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奥田民生“ひとり股旅”なのにゲストだらけの周年ライブ、仲間とともに名曲を歌いまくる

奥田民生
約1年前2024年11月03日 9:07

奥田民生のソロ30周年記念ライブ「59-60」が10月26、27日に東京・両国国技館で行われた。このうち初日公演は「ひとり股旅スペシャル@両国国技館」と題した弾き語りライブとして、2日目は「GOZ LIVE AT RYOGOKU KOKUGIKAN」のタイトルでバンドセットのライブとして実施。この記事では26日に行われた初日公演の模様をレポートする。

コントで幕開けた「ひとり股旅」

「ひとり股旅」は、奥田が長年にわたって不定期で続けているギター弾き語りライブの名称。これまでにライブハウス規模から日本武道館や広島市民球場といった大舞台までを文字通り“ひとり”で熱狂させてきたライブシリーズだ。しかしこの日は30周年記念公演ということもあり、いささか様相を異にしていた。

定刻を少し過ぎて場内が暗転すると、真っ白なローブと草冠を身に付けた奥田がスポットライトを浴びて登場。その風変わりな出で立ちが場内をざわつかせる中、彼はおもむろにJ-45を抱えて8分の6拍子のマイナー循環コードをかき鳴らし始めた。すると、舞台袖からベレー帽と吊りズボンを身にまとった浜崎貴司(FLYING KIDS)が現れ、ステージ中央へ歩み寄る。そしておもむろに奥田のギターに合わせて「僕は貧しい農夫 年老いた母親と二人きりで暮らしてる」と朗々としたバリトンボイスを響かせ始め、これがお笑いコンビ・どぶろっくのコントネタ「農夫と神様~大きなイチモツ~」の“カバー”であることが判明。奥田が森慎太郎(神様)役、浜崎が江口直人(農夫)役ということだ。

2人がワンコーラスを歌い終えたところ、間奏中にもう1組の“農夫と神様”が姿を現し、それがどぶろっく本人であることを認識した観客から驚きの歓声が上がる。奥田、浜崎、どぶろっくの総勢4名で同曲を歌い上げる光景が繰り広げられ、ライブ冒頭からして「ひとり股旅」の概念を根底から覆す演出で観客の度肝を抜くことに成功した。歌い終えた奥田は衣装替えのため早くも一時ステージを退き、舞台にはどぶろっくの2人だけが残されることに。この異様な状況に2人は恐縮しきりだったが、前説芸人さながらの堂々たる振る舞いでコール&レスポンスを試みるなど、大いに会場を温めて場つなぎの役目を十二分に果たしてみせた。

繰り返される「今日はゲストが来てまして」

普段通りのカジュアルな服装に着替えた奥田が再びステージへ戻ってくると、ようやくギター1本で弾き語る本来の「ひとり股旅」スタイルでのパフォーマンスがスタート。回転式のステージを駆使して東西南北へ向きを変えながら、1stソロアルバム「29」のオープニングナンバーである「674」など4曲を立て続けに届けた。このうち「俺のギター」では、観客の手拍子を伴奏に見立ててコードバッキングなしでギターソロを披露するひと幕も。場内中空に設置された大型スクリーンには大相撲の取組表を模した勘亭流フォントの曲目リストが随時映し出され、1曲ごとに曲名が追記されていった。

ふいに奥田が「今日はゲストが来てまして」と切り出し、ライブはゲストコーナーへ突入。まず奥田の弾き語りに寺岡呼人のエレキベースを加える形で「寺田のテーマ」(風「22才の別れ」のカバー)および「健康」が、次にトータス松本(ウルフルズ)とのギターデュオスタイルでウルフルズの「いい女」が披露された。続いて斉藤和義を迎えたパートではステージにドラムセットが運び込まれ、斉藤がエレキギター、奥田がドラムにスタンバイ。それまでのアコースティックサウンドから一転、ソリッドなツーピースバンドサウンドで斉藤の代表曲「ずっと好きだった」がプレイされた。

さらにこの日2度目の登場となった浜崎とのデュオで井上陽水奥田民生の代表曲「ありがとう」を熱唱したのち、奥田は最後のゲストアーティスト・吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)を呼び込む。場内は轟音のような驚喜の歓声で包まれたが、何やら戸惑いながらステージへ登場した吉井の口から「段取りが違う」との驚愕の事実が明かされる。本来はここで奥田が数曲を1人で歌ったのちに吉井が出てくる手はずとなっていたが、段取りを間違えた奥田が予定より早いタイミングで吉井を呼び込んでしまったのだという。協議の結果、ひとまず当初の予定通りに進行させる方針が固まったようで、吉井は恥ずかしそうにそそくさと舞台袖へ消えていった。

奥田民生×吉井和哉×どぶろっく

そのまま強引に吉井とのパートへ進めてしまいたい様子の奥田だったが、やむを得ずしばし1人で弾き語ることに。メロディアスでフォーキーな「野ばら」、ブルース調の「ロボッチ」、オルタナ調の「何と言う」を繰り出し、歌のみならず多彩なギタープレイでもオーディエンスを魅了した。その後改めて吉井を迎え入れ、まず2人の弾き語りでTHE YELLOW MONKEYの「LOVE LOVE SHOW」を披露。さらに「どうしても今回これはやっとかないとって思ったことがあったんですよ」という奥田が、再度どぶろっくの2人を呼び込む。そして吉井を交えた4人によるリレーボーカル形式でどぶろっくの代表曲「もしかしてだけど」をテンション高く歌いあげ、客席にどよめきと大歓声をもたらした。

歌い終えた吉井とどぶろっくを見送り、ステージに1人残った奥田は「褒美をいただいた気持ちです」と感慨深げにつぶやく。「さっきので終わった感ありますけど(笑)、もう1曲」と告げ、代表曲「さすらい」を高らかに歌唱。ゆるぎない練達の歌声でライブ本編を悠然と締めくくった。

最後は「ひとり股旅」ならぬ“8人股旅”

アンコールに応え、ステージ上には奥田、浜崎、寺岡、トータス、斉藤の5人にどぶろっくを加えた総勢7名がぞろぞろと再登場。奥田は豪華ゲスト勢を見回しながら「こんなに1日にみんな来ると思わなかったですよ。なんで空いてんの?」と笑わせ、「ちなみにカーリングシトーンズでいうと、KING(YO-KING / 真心ブラザーズ)だけ仕事が……あれ? KING?」とどぶろっく森に視線を集める。その森はいつの間にかサラサラヘアのウィッグとサングラス、ヒッピーファッションに装いを改めていた。奥田が「KINGにも見えるけど、桜井(秀俊)にも見えるよね」との見解を示すと、森は「ひとり真心です(笑)」と胸を張り、江口が「下心ブラザーズです!」と付け加えた。

この顔ぶれでカーリングシトーンズの「俺たちのトラベリン」「ソラーレ」が演奏され、最後は吉井も加えた出演者全員で奥田の代表曲「イージュー★ライダー」を大合唱。奥田の「『ひとり股旅』となってると思いますけど、1人ってあんま好きじゃないんだよ」という身も蓋もない独白通り、終わってみれば「ひとり股旅」ならぬ“8人股旅”とも言えるほどのにぎやかな印象を残す公演となった。

セットリスト

奥田民生「ひとり股旅スペシャル@両国国技館」2024年10月26日 両国国技館

01. 農夫と神様~大きなイチモツ~ / 奥田民生×浜崎貴司×どぶろっく
02. 魅惑のパンティライン / どぶろっく
03. 674
04. 羊の歩み
05. 俺のギター
06. エンジン
07. 寺田のテーマ~健康~寺田のテーマ / 奥田民生×寺岡呼人
08. いい女 / 奥田民生×トータス松本
09. ずっと好きだった / 奥田民生×斉藤和義
10. ありがとう / 奥田民生×浜崎貴司
11. 野ばら
12. ロボッチ
13. 何と言う
14. LOVE LOVE SHOW / 奥田民生×吉井和哉
15. もしかしてだけど / 奥田民生×吉井和哉×どぶろっく
16. さすらい
<アンコール>
17. 俺たちのトラベリン / カーリングシトーンズ×どぶろっく
18. ソラーレ / カーリングシトーンズ×どぶろっく
19. イージュー★ライダー / ALL CAST

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