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超とき宣「超最強」の天井知らずな自己肯定感 / ニセ明デビュー曲が頭に入らない(いい意味で)

再生数急上昇ソング定点観測
5か月前2025年07月04日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで6月20日から6月26日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、10位にNENEの「OWARI」が登場した。去年リリースのアルバム「激アツ」も手がけたKoshyのプロデュースによるこの曲で、NENEは音楽シーンに問題提起しながらほかのアーティストを名指しでディス。曲中で名前が挙がったSKY-HIがアンサー曲「0623FreeStyle」をYouTubeで公開したりと、現在大きなビーフに発展している。

75位にはENHYPEN「Outside」が登場した。強烈なビートのヒップホップトラップに、欲望を表現した力強い歌詞が重なった、野心あふれる楽曲だ。

83位にランクインしたのはHearts2Heartsの「STYLE」。軽快なリズムとグルーヴ感のあるベースに支えられた、メンバーのさわやかで明るい声が印象的。誰もが明るい気持ちになれそうなダンスポップに仕上がっている。

ラッパーやアイドルグループの新曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。

超ときめき♡宣伝部「超最強」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場11位

超ときめき♡宣伝部が昨年12月にリリースした楽曲「超最強」が、「スマホのカメラロールなんて どうせ私ばっかでしょ!? むしろそうじゃなきゃ一生許さない!」というキャッチーな歌詞が話題になり、推し活ソングとしてTikTokで大きな広がりを見せている。TikTokでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)の数は15万件、楽曲の総再生回数は10億回を突破。また、週間TikTok音楽チャートトップ50による7月3日付のランキングで1位に輝き、5週連続で首位を獲得している。

筆者が思うこの曲のすごいところは、自分に対して「ワタシ 超最強 超最強 超最強 なんです」と歌う、過剰なまでのポジティブさだ。“最強”だけでもかなり強気だが、そこに“超”を付けることで、その自己肯定感は天井知らずとなって、もはやすがすがしさを感じる。しかもこの曲は、世の女性に対して「それぐらいの自信を持って」と励ますような歌詞というよりも「最推し確定差し上げます!」という、アイドルである彼女たちの目線なのが振り切っていて面白い。圧倒的な明るさを放っている超ときめき♡宣伝部が歌うからこそハマる、グループの雰囲気にピッタリな快作だ。

ニセ明「Fake(feat. ウソノ晴臣, 雅マモル, 上白石まね)」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場66位

星野源の“盟友”であるニセ明が6月23日に「Fake」を配信リリースし、メジャーデビューを果たした。これは今年4月1日にエイプリルフールのジョークとして「ニセ明、メジャーデビュー決定!」というティザー映像とポスター動画とともに星野源のオフィシャルSNSアカウントなどで公開された楽曲。この投稿は大きな反響を巻き起こし、「ジョークではなく本当にデビューしてほしい」という声が多く上がったことから、正式にデビューが決まった。なお、星野源が5月14日にリリースした6年半ぶりのアルバム「Gen」の初回限定盤「Box Set “Visual”」の特典映像ディスクでは、「Fake」の制作風景に密着したドキュメンタリー「ニセ明と仲間たち、2025 春」を観ることができる。

本シングルには「Fake」が2バージョン収録されている。1曲目はニセ明がソロで歌唱するバージョンで、2曲目は先述した密着ドキュメンタリーにも登場している“仲間たち”こと16歳のアイドル・雅マモル(宮野真守)、長年の友人・ウソノ晴臣(ハマ・オカモト / OKAMOTO'S)、パーソナルアシスタント・上白石まね(上白石萌音)が参加したバージョン。今回MVがランクインしたのは、この“仲間たち”が参加した2曲目のほうだ。

全編通して「なんだこれ」と、いい意味でツッコミたくなる要素が多いこの曲。1番でニセ明が「忘れないで 真実はここだよ」と歌い、嘘とは何か真実とは何かと問いかけるが、深みのある歌詞から一転して2番では上白石まねが、“君”が抜け駆けしてケーキを食べたのはわかっているから“僕”にケーキを奢れ、といい意味で毒にも薬にもならないやりとりを歌う。続けて3番で雅マモルが「悲しみ 憎しみ / ほんとの愛はどこにあるの Oh」と再び深そうなことを歌ったかと思うと、2分56秒から唐突に映るライオンとキリンの静止画が気になって、またしても“いい意味で”歌詞が頭に入ってこない。

いわゆるネタ曲だが、それでも聴き入ってしまうのは、歌詞にギャグセンスがあるだけでなく、艶っぽいメロディとそれぞれの高い歌唱力、そして確かな演奏力がそろっているからだ。YouTubeのコメント欄には「具合悪い時に見る夢みたいでやばかった 褒めてる」「意味わからんくらいバズってほしいという気持ちとそれはそれで寂しいという気持ち」など、この曲の不思議な魅力に取り憑かれた人の声が多数寄せられている。

櫻坂46「港区パセリ」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場79位

櫻坂46の新曲「港区パセリ」は、6月25日にリリースされた12thシングル「Make or Break」に収録されているBACKSメンバー楽曲だ。センターを務めるのは三期生・石森璃花。MV監督は三期生楽曲「Nightmare症候群」を手がけた村上俊が務めた。

タイトルの港区パセリとは、2025年の不作と価格の高騰によって注目された高級な花山椒の通称。主に港区界隈の飲食店で扱われていることから一部の食通の間でこう呼ばれるようになった。このことは歌詞でも「それは花山椒」と直接説明されており、また「不意のキスより 刺激的な / ビリビリ痺れる そんな恋をしようよ」といったフレーズで味覚の刺激を恋愛に例えている。

一方で、「不思議なフェロモンのようで / みんな一同に興奮する」「頭が すっきりする / 絶対 絶対 依存しそうな What’s this?」など、希少性の高さが生む魅力や、刺激的な味だからこそ止められなくなる人間の欲深さにも言及されているのが面白い。そんなクセの強い歌を、キレのあるダンスと大人っぽい歌声で表現した彼女たちに拍手を送りたい。

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