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STUTSが初のホールツアーで挑んだ完全生演奏、盟友たちを迎えながら追求した“生のグルーヴ”

STUTS「“90 Degrees” FIRST HALL TOUR」NHKホール公演の様子。(Photo by Daiki Miura)
約1年前2025年01月19日 10:07

STUTSがキャリア初のホールツアー「“90 Degrees” FIRST HALL TOUR」を開催し、1月12日に東京・NHKホール、1月14日に大阪・フェスティバルホール、1月15日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールでバンド編成のワンマンライブを行った。この記事ではNHKホール公演の模様をレポートする。

すべての音を生演奏

「NHK紅白歌合戦」の会場として知られるNHKホール。STUTSは2018年末の「紅白歌合戦」で星野源のバンドメンバーとして初めてこの舞台に立った。それから約6年。自身のワンマンライブでNHKホールを満席にしたSTUTSは、これまでにない試みに挑戦した。それはオケなしの完全生演奏。歴史をたどれば、ヒップホップはターンテーブル2台でレコードのドラムブレイクをループさせるところから始まっているが、MPCを叩いてビートをその場で作り出すSTUTSは、バンドメンバーとともに“生のグルーヴ”を追求してきた。すべての音を生演奏した今回のライブは、その集大成とも言えるだろう。

NHKホール公演は、ツアーの初日公演であると同時に新年一発目のライブでもあり、バンドメンバーとともに現れたSTUTSが「あけましておめでとうございます」と挨拶して演奏が始まった。バンドが鳴らすコントラバスやピアノ、ドラム、ギター、管楽器の音色は、ホールならではの広がりをもって美しく響き、STUTSがMPCを打てば爆音が轟く。イントロのセッションを経て、1曲目に披露されたのはSTUTSの代表曲の1つ「夜を使いはたして」だ。いつもはライブ終盤に披露されるPUNPEEとのコラボ曲だが、今回PUNPEEがいない代わりにSTUTSがMPCを打ちながらPUNPEEのラップをカバー。メロウな演奏に乗せて、夜明けが歌われる中、初日の出を思わせるようなオレンジの照明がSTUTSの背後で輝いた。

爪が割れても叩くMPC

岩見継吾(B)、仰木亮彦(G / 在日ファンク)、TAIHEI(Key / Suchmos)、高橋佑成(Key)、吉良創太(Dr)、武嶋聡(Sax, Flute)、佐瀬悠輔(Tp)というおなじみのメンバーを迎えたSTUTSは「Renaissance Beat」や「One」などのライブ定番曲を生演奏で次々にパフォーマンス。当然のことながら普段のライブとはアレンジが異なり、STUTSのみならず、バンドメンバーもMPCを駆使して楽曲を作り上げていく。ホールらしく、観客は着座でじっくりと演奏を味わっていたが、マシンガンのようなラップを放つC.O.S.A.が「Pretenders」で登場すると、たまらず一斉に起立。C.O.S.A.に続いてはCampanellaが現れ、STUTS bandで制作した未発表の新曲でスキルフルなラップを響かせた。

この日にぴったりなウインターソング「0℃の日曜」と新曲「愛をさわれたら」ではSIKK-Oと鈴木真海子が息の合ったコンビネーションを見せ、「Feel Missing」「Canvas」ではKaneeeが伸びやかな歌声を響かせる。そんな客演陣に負けじとSTUTSは力の限りMPCを連打。途中のMCでは「爪が割れて……剥がそうか切ろうか」と何の気なしに語り出してゲストを驚かせる場面もありつつ、彼は絆創膏を貼ってライブを継続し、バンドメンバーとともに活力あふれるパフォーマンスを繰り広げていった。

盟友たちに支えられながら

ライブ後半にもBIM、JJJ、Daichi Yamamoto、鎮座DOPENESSといった個性あふれるラッパーが続々登場し、歓声が上がり続けるNHKホール。特に強烈な印象を残したのが「Cage Birds」のDaichiだ。完全生演奏というチャレンジの中で苦戦する様子も見せるSTUTSをDaichiは力強いラップで支え、途轍もない勢いで「Take me higher!」と叫んで観客を圧倒する。さらにDaichiに代わって飛び出してきたKMCは、バイブスあふれる口上からなだれ込んだ「Rock the Bells」で熱い言葉を畳みかけ、「Pointless 5」でスチャダラパーが登場すると、Daichi、Campanella、スチャダラパー、鎮座DOPENESSが「Expressions」でめくるめくマイクリレーを展開。こうして会場の熱気が最高潮に達する中、JJJが“変化していくこと“を歌った「Changes」でライブ本編は締めくくられた。

そしてアンコールでは自身で歌う「Driftin'」「Seasons Pass」を披露したSTUTSは、9月23日に「ODYSSEY」と題したイベントを行うことを発表。企画の詳細は明かされていないが、2025年もSTUTSから目が離せない年になりそうだ。

セットリスト

STUTS「“90 Degrees” FIRST HALL TOUR」2025年1月12日 NHKホール

01. Intro
02. 夜を使いはたして
03. Paradise
04. Renaissance Beat
05. One
06. Conflicted
07. Pretenders feat. C.O.S.A.
08. 新曲 feat. Campanella
09. 0℃の日曜 feat. SIKK-O, 鈴木真海子
10. 愛をさわれたら feat. SIKK-O, 鈴木真海子
11. Feel Missing feat. Kaneee
12. Canvas feat. Kaneee
13. Rain
14. Come to Me
15. ひとつのいのち feat. BIM
16. Voyage feat. JJJ, BIM
17. 心 feat. JJJ
18. Minimal Piano
19. Never Been
20. Mirros feat. Daichi Yamamoto, 鎮座DOPENESS
21. Sticky Step feat. 鎮座DOPENESS, Campanella
22. Cage Birds feat. Daichi Yamamoto
23. Rock The Bells feat. KMC
24. Pointless 5 feat. スチャダラパー
25. Expressions feat. Daichi Yamamoto, Campanella, スチャダラパー, 鎮座DOPENESS
26. Changes feat. JJJ
<アンコール>
27. Driftin'
28. Seasons Pass

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