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EGO-WRAPPIN'が大勢の観客踊らせ閉幕、“祝福”のような「CIRCLE」2日目

EGO-WRAPPIN'のステージの様子。
6か月前2024年05月25日 10:06

野外フェス「CIRCLE '24」が5月18、19日に福岡・海の中道海浜公園 野外劇場で行われた。この記事では1日目に続き2日目の様子をレポートする。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN

初日と比べて風が強く、開演前より会場にさわやかな空気が充満していた「CIRCLE」2日目。CIRCLE STAGEのトップバッターを務めるCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINは6人編成で舞台に登場し、「秩父」でライブをスタートさせる。彼らが「ガンダーラ」や美空ひばりのカバー「りんご追分」を演奏すると、そのトライバルなサウンドで客席には独特の高揚感が発生。エキゾチックな音が心地よく響く「ワタツミ」では、燦々と降り注ぐ日光も相まって会場が南国さながらの陽気なムードに包まれた。「tradition」がパフォーマンスされると観客のテンションはさらに高まり、めくるめく狂騒が会場全体を覆い尽くす。最後に彼らは「琉球 Boogie Woogie」を演奏し、陽気にステージを締めくくった。

YONLAPA

昨年は台湾から落日飛車、ゲシュタルト乙女のMikan Hayashiが出演したが、今年はタイのインディーロックバンドYONLAPAが登場。4人は「Let me go」でライブを開始し、美しいメロディをグルーヴィなサウンドに乗せて届ける。その後も4人は「Sunday Gloaming」「I'm Just Like that」「Sail away, away」などを続々と演奏。AOR風味のメロウな音色を奏でたかと思うと、サイケやシューゲイザーを感じさせるサウンドで観客をぐっと惹きつける。そんな多彩な楽曲にNoi Naa(Vo, G)は甘い歌声を乗せ、気温の上昇していく会場に清涼感をもたらした。

cero

暑さがピークを迎えた真昼間のCIRCLE STAGEに「Nemesis」の宇宙的なサウンドが流れ出す。2年ぶりの出演となるceroのステージの始まりだ。「Nemesis」に続けて「Elephant Ghost」が繰り出されると、アフロビートに乗せてスタンディングエリアが蠢き出す。「Fdf」でその動きはさらに大きくなり、サマーアンセム「Summer Soul」が披露されると、会場中の観客たちがひとつになった。ceroは「Evening news」をじっくりと奏で静謐な空気を作り出したあと、「Contemporary Tokyo Cruise」を演奏し再び祝祭的なムードを演出。その後ライブの定番曲「Poly Life Multi Soul」で心地よいグルーヴを届け、深い余韻を残してステージを締めくくった。

グッドラックヘイワ

軽快な音色で昼下がりのKOAGARI STAGEを彩ったグッドラックヘイワ。「遅刻」「てくてく様」「ピンポンパール」と、ピアノとドラムを軽やかに奏で、客席前方の観客をほのかに揺らし、後方の観客を心地よいまどろみへと誘う。その後もピアノとドラムをリズミカルに鳴らし、時折口笛を交えながらさまざまな表情の音色を聴かせる2人。後半には「PHAKCHEE KOU-EN」「⻑⽣き」で激しいサウンドを響かせ、変幻自在のパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。

ペトロールズ

CIRCLE STAGEの3番手を担うペトロールズは「表現」でスリーピースバンドならではの無骨なサウンドを響かせる。テクニカルな演奏に長岡亮介(Vo, G)が艶やかな歌声を乗せ、観客の視線を奪うと、そのまま3人はノンストップでパフォーマンス。手数の多いドラミングや流麗なコーラスワークが印象的な「Smooth Me」、歪みを利かせたヘビーなギターの音色から幕を開けた「Talassa」など、アダルトなロックサウンドで観客の心と体を揺さぶる。「Fuel」では緊迫感すら感じさせる激しく硬質なアンサンブルが鳴らされ、アウトロでの長岡のギターソロでは大きな歓声が湧き上がった。そして最後に長岡の煽りを受けて、オーディエンスが「ヘイ!」というコールで声を合わせた。

在日ファンク

日が傾き始め涼しくなり出したのと裏腹に、KOAGARI STAGEでは在日ファンクが熱気ほとばしるパフォーマンスを繰り広げていた。「新イントロ」で浜野謙太(Vo)がターンを決めたり開脚をしたりと華麗な動きで観客の視線を奪い、「クーポン」でコール&レスポンスを発生させるなど、ライブ巧者っぷりを感じさせるステージを展開。「こっからは一緒に踊りますからね!」という言葉に続けて披露された「おすし」では、観客が一切に浜野の振付を真似するという壮観が広がった。

ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYSは向井秀徳(Vo, G)の「Matsuri Studioから参りましたZAZEN BOYSです」というお決まりの挨拶から「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」を披露し、ソリッドなギターとリズム隊からなるアンサンブルをいきなりお見舞い。「福岡シティは日曜日だろうが月曜日だろうが木曜日だろうが毎日がウィークエンド」という前口上に続けて披露した「Weekend」では、会場全体にハンドクラップを巻き起こした。向井が「ボールにいっぱいのポテトサラダを......」と口にすると、客席からは一切に歓声が。そして向井の「ちょうだい」という言葉をきっかけに人気曲「ポテトサラダ」の演奏がスタート。力強く鳴らされるドラムの音や矢継ぎ早に繰り出される言葉でオーディエンスは圧倒される。その後もZAZEN BOYSは「永遠少女」「胸焼けうどんの作り方」などを演奏し、鬼気迫る熱演を繰り広げた。

青葉市子

ZAZEN BOYSのステージ終了からわずか10分後、KOAGARI STAGEではZAZENのライブの対極とも言える穏やかな時間が。全身に銀の衣装を纏った青葉市子が、「テリフリアメ」を弾き語りでゆったりと歌い上げ、別世界かのような神秘的な空間を作り出した。この日青葉は「aurora」「Lullaby」「SONAR」など新曲を多数歌唱。繊細な歌声が、ステージの正面から差し込むオレンジの夕日や、遠くから聞こえる鳥のさえずりと重なり、野外ライブならではの幻想的な世界が40分にわたって広がった。

EGO-WRAPPIN'

2日間にわたる「CIRCLE」もいよいよ大詰め。トリを務めるEGO-WRAPPIN'がステージに現れると、中納良恵(Vo)が「行きましょか」とひと言告げ、「Neon Sign Stomp」でライブをスタート。軽やかなリズムに合わせてオーディエンスがハンドクラップをしたり、体を揺らしたりする中、中納はメガトラのサイレンを鳴らした。その後もエゴは「CAPTURE」「The Hunter」を畳みかけるように演奏し、観客の体をひたすら動かし続ける。森雅樹(G)が「最高の気候やな」と感想を語り、中納が「こんな時間をいただきまして、今年もCIRCLEありがとうございます!」と感謝の言葉を高らかに告げ、2人はレゲエ調のスイートなバラードナンバー「A Love Song」を披露。あたりが暗くなり月がステージの上に来た頃には「色彩のブルース」がパフォーマンスされ、観客は妖艶な歌声とサウンドに酔いしれるように聴き入った。

その後エゴは「Nervous Breakdown」「サイコアナルシス」のキラーチューン2曲を連続で披露し、会場を異様なほどの高揚感で包み込む。さらにダメ押しとばかりに代表曲「くちばしにチェリー」が演奏されると、その熱気は最高潮に達した。初日から会場に来ていたという中納が「祝福のような2日間でした。ありがとうございます」と改めて感謝の言葉を述べ、エゴは「サニーサイドメロディー」を演奏して颯爽と舞台を去った。アンコールに応えて再登場したエゴはラストに「GO ACTION」を勢いよくパフォーマンス。大勢の観客を思い切り飛び跳ねさせ、「CIRCLE」をフィナーレに導いた

撮影:ハラエリ、勝村祐紀、chiyori

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