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フォーリミが夏の始まり告げた主催フェス初日公演「『YON FES』でしか得られない栄養があります」

「YON FES 2024」初日公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)
5か月前2024年06月22日 13:06

04 Limited Sazabysが主催する野外イベント「YON FES 2024」が6月22、23日に愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催中。この記事では初日公演のレポートを掲載する。

THE ORAL CIGARETTES / サバシスター

2016年にスタートし、今回で7回目の開催となる「YON FES」。2023年までは4月に行われてきたが、今回は6月に“お引っ越し”して開催され、GEN(B, Vo)の「夏の始まりをみんなで作りましょう!」という開会宣言で幕を開けた。SKY STAGEトップバッターのTHE ORAL CIGARETTESは「今さらフォーリミに言うことない」と言い切り、「Red Criminal」や「5150」などをノンストップで次々と投下する。そしてラストナンバー「Mr.ファントム」前に「ひさしぶりに出れてうれしかったです。また出させて」と希望し、血気盛んなパフォーマンスで最後までオーディエンスを熱狂させた。LAND STAGEの1番手を務めたサバシスターは「YON FES」初出演で、彼女たちにとってフォーリミは初めてツーマンライブをした“先輩”。なち(Vo)はそんな“先輩”へ向けて「いつもかわいがってくれてありがとうございます。まだまだだけど精一杯カッコいいところを見せられるようにがんばります!」と意気込み、「覚悟を決めろ!」や「ミュージック・プリズナー」などをみずみずしくも力強く歌い上げた。

Saucy Dog / リーガルリリー

気合い十分の面持ちで登場したのはSaucy Dog。「YON FES」のグッズTシャツを着た石原慎也(Vo, G)が「夢みるスーパーマン」をパワフルに歌唱すると、せとゆいか(Dr, Cho)は今回で2回目の出演となることについて触れ、「また呼んでもらえてめっちゃうれしいです!」と喜んだ。そしてSaucy Dogはヒットチューン「シンデレラボーイ」を音源よりもロックな質感で演奏。ライブバンドらしい一面を見せたところで、3人は最後に温かな歌詞の「優しさに溢れた世界で」を披露して出番を終えた。続くリーガルリリーはシューゲイザー調の 「GOLD TRAIN」で浮遊感のあるサウンドを響かせ、観客をバンドの世界観に誘う。たかはしほのか(Vo, G)は「『YON FES』初出演ということで、こんなに気持ちいい風の中で音を運ぶことができていい日だなと思います」と柔らかな声で挨拶。その後、動きのあるベースフレーズが印象的な「1997」、轟音とハイトーンボイスが混ざり合う「リッケンバッカー」で鮮烈な印象を残してステージをあとにした。

ROTTENGRAFFTY / KANA-BOON

ROTTENGRAFFTYは鋭い重低音を轟かせたかと思えば、観客にノリ方を伝授して一体感を生み出し、ライブバンドとしての手腕を見せつける。NOBUYA(Vo)は「出会いは10年前。あんなにかわいい顔をして、神様のギフトのような声をして、裏側ではたまに悪魔のような、そんなGENが、そしてフォーリミが俺らは大好きなんだ」と語り、GENが好きな曲だという「マンダーラ」を熱量高く歌唱した。多くの観客がLAND STAGEに詰めかけ、大きな期待を受けて登場したのはKANA-BOON。「FLYERS」では谷口鮪(Vo, G)がハンドマイクで軽快なバンドサウンドに身を委ね、初めての「YON FES」を楽しむ。MCで谷口は、KANA-BOONが活動休止を発表したのち、間を置かずにGENから「YON FES」の出演オファーを受けたと説明。その誘いについて「KANA-BOONがピンチに陥って、仲間として救いの手を差し伸べてくれたのかなと。感謝しています」と話した。そして、この日下ろしたてのギターを手に取ると、決意表明とばかりに「まっさら」を力強く奏でた。

My Hair is Bad / SHANK

雲が空を覆い始めた頃、SKY STAGEに現れたのはMy Hair is Bad。椎木知仁(G, Vo)は登場するなり「『YON FES』皆勤賞!」と叫ぶ。気迫に満ちた様子のマイヘアは疾走感あふれるナンバー「アフターアワー」をドロップ。ライブでおなじみの「フロムナウオン」では、椎木が「いいフェスにして終わりなんて最悪だよ! ヤバい『YON FES』にしようぜ!」と焚き付け、「歓声をさがして」のパフォーマンスを通して“好きなものを好きと言うことの大切さ”を説いて観客の胸を打った。マイヘアと同じく「YON FES」常連のSHANKは4月に早川尚希(Dr)が加入し、新体制で参戦。メロコア色全開の「submarine」「MONKEY FUCK」で磐石のバンドアンサンブルを鳴らし、序盤からダイバーを続出させる。庵原将平(Vo, B)は「フォーリミありがとう」と感謝しつつ、GENから「YON FES」の出演依頼をもらい快諾するもLINEを既読無視されたというエピソードで笑いを誘う。その後SHANKはライブ定番曲「Set the fire」で再びクラウドサーファーの波を作り上げて場を温めた。

10-FEET / ENTH

「本番このあとやから、体力温存しておけよ」とトリのフォーリミへの気遣いを見せたのは10-FEET。雨が降り出してきたにもかかわらず、彼らの言葉を受けてもなお盛り上がる観客に目をやったTAKUMA(Vo, G)は、うれしそうに「フェスをカッコよくしていくん、お前らやからな」とフェス主催者の先輩として頼もしい言葉をかける。ラストナンバー「ヒトリセカイ」では途中で持ち時間が迫っていることに気付き、テンポを一気に上げてライブを終え、ユーモアと思いやりにあふれたステージを見せた。LAND STAGEのトリを務めたENTHは、曲中にテキーラを飲むなどいつも通りのユルさは持ちつつも、終始感情的なライブを展開。過去の「YON FES」で夕暮れの中ライブをするバンドを見ながら「自分たちだったらどんなことを歌うか」と考えて作った曲だという「TEARS」では、ダト・ダト・カイキ・カイキ(Vo, B)が同郷のフォーリミと切磋琢磨してきた日々を回想し「フォーリミは俺にとって先輩であり友達であり親友であり、夢を目標に変えてくれる存在。同じ時代に同じ気持ちでバンドをやれていることを誇りに思います」と言葉を重ね、エモーショナルに歌い上げた。

04 Limited Sazabys

トリの04 Limited Sazabysは小雨の中で登場。アンコールで演奏することの多い「Buster call」を1曲目にセレクトすると、オーディエンスから歓声が上がる。GENがご機嫌な口調で「好きにやっちゃって!」と煽ったのを合図に、フォーリミは「fiction」「Alien」など攻撃的なラウドナンバーや怪しげな雰囲気をまとう曲を序盤に並べ、雨を吹き飛ばす勢いで激しいパフォーマンスを展開した。GENはこの日の出演者について、「世代もスタイルもバラバラだけど、みんなそれぞれ自分たちのスタイルを持っていて本当にカッコいいなと思いました」と感嘆。そして「6月になったんで、まだ暗くなってないこの景色が新鮮です」と周りを見渡した。

「hello」で会場に感動的なムードが満ちたあと、GENは「やっぱり『YON FES』はいいですね。『YON FES』でしか得られない栄養があります」としみじみとした表情を浮かべる。そして過去について回顧し、「2019年の夏くらいに突発性難聴になって。そこから耳が聞こえづらいし、耳鳴りもうるさいし、聴覚過敏という病気にもなって。耳が聞こえないから歌っていてもなんかよくわかんなくて、『Harvest tour』もずっと悩みながら回ってたんですよ。『なんであの頃みたいに歌えないんだろう』と。やっぱこう、年を取るっていうのはさ、いろんな傷が蓄積されていくものなのかなと思ったし、ずっとここ2、3年は『あの頃みたいに歌わなきゃ』と思ってたんですけど、最近は別に昔みたいに歌うのが正解じゃないし、正解は別の場所にあったんだなと思えていて。個人的にレベルアップした感じがしております。人生ではいろんな傷が付くけど、ある程度期間が経ったら、その傷が味になったりもすると思う。自分のピークを決めずに、今の自分たちを信じていこうと思います」と語った。そしてフォーリミはアンコールでエネルギッシュなナンバー「monolith」、ショートチューン「Remember」、そして最後にレア曲「758」を畳みかけて「YON FES 2024」初日公演を終えた。

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