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ももクロ高城れに「アイドルになれた世界線がすべて」ソロコン10周年ツアー地元横浜で“ラストフライト”

高城れに「まるっと10年まるごとれにちゃんポジティブがすぎるツアー」最終公演の様子。(撮影:上飯坂一)
12分前2024年10月27日 3:07

高城れに(ももいろクローバーZ)のソロコンサートツアー「まるっと10年まるごとれにちゃんポジティブがすぎるツアー」が10月25日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでファイナルを迎えた。

今年、ももクロは3月の玉井詩織に始まり、7月の百田夏菜子、9月の佐々木彩夏とメンバー全員がソロコンサートを開催。そんな中、高城は自身の“ソロコン10周年”を記念し、各地のモノノフ(ももクロファンの呼称)に会いに行く計12会場のライブハウスツアーを企画した。6月にスタートしたこのツアーは約5カ月をかけて全国で行われ、高城の地元である横浜でファイナルを迎えた。

今回のツアーは一貫して“空の旅”がテーマ。高城がキャビンアテンダントに扮したキービジュアルや、ツアーのテーマ曲「ポジティブ・アテンションプリーズ!」にもこのテーマが色濃く表れている。“ラストフライト”となった横浜公演は、昼と夜の2部制。高城はそれぞれコンセプトの異なる“空の旅”へとモノノフを誘った。

Daytime Flight「いない。」

「いない。」という意味深なサブタイトルが付けられた第1部。高城が物憂げな表情を浮かべるキービジュアルが観客の想像を駆り立てたが、“離陸”直前、「Renny Airlines」の機内アナウンスが流れたのち、今回のツアーで着ていたCA風衣装をグレードアップさせたきらびやかな紫色の衣装で高城が登場すると、場内がフライトに対する高揚感で満ちる。そして横浜にちなんだワードや、横浜市歌のメロディが盛り込まれた“横浜愛”あふれるナンバー「レニー来航!!」でいよいよライブがスタート。公演序盤にはソロ曲のほか、ももクロの楽曲「黒い週末」も披露された。「黒い週末」は高城が咳込んだのを合図に曲が始まるのがお約束のロックナンバーで、躍動感あふれるサウンドを繰り出す生バンド、紫のペンライトを振りつつ息をそろえてコールを叫ぶモノノフが一体になり、会場に熱気が広がっていった。

離陸後、快適な空の旅を続けていた「Renny Airlines」の飛行機だが、ここで突然、時空の歪みに突入し、“もしも高城がももクロをやっていなかったら、モノノフと出会っていなかったら”という世界線へと迷い込んでしまう。高城の1人語りのナレーションが流れたのち、「もう1人の私を紹介します」というひと言を経て、ステージには幼少期の高城を思わせる少女の姿が。そして温かなミディアムナンバー「じゃないほう」が始まり、サビの途中から少女と同じく白いワンピースを着た高城がステージへと現れる。高城は少女に語りかけるように歌声を響かせつつ、「もう一人の私を 紹介したくなったのは 君とこれから先も 歩きたかったからです」とモノノフに向けてメッセージを届けた。

さらに高城はステージ中央の階段に腰掛け、の子(神聖かまってちゃん)が提供したももクロの楽曲「孤独の中で鳴るBeatっ!」を歌唱。バンドの演奏をアコースティックギター1本に絞ったアレンジで楽曲の新たな魅力を引き出しながら、「大丈夫さ 大丈夫だと」と優しく歌い上げた。このブロックでは、その後もももクロの楽曲が連続。「なんとなく最低な日々」では机や椅子、コーヒーカップなどの小道具が用意され、高城は歌詞の内容に合わせて演技を交えつつ歌声を紡いでいく。「白金の夜明け」では途中からバンドのアンサンブルが厚くなり、心が開いていく様を表すように曲の疾走感が加速。「追憶のファンファーレ」の曲中には、再び少女時代の高城がステージに登場した。高城がもう1人の自分と手をつなぎながら歌う中、モノノフから寄せられた「れにちゃん がんばれ」という手書きの付箋が次々にスクリーンに映し出されるという、感動的な光景が広がった。

観客がステージ上の景色をじっと見守るようなしっとりとしたパフォーマンスが続いたが、次のブロックではセクシーな黒の衣装にチェンジした高城がさっそうと現れ、会場の空気が一変。レーザー照明がフロアを彩る中、高城はももクロの初期曲「キミとセカイ」を、1人の男性ダンサーを相手役にしてパフォーマンスし、男女間の強い愛情を大人びたムードで視覚化していく。「ROCK THE BOAT」「Guns N' Diamond」でも男性ダンサーを交えたアグレッシブなステージが展開され、激しいペアダンスが観客の視線を釘付けにした。

後半の幕間映像も高城の1人語りで進行。スクリーンにももクロのライブ映像などが映し出されたのち、虹がかかった青空が広がり、飛行機は無事にもとの世界線へと帰還した。再びCA風の衣装で登場した高城は、ソロ曲「Tail wind」「everydayれにちゃん」を続けて披露。紫のペンライトが左右に揺れ、モノノフのコールにますます力が入る中、飛行機が着陸した映像が流れると、最後は10月18日に配信リリースされたばかりの新曲「君色のひかり」へ。「つらいときや悩んだとき、“あなた”自身が照らしてる光に気付いてほしい」という、高城らしい温かなメッセージがモノノフの胸に響いた。

「アンコールへとトランジットされるお客様は、そのまま素敵なコールとともにお待ちください」というCA高城の場内アナウンスを経て、ライブはアンコールへと突入。ツアーグッズのTシャツを着用し、大きなリボンで結んだポニーテール姿で再登場した高城は、ツアーのテーマ曲「ポジティブ・アテンションプリーズ!」を披露する。曲中、まるで機内食のように台に乗せられたサイン入りのボールを手に取り、フロアへと勢いよく放り投げた。

ここでようやく、第1部最初のMCパートへ。昼公演に来場したモノノフへのプレゼントとして、「ポジティブ・アテンションプリーズ!」のミュージックビデオがステージ上のスクリーンで初公開された。そして高城は昼公演のラストに、モノノフへの思いを込めて作詞したという新曲「message」を初披露。高城らしいポジティブな言葉が詰め込まれた歌詞が、明るくポップなサウンドやメロディとともに柔らかに響きわたる。公演タイトルの「いない。」はこの曲の歌詞から引用したもので、歌い終えた高城は「もう逃げちゃいたい、やめちゃいたいと考えていたあの日の私はここにはもう“いない”と声を大にして言いたい。それはモノノフの皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを述べて昼のフライトを終えた。

Night Flight「今ここにいる。」

夜公演のキービジュアルは昼公演とは対照的に、ポニーテール姿の高城が満面の笑みでこちらを見つめるさわやかなデザイン。ニコニコ生放送のアイドル専門チャンネル「ニコドル」で生配信が行われる中、夜のフライトにも多くのモノノフが“搭乗”した。キャリーケースを持ち、空港内を歩くCA姿の高城の姿がスクリーンに映し出されたのち、ライブの幕開けを飾ったのはツアーのテーマ曲「ポジティブ・アテンションプリーズ!」。昼同様にバックバンドを従えてのパフォーマンスとなったが、夜公演では4人の女性ダンサーもステージに加わった。高城は自身と同じく紫のCA衣装を身にまとったダンサーとともに、キャリーケースを持ちながらのダンスを披露。さらにポジティブな空気感を帯びたソロ曲が続き、飛行機が上昇するように場内のテンションが高まっていった。

次のブロックでは、セクシーな黒のショートパンツ衣装に着替えた高城がダンサーを従え、緩急の効いたダンサブルなパフォーマンスを展開。ソロ曲「Dancingれにちゃん」のほか、SPEED「Go! Go! Heaven」やももクロの楽曲「レディ・メイ」を畳みかけていく。続いて初期ももクロのカバー曲の1つであるm.o.v.e「words of the mind-brand new journey-」が披露されると、モノノフによる力強い声援やコールが発生。場内のボルテージがより一層引き上げられた。

ライブ後半、高城は大きなフリルが付いたアイドルらしいキュートな衣装へ着替え、振り幅の大きいステージングでモノノフを楽しませる。ももクロ初期の人気曲「ミライボウル」ではイントロのサウンドが響いた瞬間に歓声が沸き起こり、高城は「POSITIVE」と書かれたハート型のうちわを片手に歌唱。このほか、いぎなり東北産「沼れ!マイラバー」、超ときめき♡宣伝部の「最上級にかわいいの!」といった後輩グループの楽曲のカバーや、佐々木彩夏のソロ曲「だって あーりんなんだもーん☆」の替え歌カバー「だって れにちゃんなんだもーん☆」で会場が大盛り上がり。高城は生き生きとした表情を浮かべ、「明日のことなんて考えずに、ここにいる皆さん、ニコ生で観てくださっている皆さん、そして私自身も声を枯らすくらいに盛り上がろー!っていうセットリストを組んでみました!」「やっぱり私はアイドルが好きだなって思いました! アイドルになれた世界線がすべて」と口にした。そしてラストスパートでは再びオリジナルのソロ曲が披露され、高城のソロコンサート特有の幸福感があふれる中、「everydayれにちゃん」でライブ本編が締めくくられた。

昼のフライトに引き続き、CA高城のアナウンスに導かれる形ですぐさま「れにちゃん」コールがこだまする。「レニー来航!!」でパフォーマンスを再開し、会場のテンションを再度上昇させた高城はここで3つの新情報を発表。“高城れにプレゼンツ”の子供番組が来春にスタートすること、2025年に2ndソロアルバムをリリースすること、2025年10月にKT Zepp Yokohama公演をファイナルとする新ツアーを開催することを告知し、拍手喝采を浴びた。

その後、高城は今年8月にシングルリリースされ、アニメ「転生したらスライムだった件」第3期のオープニング主題歌に使用されたももクロの楽曲「レナセールセレナーデ」を披露。Mrs. GREEN APPLEの大森元貴(Vo, G)が提供したこの曲は歌唱難易度が高いナンバーだが、高城は持ち前の透き通るような歌声を伸びやかに響かせる。そして、高城が“ソロコン10周年”ツアーの最後の1曲として選んだのは、彼女らしいポジティブなナンバー「一緒に」。「生きてく強さになれるなら 一生懸命この手を伸ばすから ずっとこのまま笑顔でいられるように 一緒に手と手をつないで歩んで行こうよ 」というフレーズが会場のモノノフを優しく包み込んだ。こうして約5カ月間にわたる「Renny Airlines」の空の旅、高城のソロコンの集大成とも言えるツアーは大盛況の中で幕を閉じた。

セットリスト

高城れに「まるっと10年まるごとれにちゃんポジティブがすぎるツアー」2024年10月25日 KT Zepp Yokohama

Daytime Flight「いない。」

01. レニー来航!!
02. spart!
03. Voyage!
04. 黒い週末
05. じゃないほう
06. 孤独の中で鳴るBeatっ!
07. なんとなく最低な日々
08. 白金の夜明け
09. 追憶のファンファーレ
10. キミとセカイ
11. ROCK THE BOAT
12. Guns N’ Diamond
13. Tail wind
14. everyday れにちゃん
15. 君色の光
<アンコール>
16. ポジティブ・アテンションプリーズ!
17. 一緒に
18 message

Night Flight「今ここにいる。」

01. ポジティブ・アテンションプリーズ!
02. SKY HIGH
03. まるごとれにちゃん
04. じれったいな
05. Dancing れにちゃん
06. Go! Go! Heaven(オリジナル:SPEED)
07. レディ・メイ
08. words of the mind -brand new journey-
09. ミライボウル
10. 沼れ!マイラバー(オリジナル:いぎなり東北産)
11. 最上級にかわいいの!(オリジナル:超ときめき♡宣伝部)
12. だって れにちゃんなんだもーん☆
13. spart!
14. Tail wind
15. everyday れにちゃん
<アンコール>
16. レニー来航!!
17. レナセールセレナーデ
18. 一緒に

ライブ情報

高城れに 2025年 ソロコンサートツアー

2025年10月2日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2025年10月4日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2025年10月20日(月)神奈川県 KT Zepp Yokohama

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