中村佳穂の楽曲にインスパイアされ、俳優・脚本家・監督の佐藤二朗が書き下ろした新作戯曲「そのいのち」が11月9日より東京、兵庫、宮城で上演される。
「そのいのち」は2018年11月にリリースされた中村のアルバム「AINOU」の収録曲。ライブでもファンの人気が高いこの楽曲を舞台化するに至ったきっかけについて、佐藤は「この歌が流れる物語を書きたい。そう思った。暗い澱に閉じ込められたとしても、前を見上げる人間の讃歌になるような、そんな物語を書きたいと思った」とコメントしている。
舞台の主演は宮沢りえ。彼女が演じる介護ヘルパー・山田里見と、里見の雇い主で障害を持った相馬花、佐藤演じる花の夫・相馬和清の穏やかな関係が徐々に狂い始めていき、“持つ者”と“持たざる者”の間にある埋めようのない“溝”が描かれる。
宮沢りえ コメント
二朗さんから、脚本が届いた。あの佐藤二朗さんから生まれた作品!と驚きつつも、物語のページが進むたびに、登場する人間の抱えている言葉に出来ない、とてつもない感情が何層にも重なり、迎える結末に震えました。
二朗さん、他共演者の方達と、この作品に誠実に丁寧に向き合いたいと思っています。
佐藤二朗 コメント
その歌を聴いたのが始まりだった。中村佳穂さんの「そのいのち」。この歌が流れる物語を書きたい。そう思った。暗い澱に閉じ込められたとしても、前を見上げる人間の讃歌になるような、そんな物語を書きたいと思った。その脚本に、宮沢りえという大きな存在が共鳴してくれた。「そそられます」。りえちゃんが脚本を読んだあと、最初に僕に言った言葉。同業者としても脚本を書いた人間としても最大級の褒め言葉だ。りえちゃんと丹念に、この物語を紡いでいこうと思う。
そのいのち
2024年11月9日(土)~17日(日)東京都 世田谷パブリックシアター
2024年11月22日(金)~24日(日)兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2024年11月28日(木)宮城県 東京エレクトロンホール宮城