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Number_i「GOD_i」に感じる天才的なバランス / 堺正章Rockon Social Clubのダンスが日本を元気に

再生数急上昇ソング定点観測
約1年前2025年02月07日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで1月24日から1月30日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、20位にAdoの「エルフ」が登場した。この曲はTBS系ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」の主題歌として、てにをはが書き下ろしたバラードナンバーだ。MVを制作したのはイラストレーターの沼田ゾンビ!?。悲しみを振り払い前へ進むことを諭すような歌詞や、少女が孔雀種の鳥獣人と対峙しているアニメーションなど、曲・映像ともにスケールの大きさが印象的だ。

70位にはAぇ! Groupの「しあわせもん。」Acoustic Live Sessionsがランクインした。これはグループ結成日の2月18日にリリースされる1stアルバム「D.N.A」初回限定盤BのBlu-ray / DVDに収録される映像。メンバーが円になって演奏しながら、ときどきお互いの顔を見て笑顔になる姿はほほえましく、楽曲の温かい雰囲気と見事にマッチしている。

75位に登場したのは星街すいせいの「ビーナスバグ」。1月22日にリリースされた3rdアルバム「新星目録」の収録曲で、川谷絵音が楽曲を手がけた。サビの「渋谷5時 私、今誰かになれそうな気がしたの」など、一聴しただけで耳に残るフレーズが光っている。

歌い手、アイドルグループ、Vtuberなど幅広い新曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。

Number_i「GOD_i」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場2位

Number_i による2025年一発目の楽曲「GOD_i」のMVが公開されてから8日間で1500万再生を達成し、すさまじい勢いを見せている。

今作はメンバーの岸優太がプロデュースを担当した楽曲で、作詞はNumber_iの3人とPecori(ODD Foot Works)、作編曲はMONJOE(DATS)とSHUN(FIVE NEW OLD)が手がけている。テレビ朝日の単独取材で同曲のこだわった点を聞かれた際、岸は次のように答えた。

「トラックもそうですし、やっぱり曲の流れですね。1曲通して何度も聴きたくなるような曲をすごく意識しました。それはラップもそうですし、歌のフレーズであったり、聴いていて気持ちいいトラックの音であったり、『こうくるのか』という展開だったり。いろいろな要素が入っていて1回では整理がつかない、ある意味“わかりやすい曲じゃない”のを意識しました」

確かにこの曲を聴くと岸の説明がしっくりくる。変則的なメロディやビートが続くため、このあとどのように展開していくのか予測がつかない。まるで別々の楽曲をつなぎ合わせているのではないか、と思うほど次から次へと新しい表情を覗かせている。にも関わらず、1曲通して聴くと整合性を感じるという、天才的なバランスによって成り立っている。

1年前に「GOAT」を発表して以来、「BON」や「INZM」など新しい曲を出すたびに我々を驚かせてくれる彼らは、今年はどんな音楽を届けてくれるのだろう? そんな期待を抱かずにはいられないほど、新曲「GOD_i」も素晴らしい仕上がりとなった。

ジェニー「ZEN」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場73位

BLACKPINKのジェニーが1月25日に自身のYouTubeチャンネルにて「ZEN」という新曲を公開した。

この曲には「They can’t move my matter」(誰にも私の大切なことを動せない)や「Nobody gon’ move my soul, gon’ move my aura, my matter」(誰も私の魂を動かすことはできない、オーラも、物質も)といった堂々とした力強い歌詞が多く登場し、それと呼応するようなスケール感のあるサウンドが、より楽曲の持つ魅力を引き上げている。そしてクレオパトラを連想させるビジュアルのジェニーがMVで鋭い眼光を放ちながら踊る姿には、とてつもない存在感と神々しさを感じる。

3月7日には1stソロアルバム「Ruby」のリリースが決まっているジェニー。アルバムには「ZEN」のほか、昨年10月にリリースされたシングル「Mantra」など15曲の収録が予定されている。今作ではデュア・リパ、チャイルディッシュ・ガンビーノ、ドーチ、ドミニク・ファイク、FKJ、カリ・ウチスなど世界的なアーティストとのコラボが実現。日本盤を含むパッケージ商品にはゲストは参加しておらず、すべての楽曲をジェニーが1人で歌唱しているという。どんな仕上がりになっているのか楽しみだ。

なお1月31日にはこのアルバムから、ドミニク・ファイクをフィーチャーした「Love Hangover」もリリースされている。

堺正章 & Rockon Social Club「プンスカピン!」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場81位

堺正章は60年代グループサウンズのシーンを代表するバンド、ザ・スパイダースのボーカルを経て、ソロ歌手や俳優だけでなく司会業やコメディアンまで、その活躍は多岐に渡る。一方のRockon Social Clubは、元・男闘呼組のメンバーである成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽と、寺岡呼人、青山英樹によって結成されたロックバンド。そんな2組がコラボ楽曲「プンスカピン!」を1月22日に配信リリースした。

この曲は、グループサウンズを思わせる堺ならではのセンスとRockon Social Clubのロックな演奏を融合させた、懐かしさと新しさが感じられるサウンドが特徴。歌詞は「給料あがんない / ローンが終わんない / 物価が下がんない / 飲みにもいけやしない」「AI 流行っちゃう / 仕事も奪っちゃう / 進化か 退化か / オイラの居場所が見つからねぇ」など中高年の嘆きにも思える共感性の高い内容となっていて、溜まった鬱憤を晴らすかのような「プンスカピン!」というフレーズが聴いていて気持ちいい。

MVには昨年12月25日に神奈川・横浜BUNTAIで開催された「KURE Presents NARITA THOMAS SIMPSON BIG BAND BEAT CHRISTMAS FANTASY」にてこの曲が初披露された際のライブ映像を使用。キャッチーな振付で一緒にダンスする堺とRockon Social Clubの姿に、多くの人々が元気付けられている。もしかしたら今後、音楽フェスなどに彼らが出演し、会場の老若男女が一斉に“プンスカダンス”を踊るようになる日が来るかもしれない。

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