和田雅成が観客1人ひとりに歌を届けた初ワンマン、特別ゲスト蒼井翔太と極上のハーモニーを響かせる

和田雅成のワンマンライブ「1st ONEMAN LIVE『Raise』」が2月8日に神奈川・関内ホール 大ホールで開催された。この記事では昼夜2公演のうち第1部の様子をレポートする。

ワンマンライブってこんなに緊張するんだ？

舞台「刀剣乱舞」シリーズや「呪術廻戦」など数多くの舞台に出演し、映画・ドラマ「神様のサイコロ」では主演を務めるなど俳優として活躍する中、2024年9月にアーティストデビューした和田。初のワンマンライブとなった「1st ONEMAN LIVE『Raise』」はギター、べ―ス、キーボード、ドラムによる重厚なアンサンブルが鳴り響く、昨年12月リリースの1stアルバム「Raise」のラストを飾るインストナンバー「Raise」でスタートした。この曲の演奏が終わり、ステージに登場した和田はドラマ「神様のサイコロ」の主題歌であるデビュー曲「Dice」を披露。右手を胸に当てたり、前に突き出したりと、楽曲の世界観を高めるかのようなジェスチャーを交えながら情感たっぷりに歌唱し、続いてダークなロックチューン「Game is over」へ。彼は「ぶちあげていくぞ！」と叫ぶと、笑顔を浮かべつつアンサンブルに合わせて体を激しく動かした。

MCの第一声は「始まったぜ！」。そのテンションの高さに客席から歓声が上がる中、和田は「いいね！ 気持ちがいいね！ みんな元気かい？」と大勢のファンに呼びかけ、「寒かったよな？ でも汗だくで帰ることになるから」とここから熱いライブが展開されることを約束する。そして「普段、舞台や作品に出させてもらってるけど、ワンマンライブってこんなに緊張するんだ？ 『Dice』って自分の気持ちを1個ぐっと入れなきゃいけないじゃん」とライブの幕開けを振り返った。

その後、客席の1人ひとりを見ながら「あなた、あなた、“私たち”って思うなよ、“私”だから。1人ひとりの“あなた”と向き合って俺は生きていきたいと思ってる。曲を1人ひとりに向けて届けていこうと思ってるんで最後までよろしくお願いします」と話した和田。「『曲にいきましょう』っていうカンペが出てる(笑)。ついしゃべりすぎちゃうからさ」とおしゃべり好きな自分にツッコミを入れた彼は、主演ドラマ「0.5D」の主題歌「own world」を歌唱し、ドラマチックなロックサウンドとボーカリゼーションで場内の熱気をどんどん高めていった。

スペシャルゲスト蒼井翔太とデュエット

「虹の彼方」「最後のひと」「ピリオド」を歌い切ったのち、和田はバンドアンサンブルが響く中ステージから一旦去ると、黒い衣装から白い衣装にチェンジ。ドラマ「REAL⇔FAKE」で自身が演じた瀬名征行のキャラクターソング「Someday」を披露した。さらに和田の「本日のスペシャルゲスト！」という声に合わせ、彼と公私ともに親交の深い蒼井翔太が登場すると会場のテンションがより一層アップ。蒼井の「盛り上がっていきましょう！」という叫びとともに、2人のデュエット曲「Resurgence」へと突入した。蒼井がビートに合わせ体を動かしながら響かせるハイトーンボイスと和田のパワフルな歌が重なり、極上のハーモニーが生まれる。曲が終わると、大歓声の中「まーくん！ 1stライブおめでとう！」と祝福する蒼井と「ありがとう！ ぜいたくすぎ」と喜ぶ和田。蒼井は「（和田は）これまでは役としての歌唱だったけど、この人は音楽でも自分の表現ができる人だと勝手に思ってた。まーくんのオリジナルの曲を聴きたいと思ってた。言葉にしたことを実現する人だと思ってるので、これからも楽しみにしてます」とエールを送った。そして2人が共演したドラマ「REAL⇔FAKE Final Stage」の主題歌「MISLEAD」も披露され、ステージ中央で向き合って熱唱する彼らの姿に客席が大いに沸いた。

本編ラストに披露されたのは「Now Loading」。和田は右手を上下に激しく動かし、さらなる盛り上がりをオーディエンスに要求する。ステージ下手から上手へと縦横無尽に移動しながらエモーショナルな歌を響かせた彼は、アウトロでドラムロールに合わせて腕をぐるぐると回してジャンプ。「ありがとうございます！ アゲてったね！ もうすべての曲を出しました！」という茶目っ気たっぷりな言葉で会場を和ませ、「楽しかったですか？ またこうして笑顔で会える日を心から楽しみにしています」と深々とおじぎをした。

これからも1人ひとりに寄り添えるように

アンコールではホールの2階席から和田が登場し、オーディエンスを驚かせる。「2階、気抜いてただろ！」と叫んだのち、何度も「ありがとう！」と感謝を伝えながら2階エリアをくまなく移動する和田。途中で1階を見下ろし、「どうだ？ 俺に見下される気分は（笑）」と問いかけた彼は、1階の客席から「フー！」という歓声が上がると、「『フー！』はおかしいだろ！」とツッコんだ。その後1階エリアに移動し、何度も「ありがとう」と言いながら客席通路を歩いたあと、和田はステージにカムバック。「1人ひとりに伝えるパワーは変わらないんだけど、100人に伝えるパワーと1000人に伝えるパワーは変わっていく。この状況は決して当たり前なことじゃなくて。そんなことを考えながらさっき『虹の彼方』を歌っていたらグッときちゃった。ごめんね。これからもできるだけ1人ひとりに寄り添えるようにやっていきます」と語り、客席をバックにバンドメンバーとともに記念撮影を行った。

ラストに和田は「僕にとっては皆さんの前で歌うすべてが新曲みたいなものです。アンコール前に全部の曲を歌いましたが、アーティスト和田雅成が始まった曲をもう1度歌わせてください」と話し、この公演2回目の「Dice」へ。より一層強い思いが込められた歌声が場内にこだました。

セットリスト

和田雅成「1st ONEMAN LIVE『Raise』」2025年2月8日 関内ホール 大ホール

1部

01. Raise
02. Dice
03. Game is over
04. Brand New World
05. own world
06. エキストラ
07. memories
08. The One
09. 虹の彼方
10. 最後のひと
11. ピリオド
12. Someday
13. Resurgence
14. MISLEAD
15. Fly Higher
16. プライド
17. fragile
18. Now Loading
＜アンコール＞
19. Dice

2部

01. Raise
02. Now Loading
03. Brand New World
04. Dice
05. Game is over
06. Resurgence
07. MISLEAD
08. own world
09. エキストラ
10. memories
11. 虹の彼方
12. The One
13. 最後のひと
14. Fly Higher
15. プライド
16. fragile
17. Someday
18. ピリオド
＜アンコール＞
19. Dice