された「BUTTERFLY EFFECTOR」では観客が一斉にジャンプした。「私にとって3回目の『超次元音楽祭』です。声を出せないときを経て、みんなの声がたくさん聞こえてます! 『超次元音楽祭』の底力を見ました!」と感激した様子を見せたTRUEは、続いて人とのつながりをテーマにした楽曲「ブルーデイズ」を歌唱。「ReCoda」「Divine Spell」なども力強く歌い上げた。
ウマ娘 プリティーダービー
3年連続の“出走”となったウマ娘 プリティーダービーは、テレビアニメ最新作のオープニングテーマ「ソシテミンナノ」で勢いよくライブを開始。1人ずつの自己紹介では歓声とメンバーの名前を呼ぶ声が会場に響きわたり、スペシャルウィーク役の和氣あず未は「本日2月24日はゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がリリースされて、なんと3周年当日です!」とテンション高く報告した。そしてこの日が初披露となった新曲「U.M.A. NEW WORLD!!」や、「Glorious Moment!」、「アコガレChallenge Dash!!」の“超次元音楽祭スペシャルバージョン”と続いたのち、フィニッシュを飾ったのはキラーチューン「うまぴょい伝説」。イントロから地響きのような歓声が巻き起こった。
ClariS
赤いドレスを身にまとったClariSは代表曲「コネクト」をいきなり披露。透き通った歌声が会場を包み込むと、それに同調するように緑とピンクのペンライトが客席で揺れた。「『超次元音楽祭』も後半になってきていますが、まだまだ楽しむ準備できてますか? まだ声出せますか?」と煽った2人は、「まだまだ寒い日が続きますが、春を感じられる曲を用意しました」という切り出すと、松田聖子「赤いスイートピー」のカバーを届ける。ラストの「ALIVE」では力強くも繊細な歌声に多くの観客が夢中になった。
Aqours
初日公演のトリを務めたAqoursは、明るくアップテンポな楽曲「青空Jumping Heart」を笑顔でパフォーマンス。力強い曲調の「スリリング・ワンウェイ」ではステージに炎が上がり、これに合わせてジャンプする観客も熱気を放つ。Aqoursもそれに負けじと熱量の高いステージを繰り広げていった。「Aqours Pirates Desire」ではメンバーが1人ずつ手に旗を持ち、ステージの幅いっぱいに広がって歌唱。最後のサビに入ると、渡辺曜役の斉藤朱夏がステージ中央で大きく旗を振った。
その後「会場の熱気すごいですねー!」と興奮気味に話した5人は、コール&レスポンスで会場の一体感を高め、「幻日ミステリウム」のパフォーマンスへ。そのまま「GAME ON!」「キミノタメボクノタメ」と3曲を一気に歌い上げた。最後のMCで黒澤ダイヤ役の小宮有紗が「まだまだもっともっと楽しい時間を過ごしていきたいんですけど、残念ながら次で最後の曲になってしまいました」と告げると、客席は「終わらないで!」という意味を込めたペンライト2本のバツ印でいっぱいに。Aqoursは惜しまれつつも「SORA, FUJI, SUNSHINE!」を歌い、フェス1日目をフィナーレへ導いた。
鬼頭明里
2日目のトップバッターを務めた鬼頭は4人のダンサーを引き連れ、1曲目の「DEAD or CALL MY NAME」からステージを縦横無尽に動き回って熱唱。疾走感のある新曲「夢の糸」では客席から熱いコールが響き、続くMCでは「トップバッターなので会場を温めて次にバトンタッチしたい」という話を経て会場全体でウェーブを練習することに。鬼頭はステージの端から端まで走るも、ウェーブのほうが先に進んでしまい、「待って! 速い速い!」と笑いながら焦る様子を見せた。その後は指ハートを作って歌うキュートな楽曲「Magie×Magie」を挟み、ラストナンバー「Fly-High-Five!」へ。鬼頭は手に持ったペンライトを左右に振って歌い、客席で起こるウェーブを前に笑顔を浮かべた。
鈴木愛奈
ブルーの衣装で登場した鈴木は「果てのない旅」、「Lilac Melody」と2曲続けてスローテンポのナンバーを披露。観客は場内に響く優しくきれいな高音に聴き惚れた。「ソロで出演するのは初めてなのでドキドキだったのですが、ホームな感じですごくうれしいです!」「聴いていただいた2曲をフルサイズで全部歌うのは初めてでした。残りの2曲は楽しい、激しい新曲を届けたいと思います!」と語った鈴木は、終盤に「Dash and Go!」「Apocalypse Day」の2曲を熱唱し、多彩なパフォーマンススタイルで会場を大いに盛り上げた。
畠中祐
「超次元音楽祭」2年連続の出演となった畠中はダンサー2人とステージへ。1曲目「TWISTED HEARTS」では赤と紫のライトに照らされ、クールな表情でパフォーマンスを展開したが、その後は温かいオレンジの光に包まれて笑顔を見せながら楽しそうに歌唱する。MCに入ると「畠中祐のことを初めて見たよ!って人は?」と問いかけ、客席から返ってきた男性客の「うおー!」という声に「うわー! 野太い声! ありがとうね!」とリアクション。さらに男女に分けて観客に声を上げさせ、双方から届いた歓声に感激した畠中は「熱く盛り上がっていこうぜー!」と絶叫した。ここからはバンドがライブに加わり、「not GAME」「Endless Love」と2曲続けて熱いパフォーマンスが繰り広げられる。最後、畠中は「皆さん、むちゃくちゃ温かくて最高です!」と口にすると、「グッドラック」を歌って自身のステージを終えた。
仲村宗悟
バンドスタイルで登場した仲村は1曲目に「NOTE」を披露し、観客に手拍子を求めて会場の一体感を強固なものに。続くMCでは「『超次元音楽祭』に物申したいことがあります!」とトークを始め、前回出演した際のトークパートで自身の恥ずかしいエピソードを話したときの映像が、ライブ前のオープニング映像で流れたことを指摘。「カッコいいライブの前に流すことないですよね?」と話して会場の笑いを誘った。次に披露された「don't disturb me」では自身もギターを演奏し、「JUMP」では疾走感あるメロディに乗せてさわやかな歌声を届けた仲村。「楽しんでますか? 俺も楽しんでる!」と客席に問いかけた彼は、「今日は、出演者に友達が多いんですよ!」と出演者との貴重なエピソードを語ったあと、最後に「WINNER」を披露してライブをフィニッシュした。
内田雄馬
2年ぶりの「超次元音楽祭」出演となった内田はダンサー4人を引き連れ、ダークで妖艶な雰囲気を漂わせながら「DangeR」を披露。続く「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」ではその雰囲気を一転させて明るくコミカルな表情も見せ、「すごいパワーですね! 2024年の『超次元音楽祭』もハンパないじゃないですかー!」とテンション高く客席を見渡した。ライブの途中からは、ほぼ同時期にデビューしたという畠中をステージに呼び込んで観客を喜ばせ、スタジオオーディションの現場で初めて出会ったときのエピソードを披露してお互いの第一印象を語った。そして「デビューからずっと一緒にがんばってきた祐と、今日はこの曲を歌いたいと思います!」と切り出した内田は畠中とともに「Congrats!!」をパフォーマンス。お互いの顔を見ながら楽しそうに歌う2人の姿を受け、会場中に笑顔があふれた。
Liella!
Liella!のライブでは、オープニング映像が始まった途端に早くも場内が大歓声に包まれる。観客は映像に映し出される「ラブライブ!スーパースター!!」のキャラクターに合わせてペンライトの色を変え、客席を色とりどりに染め上げた。映像の最後にLiella!のロゴが投影され、会場の高揚感がさらに高まる中、Liella!は「Starlight Prologue」を最初に披露。学年別にホワイト、ブルー、ミントグリーンにそろえた衣装も相まって、可憐さが際立つステージが展開された。「Liella! が結成されて初めての声出しのライブが去年の『超次元音楽祭』でした!」と昨年の出演を振り返った彼女たちは、「今年は3期生が入って11人になったので、11人では初めての『超次元音楽祭』になりました!」「フェスということでセトリにも期待してください!」と観客の期待を煽り、続いて「ノンフィクション!!」「FANTASTiC」のパフォーマンスへ。「キラーキューン☆」ではサビの「キュキュンキューン」という歌詞に合わせて歓声がさらに大きくなり、ラストナンバー「シェキラ☆☆☆」では曲間に「もっともっとLiella!色に染まって!」とメンバーが煽った瞬間、銀テープが客席に降り注いだ。
ももいろクローバーZ
ももクロのライブでおなじみのSE「overture」が鳴った途端、会場は一気にヒートアップ。そしてステージに姿を現した4人が「ロードショー」を披露し始めると、客席から「オイ! オイ!」というコールが巻き起こった。さらに「MOON PRIDE」「Majoram Therapie」と3曲を続けて届けたももクロは、「さまざまなアーティストの皆さんが出ているフェスで、いろいろなファンの方がいらっしゃるので、楽しんでもらえるかな?とドキドキしながらステージに出てきたのですが、皆さん盛り上がってくれてありがとうございます!」と笑顔を浮かべ、「みんなと踊っていきたいと思いますー! 『Chai Maxx』 いっちゃいまっくすー!」という言葉とともに初期からのライブの鉄板曲「Chai Maxx」へ。炎が噴き上がる中、ステージを広く使って会場全体を巻き込むようなパフォーマンスを繰り広げ、続く「PLAY!」「いちごいちえ」では2階や3階にも笑顔を振りまきながら柔らかな歌声を響かせた。
ラスト、「皆さん一緒に手を振っていただけたらうれしいなと思います!」という声を合図に披露されたのは、代表曲「走れ! -ZZ ver.-」。終盤のサビでは4人も手にペンライトを持ち、観客と一緒に手を左右に振る。そして百田夏菜子が「皆さん、一緒に歌ってね!」と呼びかけると照明がすべて消え、メンバーと観客が手に持つ4色のペンライトの光だけが場内で揺れ動いた。この幻想的なパフォーマンスで2日間にわたる「オダイバ!!超次元音楽祭 フユフェス2024」が盛大に締めくくられた。