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星野源が語った文筆家としての原点、執筆スタイルの変化、最新作「いのちの車窓から 2」で感じた手応え

星野源(撮影:山口宏之)
12か月前2024年10月01日 13:02

星野源のエッセイ集「いのちの車窓から 2」の出版を記念したトークイベントが本日10月1日に東京・HMV&BOOKS SHIBUYAで開催された。

「心の感触」をまっすぐにつづったエッセイ集

「いのちの車窓から 2」は、雑誌「ダ・ヴィンチ」で2014年12月号にスタートした星野のエッセイ連載「いのちの車窓から」を書籍化した作品。2017年3月発売の第1巻「いのちの車窓から」に続く第2巻として昨日9月30日に刊行された。初版は12万部で、第1巻と合わせた累計発行部数は57万部を突破している。

この第2巻には、2017年から2023年までの連載原稿に4編の書き下ろしを加えた計27編とあとがきを収録。笑顔の裏で抱えていた虚無感、コロナ禍下での日々、楽曲「喜劇」の創作秘話、進化する音楽制作、大切な人との別れ、新しい出会いと未来についてなど、7年半にわたる星野の日々と創作、周囲の人々、そしてその時々の「心の感触」をまっすぐにつづったエッセイ集となっている。

イベントはイヤーブック「YELLOW MAGAZINE」の編集も担当する小田部仁が、星野に質問を投げかけていく形で進行。書籍化の作業について聞かれた星野は「本当は連載が終了した去年にやろうと思ってたんですけど、たくさん曲を書かなきゃいけなくて。それこそ『LIGHTHOUSE』(若林正恭とのトーク番組)でいっぱい曲を作ったり、シングルも2曲出しましたし」と連載終了直後は音楽に集中していたことを振り返りつつ、「連載の加筆修正もありますし、書き下ろしも取って付けたというよりは作品の大事なピースとして作りたかったので、3カ月くらいかけてじっくりやったんですけど、やっと出てうれしい」と刊行の喜びを語った。

文筆家としての原点と執筆スタイルの変化

文筆家としての原点を問われた星野は「小学生の頃から国語の授業が好きで、感想文とか作文とか好きで、文章を書く仕事にも憧れがあって、勝手に書いてたんですよね」と回想。同じように趣味だった音楽と演技が仕事になっていく一方、文章を書くことはなかった星野だが、“メールで自分の思いをうまく伝えられない”という困難に直面する中で、文筆を仕事にしてしまおうと思い立ったという。

そこから好きなエッセイの影響を受けつつ、自分なりの文章を追求していく中で、自分にしか書けないような文章にたどり着けたのが本書だと語った星野。「書き始めた頃は面白い文章を書きたいなと思って、面白い体験を探すみたいな感じだったんですけど、このエッセイについては特に何も考えないで書き出すんですよ。書きながら終わりが見えてくる。自分が一番スリリングで、どうやって終わるのというところから急にスパンとキレイに終わるときがあって。それがすごく気持ちいいんですよ」と執筆スタイルの変化を明かす。

自分が強調したい思いを削っていく理由

執筆にあたって心がけていることを聞かれた星野は「作為的に何かをしないということを気を付けていて、自然に自分から出てくるものを書き留めるようにしている」と回答。「自分の話が書いてあるエッセイなので、どうしてもエゴみたいなものが出てきちゃうんですけど、自分が強調したい思いを抱いたらそれを削っていく」という彼は「自分がその体験をしたときは何かが強調されていたわけじゃないし、強調したい思いを削ぎ落としたら、読む人が自分と同じように体験できるんじゃないかなと思って」とその理由を説明した。

エッセイの執筆は“自分との対話 / セラピー”であり、執筆中、自分の感情に対して「本当にそう思ってる?」という問いを繰り返すのだという星野。「例えば“悲しかった”があるとして“悲しい”が100%なの? 本当に?と聞いていくと、70%は“悲しい”なんだけど、20%は“どうでもいい”で、10%は“面白い”だったりするんですよ。そこを嘘付かないで書くと“悲しい”でいっぱいだった思いが昇華されて楽になったりするんですよ」と執筆の意義を語った。

今後の表現活動について

星野は今後の表現活動について「前は同時にいろんな仕事をしたいという思いがあったんですけど、今は音楽にしろ、役者のお仕事にしろ、文筆にしろ、1個1個じっくりやっていけたらいいなと思っていて」とコメントし、「もうやらないみたいのは基本的にない」と語る。

そして最後に読者へのメッセージを求められた星野は「今日はこのあとラジオなんですけど、そこでしゃべることとか歌詞で書けることと、エッセイで書けることって全部伝えられるものが違う。特にエッセイはエッセイでしか書けない何かがあると思っていて。そこに今回到達できたぞって思うんですよね。文筆家の星野源の表現が形作られたんじゃないかなと自分でも思うことができて」と手応えを強調。「自分の大事なものとか、すごくしんどかった思いを書いてはいるんですけど、どれも今の星野源を作ったものではあると思うので、読んでいただきたいです」と呼びかけた。

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