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沼澤尚が泣く泣くセレクトした10曲は

沼澤尚
1年以上前2025年03月11日 9:02

楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。第27回は、OKI DUB AINU BANDやシアターブルックでの活動のほか、大貫妙子、井上陽水、奥田民生、槇原敬之、スガシカオなど多くのアーティストのサポートを務めてきた“グルーヴマスター”沼澤尚さんが登場です。

構成 / 丸澤嘉明

ドラムフレーズが好きな曲とその理由

数限りない音楽史に残る名演の中で、初めて1970年にThe Jackson 5の楽曲「ABC」をラジオで耳にして一気に音楽に興味を持ち始めた小学生から、 “ドラム / ドラマー”にフォーカスせざるを得なくなった学生時代まで……選ぶのが大変すぎるので、自分に多大な影響を与え続けている“自分的初期衝動”に絞って、の10曲を泣く泣くセレクトさせてもらいました。

ジェームス・ブラウン「I Got The Feelin'」(ドラム / クライド・スタブルフィールド)

メルヴィン・パーカー、ジョン・“ジャボ”・スタークス、クライド・スタブルフィールド……60年代から最盛期を迎える“キング・オブ・ファンク”ジェームス・ブラウンを支えた、ジャズ / ブルースからのファンクの「広辞苑」を作り上げた真のパイオニア3人。

スティーヴィー・ワンダー「Superstition」(ドラム / スティーヴィー・ワンダー)

全楽器を演奏して自分の曲を歌うことで、すべての音と呼吸が同時進行する……天才以外の何ものでもない、手品どころか魔法以上にしか思えない究極のワンマン・アンサンブル・レコーディング。

Kool & The Gang「Funky Stuff」(ドラム / ジョージ・“ファンキー” ・ブラウン)

初めてラジオで耳にしたときのインパクトをもちろん今でも鮮明に覚えている。Cool&Dopeすぎるニュージャージーファンク……。アメリカにたどり着いた1983年にやはりドラマー界ではジョージ・“ファンキー” ・ブラウンのビートがブラックミュージックシーンのドラマーたちの基本になっていたことをはっきり確認できたことをよく覚えている。

※編集部注:沼澤さんは大学卒業後の1983年に渡米し、2000年までロサンゼルスに在住

Earth, Wind & Fire「Mighty Mighty」(ドラム / モーリス・ホワイト)

70~80年代に地球を狂喜乱舞させたシカゴジャズ / ブルース / ゴスペル / R&B / ソウル / ファンクの金字塔。七福神が一堂に会して共存していたとんでもない事実はもちろん、個人的には後にも先にもこの次元のバンドは存在しないと断言してもイイと思っている。天才3兄弟=モーリス、ヴァーダイン、フレッド。

Tower Of Power「Squib Cakes」(ドラム / デヴィッド・ガリバルディ)

ベイエリアの白人勢だけで集まって、世界に類を見ない究極のアンサンブルで唯一無二のサウンド&グルーヴを生み出していたイーストベイ・グリース=オークランド・ファンク。The Metersのジョセフ“ジガブー”モデリステと上記のジェームス・ブラウンのドラマーたちを応用したと本人が明言している各楽曲のリズム / ビート / フィールはドラム界において永遠に継承されていく。

ボズ・スキャッグス「Lowdown」(ドラム / ジェフ・ポーカロ)

17歳でハリウッドのスタジオシーンに登場した瞬間に一躍スターセッションドラマーに上り詰めた。特に70年代後半から80年代初めの驚異的な作品数と、その後誰も近づくことすら不可能な高すぎる技術と、グルーヴとサウンドと演奏する姿を含めすべてにおいていまだに自分的スーパーヒーローの頂点。

マーヴィン・ゲイ「Come Live With Me Angel」(ドラム / ジェームス・ギャドソン)

人生初のバイブル=Earth, Wind & Fireの「GRATITUDE」から、これもになってしまったもうひとつのバイブル、マーヴィン・ゲイのアルバム「I WANT YOU」(※「Come Live With Me Angel」を収録)。ジェームス・ギャドソンの名前とルックスを知ったが最後、ビル・ウィザースの「Live at Carnegie Hall」ももちろん3つ目のバイブルになってしまう。遡ってThe Watts 103rd Street Rhythm Bandやすべてのジャンルでの大量すぎるセッションレコーディング……完全に「神」というのは間違いなくこの歴史的偉人のことを言うのだ。

チャカ・カーン「We Got Each Other」(ドラム / スティーヴ・フェローン)

Average White Bandからアリフ・マーディンプロデュースの作品からTom Petty and The Heartbreakersから何まで、世界最高峰のトップアスリートの如くその高次元のフィジカル / 瞬発力と信じられない正確&精密さにいまだにヤラれ続けている独特のブリティッシュ・ブラック・グルーヴ&サウンド。

プリンス「Let's Work」(ドラム / プリンス)

音楽史に突如として現れ、世界的というよりもはや宇宙レベルで確実に革命を起こして、一瞬にして世界を震撼させ、音楽を超越して世界中の人々を虜にした。ミネアポリスファンク / ゴスペル / R&B / ソウルetc.……その独特なドラムサウンドを含めてもちろんいまだにコピーし続けている。

Cameo「Flirt」(ドラム / ラリー・ブラックモン)

ハードコア・ニューヨークファンク……とにかくラリー・ブラックモンが好きすぎて全作品の全曲をコピーしまくりあげた。
リードボーカルをやりながらこの爆発的超絶どファンクビートを炸裂させてる様は同じ人類とは思えなかったし……。

自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること

100%好きなドラマーの真似。

■自身のプレイスタイルに影響を与えたドラマー

ジーン・クルーパ / ジョー・ジョーンズ / アート・ブレイキー / フィリー・ジョー・ジョーンズ / エド・シグペン / フレッド・ベロー / フィリップ・ポール / アール・パーマー / メルヴィン・パーカー / クライド・スタブルフィールド / ジョン・“ジャボ”・スタークス / リック・マロッタ / スティーヴ・ガッド / アンディ・ニューマーク / クリス・パーカー / ポール・ハンフリー / アイドリス・ムハマッド / レニー・ホワイト / ジェームス・ギャドソン / グレッグ・エリコ / エド・グリーン / ラルフ・ハンフリー / ジェフ・ポーカロ / バーナード・パーディ / ハーヴィー・メイソン / リンゴ・スター / チャーリー・ワッツ / ラス・カンケル / モーリス・ホワイト / フレッド・ホワイト / スティーヴィー・ワンダー / ヨギ・ホートン / バディ・ウィリアムス / アル・ジャクソンJr. / ハワード・グライムス / ロジャー・ホーキンス / ジム・ゴードン / スティーヴ・フェローン / スティーヴ・ジョーダン / ジム・ケルトナー / ジョセフ“ジガブー”モデリステ / デヴィッド・ガリバルディ / カールトン・バレット / スライ・ダンバー / スチュワート・コープランド / ラリー・ブラックモン / プリンス / トニー・トンプソン / ジョン・ロビンソン / ブライアン・ブレイド / カリーム・リギンス / マーカス・ギルモア

沼澤尚

1983年、大学卒業と同時にアメリカ・ロサンゼルスの音楽学校P.I.T.に留学。ジョー・ポーカロ、ラルフ・ハンフリーらに師事し、卒業時に同校講師に迎えられる。2000年までLAに在住し、チャカ・カーン、ボビー・ウーマック、AL McKAY & L.A. ALL STARS、ネッド・ドヒニー、シーラ・Eなどのツアー参加をはじめ数々のアーティストと共演しながら13CATSとして活動。2000年に帰国後はスガシカオ、吉田美奈子、大貫妙子、井上陽水、奥田民生、角松敏生、SING LIKE TALKING、槇原敬之をはじめ、数えきれないアーティストのサポートを務める。現在はblues.the-butcher-590213、OKI DUB AINU BAND、シアターブルック、NOTHING BUT THE FUNK、Shikao & The Family Sugarのメンバーとしても活動しながら、Koji Nakamura、フルカワミキ、小沼ようすけ、TOKU、海野雅威、臼井ミトン、My Little Lover、河村隆一などと共演している。

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