尾崎世界観(クリープハイプ)の新作小説がレトルトカレーとセットで発売される。
本商品は双子のライオン堂と株式会社書泉の共同企画「華麗に文学をすくう?」の第1弾。「華麗に文学をすくう?」では“いろんな文学に、気軽に触れてほしい”という企画意図に賛同した書き手が「カレー×文学」をテーマに新作を書き下ろす。さらにその作品に登場するカレーを再現したオリジナルレトルトカレーが開発され、作品とセットで発売される。なおカレーのレシピは数々のレトルトカレーをヒットさせている合同会社36チャンバーズ・オブ・スパイスの協力のもと制作された。
第1弾の作品を担当するのは尾崎と高山羽根子。本企画について尾崎は「この世にまずいカレーなんてないと思うほど、カレーが好きです。でも、小説が好きだけど、この世につまらない小説はあると思う。だから怖い。そうならないよう、しっかり頑張ります」とコメントしている。
第1弾の予約は明日6月1日12:00にスタート。8月1日に予約開始となる第2弾には青木杏樹とオルタナ旧市街、10月15日に予約開始となる第3弾には浅生鴨、ピストジャム、ファビアン(あわよくば)が参加する。
尾崎世界観 コメント
このような企画に参加できることを、とても嬉しく思います。この世にまずいカレーなんてないと思うほど、カレーが好きです。でも、小説が好きだけど、この世につまらない小説はあると思う。だから怖い。そうならないよう、しっかり頑張ります。
高山羽根子 コメント
学校職員として神保町で働いていたころ、お昼ご飯はほとんどカレーだったと思います。エチオピア、オオドリー、共栄堂、ガヴィアル、あと今はないけれど、やぐら。ぱっと出てきて食べられるのがありがたかったです。
青木杏樹 コメント
「アタマオカシイ本屋」こと株式会社書泉さんからご依頼をいただいたとき、率直に(正気の沙汰ではない!)と驚愕しました。アタマオカシイ作家として大変光栄です。学生時代を過ごした「高田馬場」を題材に、アタマオカシイ・エンターテインメントな本&カレーをお届けします。お口の中にお水をいっぱい含んで、カレーでしびれた舌を癒しながら拙作をお楽しみください。
オルタナ旧市街 コメント
読むカレー、食べる小説。スプーンを持ったその手でページをめくりたくなるような華麗な一編をお届けできるよう、心をこめて仕込み、あ、いや、執筆します。どなたさまも匙を投げ出さずにお付き合いください。
浅生鴨 コメント
インドには、もともと「カレー」という確固たる料理はないらしい。存在しない料理が、なぜかその国の名物として広まり国際的に人気を得たのである。存在しないものを存在させるのが文芸の仕事で、だからその点ではたぶんカレーと文芸は同じなのである。ただし、香辛料を一切使わず言葉だけを材料にして書かれたものが、カレーと同じように世界で人気を得られるかどうかはわからない。得られるといいんだけれども。
ピストジャム コメント
下北沢カレーアンバサダー、神田カレーマイスター、かしわカレーマイスターの三つの称号を持つ僕にとっては願ってもない企画です。しかもレトルトカレーの製作をしてくださるのがいつも食べている36チャンバーズ・オブ・スパイスさんだと聞いてテンションあがりまくってます。僕は36チャンバーズさんの「焙煎粗挽き唐辛子プリックポン(赤・青)」という香辛料の大ファンなんですが、そのスパイスのようにさわやかで突き抜ける刺激的な物語を書きたいと思います。
ファビアン コメント
カレーは強い。しいたけが苦手で筑前煮が食べられない僕に、母は「これならどう?」とカレー粉を溶いてくれた。カレーは惹きつける。登校中、学校に行きたくないと呟いた友達に「きょう給食カレーやで」と告げると、「ほな行く」と目を煌めかせた。カレーは心に残る。YOSHIKIのカレーが辛かった事件も、文豪・坂口安吾のカレーを100人前頼め事件も、カレーだから語り継がれていると思うのだ。庶民的で、みんなが好きなカレーだから。そんな強くて、魅力的で、だれかの心に残る物語を綴りたい。
竹田信弥(双子のライオン堂店主)コメント
ある日、カレーを作って売る本屋さんがあるとお聞きして、ピンときたんです。「カレーが文学を救う」というフレーズが。それですぐに書泉の担当者にその話をしたら、あれよあれよと実現しちゃったのがこの企画です。断られると思っていたのですが、食いつき気味に「やりましょう!」と言われてびっくりしちゃいました。ただ、この企画には書いてくれる人がいないと成立しません。作家さんにも恐る恐る声をかけたら、みなさんキョトンとしながらも快諾頂けて、さらに驚きました。さて、どうして「カレーが文学を救う」のか。それは、美味しいカレーを何度も買って食べるように、面白い文学も何度も買ってもらえたら、本屋も盛り上がるかなと思ったのです。(正式な企画名は「華麗に文学をすくう?」)普通は本って1回しか買わないですけど、レトルトカレーなら何回も買いますね。カレーと一緒に本を何回も手に入れてもらって、1冊は読む用、2冊目は保存用、3冊目は友達に薦める用で…と、今までにない本との過ごし方を楽しんでもらえたらいいなと考えています。
手林大輔(株式会社書泉代表取締役社長)コメント
「アタマオカシイ本屋」として、いろんな企画にチャレンジしてきました。神田カレーグランプリのコラボカレーや、復刊の有償特典の本に出てくるレシピをレトルトで再現、復刊企画の際に作家のみなさまの書き下ろし短編をいただく…などそれらが組み合わさって、また新しい企画が生まれました。今度は自分たちだけでなく、たくさんの「なんかおもしろい作品を売りたい! 読んで欲しい作品がある!」という本屋仲間で仕掛けていける第一歩になるといいなぁと思います。賛同いただいた著者のみなさまには感謝でいっぱいです!精一杯売ります、売りまくります。