今年デビュー20周年を迎えたSUPER EIGHTのアリーナツアー「超アリーナツアー2024 SUPER EIGHT」の神奈川・横浜アリーナ公演が、10月8日から10日にかけて開催された。この記事では最終日10日公演の模様をレポートする。記事後半には公演内容の一部ネタバレが含まれるので、これから参加予定の人はご注意を。
「超アリーナツアー2024 SUPER EIGHT」は今年4月のグループ名改名後に初めて行われている全国ツアー。当初予定されていた公演のうち8月31日と9月1日の静岡・エコパアリーナ公演は台風の影響により中止され、11月3日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナまで全16公演が行われる予定だ。
今回のツアーでは7月にリリースされた最新アルバム「SUPER EIGHT」の収録曲を中心にしたセットリストを展開。「1000年後の未来から来たSUPER HERO」をテーマにしたアルバムの世界観を、映像や演出なども通じて表現した。
SUPER EIGHTはまだまだ終わらない
ライブのオープニングナンバーはアルバムでも最初を飾った「カカッテコーゼ」。ステージ上に炎が吹き上がる中、5人はヒーロー然としたダイナミックなパフォーマンスで会場に集結した1万5000人のEIGHTER(SUPER EIGHTファンの呼称)を沸かせる。3曲を終えたところで5人は早くもバンドセットにスタンバイし、「アンスロポス」をエモーショナルに演奏。2010年リリースのアルバム「8UPPERS」の収録曲を5人で再レコーディングした「BOY'23」のアウトロでは安田章大が「まだまだ終わらないぞ!」と力強く叫び、20周年の続きを見据えた。
中盤ではこのツアーの各地で実施している、「オモイダマ」のコラボレーション企画が行われた。ABC系「熱闘甲子園」のテーマソングとして2014年に発表したこの曲は、アルバム「SUPER EIGHT」に東京スカパラダイスオーケストラがリアレンジで参加したバージョンが収録されている。この新バージョンにちなみ、SUPER EIGHTは今回のツアーで各地の学生ブラスバンドを迎えてのパフォーマンスを披露。横浜公演には駒澤大学高等学校の吹奏楽部から37名が参加し、SUPER EIGHTの歌声にみずみずしいサウンドを乗せる。横山裕は3日間にわたって共演した生徒たちに「みんなすげえ笑顔だった、今日」と温かな眼差しを向けた。
丸山&安田の「扇風機」ネタに横アリ爆笑
MCでは5人がデビューからの20年を改めて振り返る。安田は「最初はみんなでCD手売りに行ってたもんね?」とデビュー当時を思い返すが、その手売りCDを持っているか尋ねられた客席からは多数の手が上がり、丸山隆平は「よくあきらめずにここまで……」、村上信五は「国が許してくれるならお小遣いあげたいけどな!」と長年支えてきたEIGHTERに感謝を述べる。大倉忠義は「あの頃は約半分になると思ってなかったよね……(笑)」と、シニカルかつ感慨深げに紆余曲折の軌跡を回顧していた。
そんな話から、丸山と安田が初期のステージで披露していた漫才の「扇風機」ネタをひさびさに披露する流れに。「覚えてないしやりたない!」と嫌がっていた安田だが、いざ丸山と舞台中央に進み出たあとはアドリブを交えつつ軽快なやり取りで観客の爆笑をさらっていく。ネタを終えた安田は「マルのレベルが上がってる!」、丸山は「ゆっくりやってくれるから」と互いを褒め合い、固い握手を交わした。
「この先も一緒に旅したい」
ライブ後半では岡村靖幸の提供曲「ハリケーンベイベ」でクールなダンスを披露したり、「ブリュレ」「ゴリゴリ」といった往年の楽曲でキャリアに裏打ちされた骨太なバンドサウンドを聴かせたりと、SUPER EIGHTらしい多彩なステージを展開。安田はグループを代表し「幸せをくれて本当にありがとう、感謝してます。これからも音楽を一緒に奏でていくうえで、ここに来てくれたあなたたち、来られなかったあなたたち、1人ひとりがまぎれもなくSUPER EIGHTの一員です。この先も一緒に旅したい、ええかな?」と熱い思いを語る。そして「この先もっともっとわくわくすることがあると理解して、この曲を聴いてくれ!」と叫び、5人で「音楽が聴こえている」の熱いメッセージを届けた。