本日10月17日に福島県いわき市の雲雀乃苑で「美空ひばり像 いわき市雲雀乃苑 移設除幕式」が行われた。
京都太秦映画村内にあった美空ひばりの記念館のエントランスでファンを見守ってきた等身大の美空ひばり像。記念館の取り壊しのため、雲雀乃苑への移設が決まり、近藤真彦や徳光和夫らの出席のもと、集まった600名のファンや地元の人の前で除幕式が執り行われた。
移設された等身大のブロンズ製の美空ひばり像は、彫刻家の川合敏久による作品。美空の旅立ちから5年後の1994年、京都嵐山に建てられた美空ひばり記念館のエントランスに設置されて以来、京都嵐山ひばり座、今年の春に閉館した京都太秦美空ひばり座と、彼女とゆかりのある場所で30年にわたって展示されてきた。
雲雀乃苑が位置するいわき市の塩屋岬は、美空の代表曲の1つ「みだれ髪」の舞台。ここには「みだれ髪」の歌碑、遺影碑、永遠のひばり像が建てられており、ファンからは聖地として知られている。和服で胸の前で手を組む等身大の美空ひばり像が、東日本大震災で犠牲者を悼む姿と重なったことから、雲雀乃苑に移設することが決定した。
この場所に美空ひばり像が加わったことについてひばりプロダクション社長の加藤氏は銅像移設に尽力してくれたいわき市の人々に感謝しながら「ここに来るべくして来た銅像のような気がします。二度と悲しいことが起きないように、うちのおふくろにも祈り続けてもらおうかと思っています」とコメント。かつてテレビ番組のリハーサル中の美空を見て「あのおばさん、歌うまいね」と話した逸話を持つ近藤は、「ステージの隅でひばりさんから、『真彦ちゃん、私、うれしかったのよ、最近、歌うまいねって言われなくなったので、本当にうれしかったのよ』と言われました。そのあと、楽屋にも招待され、サインまでもらいました」と、美空とのエピソードを披露した。それ以来、美空との親交が続いた近藤は「亡くなって何十年と経ってから、このような除幕式ができる歌手はいないんじゃないかと石井先生と2人でお話ししました」と、同席したテレビプロデューサーの石井ふく子氏との会話を振り返った。
石井氏は「皆さんに集まってもらって、ひばりさんも喜んでいると思います。暇じゃなくてもここに来てほしい」と話し、徳光もこの除幕式の司会をしたことについて「本当にこんな光栄なことはなくて、司会者としてこれほどの勲章はないなと思います」とコメント。加藤氏は「美空ひばり像をたくさんの方に見てほしいですし、この雲雀乃苑だけでなく、福島のたくさんの名所を回っていただきたいと思っております」と集まった観客に呼びかけた。