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ももクロ百田夏菜子、初のソロコンツアー完走!荒廃した世界を救うために“ビタミンB”で進化

百田夏菜子「MOMOTA KANAKO LIVE TOUR 2025『VITAMIN-B』」の様子。(撮影:上飯坂一)
約1か月前2025年03月08日 11:06

2月にスタートした百田夏菜子(ももいろクローバーZ)のソロライブツアー「MOMOTA KANAKO LIVE TOUR 2025『VITAMIN-B』」が終幕を迎えた。

「MOMOTA KANAKO LIVE TOUR 2025『VITAMIN-B』」は2月12日に百田の初ソロアルバム「ビタミンB」がリリースされたのに伴って行われたツアー。百田がソロツアーを開催するのはこれが初めてで、大阪、東京、神奈川、愛知の計4会場それぞれに大勢のファンが集まった。本日3月8日にファイナルを迎えた本ツアーより、この記事では2月24日の東京・立川ステージガーデン公演の模様をレポートする。

時は209X年の世紀末

ステージには工場をイメージしたものものしいセットが組まれ、かすかに聞こえてくる無骨な作業音が座席につく観客にツアーの世界観を伝える。時は209X年の世紀末。度重なる気象変動や天変地異によって文明社会は大打撃を受け、荒くれ者がはびこる世の中で人々は活力を失っていた。百田製薬工場では世界に活力を与える究極の栄養ドリンク“ビタミンB”を製造しようとしていたが、作業員自身の栄養が足りておらずその試みも難航。そんな中、百田の「てめえらいったい、何が悲しくてそんな顔してるんだ? 元気、足りてねえんじゃねえか!? 上等だよ。この工場、全部まとめて立て直してやるぜ! ビタミンBで!」という威勢のいい声が響く。そしてシャッターが開くようにスクリーンが上昇すると、そこには“赤”で完全武装し、サングラスや鉄パイプを身に付けた百田の姿が。彼女はソロアルバムの表題曲であるメタルチューン「ビタミンB」で勢いよくライブをスタートさせた。

この「ビタミンB」というタイトルは、約10年前にももクロのレギュラー番組内で行われたクイズ企画にて、「にゅーとんが りんごで発見 ◯◯」という問題に対し、百田が「引力」ではなく「ビタミンB」と答えたシーンが由来。この珍回答がアルバムタイトルと曲名に昇華され、大勢の観客が集結するライブ空間で「B!B!ビタミンB!」と何度も連呼された。スモークの演出もあいまって会場のボルテージがぐんぐんと上昇していく中、間奏では百田が2人組のダンサーの“姉さんS”、つなぎを着た4人組ダンサー“4B”とともにお尻を振るキュートな振付を披露する場面も。続いて投下されたももクロのパンキッシュなナンバー「ダンシングタンク♡」では、自己紹介パートをこのツアー限りの特別な歌詞にアレンジ。百田は「かつてニュートンがリンゴで発見したビタミンB。お前らに足りてないのはビタミンBと太陽!」と高らかに叫び、大きな喝采を浴びた。

さらに百田はX JAPAN「紅」を熱唱し、ももクロの楽曲「労働讃歌」でモノノフ(ももクロファンの呼称)とともに拳を力強く突き上げるなど、迫力あふれるパフォーマンスで観客に息つく暇を与えない。MCでは「盛り上がってるかー!」と勇ましく客席を煽ったかと思えば、ツアー初日の大阪公演で自己紹介を忘れたことを明かしたのち、「はちはちはちはちでこっぱち」で始まるおなじみのフレーズを笑顔で披露した。

純白の衣装で観客の中に降臨

パフォーマンスの合間には、百田と入豚(にゅうとん)博士が栄養ドリンク“ビタミンB”を製造していく過程がシュールなアニメーションで描かれる。映像の中で試作段階のドリンクを飲んだ百田はその効果で変身。序盤のパンキッシュな姿から一転、純白の衣装に身を包んで観客の前に姿を現した。百田は「赤い風船」を歌いながらステージセットに腰掛けたり、赤い風船が付いたカゴから赤いボールを取り出して客席へ投げたりと、叙情的なムードで会場を包み込む。「お着替えしてきましたー」と微笑んだあとは、2021年開催の初ソロコンサート「Talk With Me ~シンデレラタイム~」に合わせて購入したものの、当時はリハーサルでしか履かなったオニツカタイガーと映画「シンデレラ」のコラボスニーカーを着用していることを明かし、うれしそうに自身の足元を見せた。また客席のモノノフに「かわいい!」と一斉に言わせたのち、照れながら「ごちそうさまです(笑)」と返すなど、百田の天真爛漫な姿に会場中が癒やされた。

次に百田は、かつて静岡東京間の新幹線内で書き留めたメモを元に作詞した楽曲「ひかり」を歌唱。「今日の君へ」でも温もりのあふれる歌声を響かせると、ステージを降り、1階席中央に設置された脚立の上に腰掛けて会場をざわつかせた。モノノフの視線を360°から浴びつつ、手を伸ばせば届きそうな距離で「わかってるのに」を切々と歌う百田。純白の衣装が神秘的なムードを強調する中、会場中の視線が彼女の一瞬一瞬の表情に釘付けになった。

「引力」を自在に操る“スーパー夏菜子”に

続いて上映されたアニメ内でついに究極のビタミンドリンクを完成させると、百田はそれを自ら飲み、「引力」を自在に操る“スーパー夏菜子”へと進化。1つ前のブロックとは対照的な全身黒の衣装を身にまとい、さらにはエクササイズで使われるバンジーコードを装着した状態で姿を登場した。ご機嫌なビートの楽曲「ukiukihuman!」を歌いつつ、百田は宙を浮いたり、逆さまになって回転したりと、引力を味方にしたアクロバティックなパフォーマンスを展開。曲の終盤には自身の代名詞とも言えるエビ反りジャンプを決めてみせた。その後、ステージ上に運び込まれたマイクスタンドの前に立った百田は、ももクロとゆかりの深い氣志團の綾小路翔が提供したソロアルバムのリード曲「惚れたが勝ちのI LOVE YOU」を歌唱。昨年30歳の誕生日を迎えた今の彼女ならではの妖艶なムードを漂わせながら、華やかな“昭和ラテンミュージック”で観客の心を撃ち抜いた。

場内が心地よい高揚感で包まれたまま、ライブはアンコールへと突入。グッズの赤いパーカーをアレンジした衣装に着替えた百田は、クリスマスソング「クリスマスしよ♡」をアレンジした「アンコールしよ♡」を歌いながら3階席、2階席、1階席と場内をくまなく巡り、惜しみないファンサービスでモノノフを喜ばせる。その後、2020年に初披露された初作詞曲「それぞれのミライ」をしっとりと歌い上げ、モノノフの心をより一層癒していく百田。「自分で書く曲はちょっと暗くなっちゃうというか、明るくない部分を書いていることが多かったりして。逆にすごく脳天気なものを書きたいなと思って作った曲です」と語ったのち、彼女がこの公演の最後に歌ったのはアルバムのラストを飾る楽曲「コジらせMAX」。場内にハートフルなムードが満ちる中、「おしまい」という柔らかなひと言でパフォーマンスが締めくくられた。

セットリスト

百田夏菜子「MOMOTA KANAKO LIVE TOUR 2025『VITAMIN-B』」2025年2月24日 立川ステージガーデン

01. ビタミンB
02. ダンシングタンク♡
03. 紅(オリジナル:X JAPAN)
04. 労働讃歌
05. 熱帯夜 Fantasy
06. 未知数
07. 赤い風船
08. ひかり
09. 今日の君へ
10. わかってるのに
11. Doubt
12. ukiukihuman!
13. 5 The POWER
14. 惚れたが勝ちのI LOVE YOU
<アンコール>
15. アンコールしよ♡
16. それぞれのミライ
17. コジらせMAX

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