文筆家 / ライター・つやちゃんによる、ラップと漫才に焦点を当てた書籍「スピード・バイブス・パンチライン ラップと漫才、勝つためのしゃべり論」が7月26日に発売される。
YouTube、TikTok、ネットニュースなどあらゆるところで“語り”の場が増えた昨今、言葉が飽和する中、“しゃべり”で人の心をつかんできたのが漫才とラップであると説く本書。漫才賞レースやラップバトルなど、勝つために進化する“しゃべり”を「スピード」「バイブス」「パンチライン」の3つの視点に分けて分析している。
分析の対象となったのは、「スピード」の分野でキングコングとSEEDA、和牛とOZROSAURUS、スリムクラブとGotch、「バイブス」ではヨネダ2000とゆるふわギャング、ミルクボーイとNORIKIYO、ウエストランドとちゃんみな、ハイツ友の会とdodo、ナイツとあるぱちかぶと、「パンチライン」ではタイムマシーン3号とZORN、霜降り明星とWatson、ジャルジャルとTohji。このほかTaiTan(Dos Monos)、ヨネダ2000へのインタビューも掲載される。
つやちゃん「スピード・バイブス・パンチライン ラップと漫才、勝つためのしゃべり論」目次
第1部「スピード・バイブス・パンチライン」
序章:勝つためのしゃべりの時代に
第1章:スピード
・加速する言葉、ハートの行方 キングコング───SEEDA
・間に宿るメッセージ 和牛───OZROSAURUS
・沈黙は豊穣なり スリムクラブ───Gotch
第2章:バイブス
・システムをズラす快楽 ヨネダ2000───ゆるふわギャング
・ループの遠心力 ミルクボーイ───NORIKIYO
・憑りつかれたように語れ ウエストランド───ちゃんみな
・「恵まれざるもの」たちの声 ハイツ友の会───dodo
・日常の語り、揺らぐ世界 ナイツ───あるぱちかぶと
第3章:パンチライン
・押韻は死ぬまで止まぬ タイムマシーン3号───ZORN
・モジュール化するパンチライン 霜降り明星───Watson
・意味からの逃走 ジャルジャル───Tohji
第4章:インタビュー
・ヨネダ2000 すべては「どすこい」の繰り返しからはじまった
・TaiTan 嘘はバレる。それだけ
インタールード
第2部「上昇するためのしゃべり──ラップされるファッション」
序文:素早く、豊かに語るためのケーススタディ
・破擦音は本能を呼び覚ます KOHH──ヴェルサーチェ
・言い換えの多層性 Elle Teresa──シャネル
・模倣品までも書きつくす valknee──バレンシアガ
・語り手の立つ場所 Watson──Air Force1
・あとがき