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ハナレグミ×中村佳穂、異種独特なセッションでNHKホールに驚きと興奮の渦を巻き起こす

中村佳穂とハナレグミ(Photo by marquee)
7分前2026年06月05日 12:05

ハナレグミと中村佳穂によるライブ「HOW BEAUTIFLOW!!」が5月14日に京都・ロームシアター京都、31日に東京・NHKホールで開催された。

「HOW BEAUTIFLOW!!」はハナレグミが新たに立ち上げたライブイベント。記念すべき第1回の共演者に選ばれた中村とハナレグミは、2023年3月に東京・I'M A SHOWで行われた「新しい聴衆・三月 #01」、2024年9月に福岡・芥屋海水浴場で開催された「30th Sunset Live 2024 -Love & Unity-」といったイベントで、たびたびステージをともにしてきた。個性豊かな2組がどのようなパフォーマンスを繰り広げるのか。期待を胸に多くの観客たちが会場へと足を運んだ。本稿では東京公演の模様をレポートする。

「音タイム」のデュエットでスタート

The Spinnersの「It's a Shame」が鳴り響く中、ハナレグミ・永積崇と中村佳穂がステージに登場。バッキングを務めるのは、バンドマスターの宮川純(Key)をはじめ、高木大丈夫(G)、越智俊介(B)、伊吹文裕(Dr)、植松陽介(Cho)、稲泉りん(Cho)といった気鋭のミュージシャンたちだ。ライブはハナレグミの楽曲「音タイム」のデュエットでスタート。永積の温もりに満ちあふれた歌声と中村の凛とした力強いボーカルが美しいコントラストを描き、客席からは盛大な拍手が沸き起こった。

This Is Me.これが私。中村佳穂

永積をステージから送り出した中村は、学生時代から愛聴していたハナレグミと共演できる喜びとこの日のライブへの意気込みを即興でフロウし、そのまま「きっとね!」の演奏になだれ込む。バンドが繰り出すバウンシーなサウンドを自在に乗りこなすように、彼女は時にパワフル、時にしなやかな歌声を披露。マック・ミラー「5 Dollar Pony Rides」に自身の楽曲「Q日」の歌詞をマッシュアップさせた楽曲でしっとりとメロウな歌声を聞かせたかと思えば、続く「Hey日」では鮮やかなライトが照らす中、ステージ狭しと動き回りながら歌唱するなど、自由奔放なパフォーマンスで観客を楽曲の世界に引き込んでいく。

疾走感あふれる「LINDY」の中盤では、祭囃子を彷彿とさせる土着的なリズムと掛け声がインサートされ、えも言われぬような高揚感がホールを包む。クールな「q」で場内をチルアウトさせた中村は、キーボードを弾きながら、自らの歌が生まれる過程を朗々と語ったのち「忘れっぽい天使」を歌唱。そして「This Is Me.これが私。中村佳穂でした!」と力強く宣言し、「さよならクレール」をエネルギッシュに歌い上げてパフォーマンスを終えた。

ワタシたちは過去と未来をつないでいるんです

中村に呼び込まれて再びステージに登場した永積は「NHKホールが崩れ落ちるんじゃないかと思った。素晴らしい!」と興奮を隠しきれない様子で彼女のパフォーマンスを激賞する。続けて「佳穂ちゃんは未来からのインスピレーションを元に曲を書いてるそうなんだけど、僕は完全に逆で、ノスタルジーを曲にしているように思う」と、それぞれの楽曲の成り立ちを分析。そして中村と背中合わせになり「つまり今日、ワタシたちは過去と未来をつないでいるんです」とユーモアたっぷりに語り会場を沸かせた。「佳穂ちゃんの曲を一緒にやろう」という永積の呼びかけで2人は「そのいのち」をセッション。永積のギター伴奏と情熱的なハーモニーで会場の空気を温めた。

おなじみのハナレグミ楽曲が斬新なアレンジで

ハナレグミのステージは「11DANDY」でスタート。バンドメンバーによるドゥワップのようなコーラスを基調とした斬新なアレンジに乗せて、永積のリラキシンな歌声が響きわたる。ハナレグミのステージでコーラスが本格的に参加するのは実は今回が初めてとのこと。続けて「Quiet Light」をさわやかに歌い届けた永積は、タイトなビートに合わせて軽快なステップを踏みながら、「どこまで行けるかやってみよう!」と客席に呼びかけて「Peace Tree」をパフォーマンス。躍動感あふれるファンキーな演奏と弾むような歌声に場内の熱気が一気に高まっていった。ひとしきり会場を盛り上げたのち、おもむろにアコースティックギターを手にした永積はThe Impressionsの名曲「People Get Ready」を一節歌い上げてから、代表曲「家族の風景」を演奏し、ノスタルジックで心地いい雰囲気を作り上げる。そしてオルガンの音色が鳴り響き、次曲「ハンキーパンキー」へ。永積のソウルフルなボーカルに男女コーラスが重なるシンプルかつ力強いゴスペルライクなパフォーマンスに、観客たちは息をのむようにして静かに耳を傾けていた。

ハナレグミとしては踊らせたい!

「独自のLIFE」でライブは後半に突入。「聴かせることもできるけど、ハナレグミとしては踊らせたい!」という永積の呼びかけに、観客たちが次々と席から立ち上がる。じゃがたら・江戸アケミの名言「おまえはおまえの踊りを踊れ」になぞらえて、永積は「きみはきみの踊りを踊ればいいんだよ」と、バンドが生み出すグルーヴに自らも身を委ねながら観客を煽る。フェラ・クティ直系のアフロビートで突き進む「か!た!!かたち!!!」で、さらに会場の熱気を引き上げた永積は、中村をステージに呼び込む。ハイボルテージな演奏にテンションが上がった2人は、メンバーにカウントを告げ、その数だけバンドがビートを刻むという試みに興じる。最初は1カウントや2カウントという少なめのビートを要求していた2人ではあったが、今年で52歳を迎える永積が突然52カウントをバンドに無茶振り。一瞬驚きの表情を浮かべたメンバーではあったが、彼らが見事に52ビートを刻むと客席から感嘆の声が上がる。その様子を見ていた中村は120という驚愕のカウント数をバンドに要求。メンバーが息を合わせ120ビートを刻むと会場全体から割れんばかりの拍手喝采が沸き起こった。

中村を送り出した永積は、「佳穂ちゃんは“声を出す”ということに躊躇がなくて、歌を歌う者同士、本当に心強い。一緒にこういうステージを作ることができて光栄です」と感謝を述べ、「光と影」を切々と歌い上げステージを終えた。

アンコールで飛び出した驚きの展開

アンコールでステージに現れた2人は、永積が大好きだという、中村の「get back」をセッション。静かにスタートした楽曲は、演奏が進むにつれて徐々に熱を帯びていき、観客たちは心地よいミドルグルーヴに体を揺らす。このままゆっくりとフィナーレに向かうと思いきや、永積のフリースタイルラップをきっかけに様相が一変。1人でふらりと入った居酒屋でのエピソードをもとに永積は思いつくままに言葉を紡いでいく。そして、居酒屋をあとにした彼が1人コンビニに入ると、そこにいたのは中村佳穂だった!──という妄想から、永積は「たまらずに僕は夜のコンビニへ」という「get back」の歌詞へと物語を見事につなげてみせた。虚実入り混じったストーリーを即興で作り上げていく永積に、中村もアドリブの歌唱で対応し、そんな2人のやりとりにコーラスの植松と稲泉が絶妙な煽りを入れるなど、ステージ上で繰り広げられる異種独特なセッションに会場は驚きと興奮の渦に包まれた。

パフォーマンスを終えた永積と中村は「やりきった」という表情を浮かべ、バンドメンバーと横並びになり客席に一礼。万雷の拍手を浴びながらステージを後にした。

セットリスト

「HOW BEAUTIFLOW!!」2026年5月31日 NHKホール

ハナレグミ&中村佳穂

01. 音タイム

中村佳穂

02. Opening something
03. きっとね!
04. 5 Dollar Pony Rides(Mac miller cover)
05. Hey日
06. LINDY
07. q
08. 忘れっぽい天使
09. さよならクレール

ハナレグミ&中村佳穂

10. そのいのち

ハナレグミ

11. 11DANDY
12. Quiet Light
13. Peace Tree
14. 家族の風景
15. ハンキーパンキー
16. 独自のLIFE
17. か!た!!かたち!!!
18. 光と影

<アンコール>

ハナレグミ&中村佳穂

19. get back

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