水曜日のカンパネラが昨日3月16日に東京・日本武道館で単独公演「METEOR SHOWER」を開催した。
文字数多すぎてめっちゃ疲れるのよ
この日の舞台はアリーナエリアの中央に設置されたセンターステージ。水曜日のカンパネラの2代目ボーカル・詩羽にとって初となった武道館ライブを、ファンは全方位から見守った。
爆音のSEが鳴り響くと、客席に色とりどりのペンライトが灯る。詩羽はセンターステージにせり上がりで登場し、「アリス」でライブの幕を開けた。カラフルなレーザー光線が場内を駆け巡る中、「バッキンガム」と「シャクシャイン」が続けざまに披露される。地響きのように鳴るバスドラム。武道館はさながらクラブのような様相を呈した。
給水中も詩羽は気を抜かず客席に向かってポーズを決め、東西南北のファンを惜しみなく魅了していく。序盤に歌った3曲について「文字数多すぎてめっちゃ疲れるのよ(笑)」と話し会場の笑いを誘ったのち、「ディアブロ」でおなじみのコール&レスポンスを繰り広げた。「聖徳太子」が始まると瓜二つな見た目をしたダンサーたちが登場。同曲のミュージックビデオのシュールな世界観が武道館のステージ上で再現された。
宙を舞う詩羽
「赤ずきん」ではステージ中央にこたつとオオカミが出現。曲中で詩羽が「どっからどう見たってこれ ばあちゃんじゃなくておおかみじゃん?」という歌詞にあわせて指を差すと、オオカミはこたつの中に頭まで潜り隠れる。曲後半ではオオカミがラメ入りの豪奢な衣装で再登場。「祝武道館」と書かれたこたつ布団を客席に向けて掲げた。子供たちの高い歓声が聞こえてくると、詩羽は「こんな幸せなことあっていいのか!」と満面の笑みを浮かべる。「みんなここにいつか立つんだよ!」と未来あるキッズたちに大きな目標を課した。「キャロライナ」を経て、詩羽は観客にスマートフォンのライト点灯を指示。無数の明かりが彼女に向かって降り注ぐ中で「織姫」が披露される。シンセサイザーの轟音が響いた「卑弥呼」に続きスタートしたのは最新曲「たまものまえ」。同曲のMVにも登場するダンサーたちが加わり、詩羽とともに“コンココンダンス”を踊った。
場内が一瞬暗闇に包まれたのち、スポットライトに照らし出される詩羽。その体はゆっくりと浮かび上がり、彼女は宙を舞いながら「かぐや姫」を情感たっぷりに歌い上げる。地上に降り立つと「モヤイ」と「ティンカーベル」を畳みかけた。ステージ上部のスクリーンで桃太郎のストーリーが語られたのち、フロアに突如として現れたのは神輿。そこには大きな桃が乗せられており、パカッと割れた桃から登場した詩羽は、きび団子を投げながら「桃太郎」を歌い上げた。ここで詩羽は4人の観客を呼び寄せる。9歳、20歳、21歳、60歳という幅広い年齢層のファンがステージに上がり、詩羽とともに「一寸法師」をパフォーマンスする。客席のファンも一緒になってジャンプして武道館の床を揺らした。
もう死んじゃおうかなって思ってた
初代ボーカル・コムアイについて詩羽は「2代目という形で始まるのはなかなかないことですし、やっぱりどうしても『前のほうが』とか『今のほうが』とか、いろんな論争が起きてしまうんですけど、私は今までがあったから今があると思ってます。コムアイさんのときの曲も大好きだから続けていきたいと思ってるので、みんなも『どっちのほうが』とかそういう切ないこと言わず、『どっちも最高じゃん!』くらいの気持ちで、どっちのことも大好きでいてくれたらうれしいです」と語り場内を沸かせる。続いて自身の生い立ちを振り返り「水曜日のカンパネラという活動が始まるまで、なかなか上手に生きることができなくて。ちっちゃい頃からすごくいろんなことがあったり、中学と高校でどっちも友達が全然いなかったり。なかなか生きてるのがつらくて、もう死んじゃおうかなって思ってた時期があったんです。ずっと愛がない生活をしてたんですけど、水曜日のカンパネラの活動を始めたら、なんかみんなに愛されるようになって。ステージに立って歌っていると、みんながすごく優しい目で私のことを見てくれて。皆さんの愛をたくさん受け取って、私は毎日を目一杯に、生きることができています」と涙ながらに話す。「自分の好きなものを好きだと言えるように、自分にとっての普通を大事にしていけるように、少しでもよい社会にしていきたいなと思っているので、皆さんもどうかそんな私のことを見て、毎日をがんばって、一日でも長く、一緒に生きていけたらうれしいなと思ってます。生きるぞ、みんな!」と詩羽が呼びかけると、この日一番の温かい拍手が降り注いだ。
「マーメイド」では大量のスモークが立ち込める中、水色の衣装に身を包んだダンサーたちが波を表現。円形ステージを取り囲むように大漁旗を持った男たちも現れ、武道館は一瞬にして海の街と化した。「七福神」が始まると宝船に乗ってオオカミが再登場。キレのあるダンスで詩羽のパフォーマンスに華を添える。「エジソン」ではシンガロングが巻き起こり、詩羽は東西南北全方位に向けて何度も何度も投げキッスを届けた。この日のラストナンバーは「招き猫」。ステージには巨大な招き猫の風船が登場し、場内には大量の金テープが舞う。その場にいる全員で福を呼び寄せるかのようなフィナーレとなった。
ライブ中に告知された新情報
水曜日のカンパネラは6月5日に3rd EP「POP DELIVERY」をリリース。本作にはコカ・コーラのCM「Coke STUDIO マーメイド」編のCMソング「マーメイド」、フジテレビ系で放送中のドラマ「婚活1000本ノック」の主題歌「幽霊と作家」、3月22日からPrime Videoで配信されるAmazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」の主題歌「たまものまえ」などを含む全8曲が収録される。さらに7月からは全国5カ所を回るZeppツアー「水曜日のカンパネラ ZEPP TOUR 2024 POP DELIVERY」の開催が決定。チケットぴあでは3月31日までチケットの先行予約を受け付けている。
セットリスト
「METEOR SHOWER」2024年3月16日 日本武道館
01. アリス
02. バッキンガム
03. シャクシャイン
04. ラー
05. アラジン
06. ディアブロ
07. シャドウ
08. 聖徳太子
09. 赤ずきん
10. キャロライナ
11. 織姫
12. 卑弥呼
13. たまものまえ
14. かぐや姫
15. モヤイ
16. ティンカーベル
17. 桃太郎
18. 一休さん
19. ツイッギー
20. 金剛力士像
21. 一寸法師
22. マーメイド
23. 七福神
24. エジソン
25. 招き猫
水曜日のカンパネラ「POP DELIVERY」収録曲
・マーメイド
・聖徳太子
・幽霊と作家
・たまものまえ
・キャロライナ
※全8曲収録予定
水曜日のカンパネラ ZEPP TOUR 2024 POP DELIVERY
2024年7月3日(水)北海道 Zepp Sapporo
2024年7月9日(火)福岡県 Zepp Fukuoka
2024年7月17日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2024年7月18日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2024年7月31日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)