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ありぼぼ新連載がスタート|CDリリースに関わるのはどんな職業?

左からありぼぼ、モリタナオヒコ。
約1か月前2025年04月30日 9:03

「音楽に関する仕事をしたいけど、どういう仕事があるのかわからない」という声をよく耳にするというヤバイTシャツ屋さんのベース&ボーカル・ありぼぼさん。そんな声にお応えすべく、ありぼぼさん自らが音楽に関する仕事をする人々のもとへと足を運び、仕事内容やその職業に向いている人をリサーチする新連載「ありぼぼの音楽おしごと探検隊」を音楽ナタリーでスタートさせることになりました。

とはいえ、音楽業界にはどんな仕事があるんでしょうか? まずはどんな職種があるのかを把握するべく、ありぼぼさんはCDリリース、そしてその発売記念ライブまでのロードマップを制作することに。メジャーレーベルにスタッフとして勤務経験があり、アーティストとしても所属していたTENDOUJIのモリタナオヒコさんをアドバイザーに迎え、この連載でこれから話を聞きに行くべき職種をリストアップしました。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 曽我美芽

CDリリースに関する仕事を書き出してみよう

ありぼぼさんがこのフローチャートに付けたタイトルは「CDリリースへの道」。モリタさんの「CDをリリースするには『この時期に発売するぞ』と決意することが一番大切。途中であきらめちゃう人もいるわけだから、強く決意を持ってくださいね」というアドバイスを受け、ありぼぼさんは大きく「CD出すことを決意する」とホワイトボードに書きました。

楽曲ができたあとは、編曲、レコーディング、ミックス(トラックダウン)、マスタリングと音源にするための作業がいくつも発生しますが、「中でもレコーディングに一番時間がかかる」とモリタさん。しかしここが一番重要で削れない要素であることも熱弁します。

さらに楽曲の制作と並行して、CDジャケットの制作やCDの購入者特典の制作、リリース記念ライブを行うのであれば、その会場のスケジュール押さえなど、CD発売に伴う制作物やイベントの制作を同時に進めていかなければなりません。

レコード会社のスタッフはこれらの発注業務を担い、レコーディング、ミックスやマスタリングに立ち会い、プロモーションやCDショップへの営業も行うなど、音源の制作からリリースまでアーティストをサポートします。

書き出してしみじみ「こんなに雇用を生んでいるんですねえ」

ロードマップを書き終え、ありぼぼさんとモリタさんは楽曲制作、パッケージ制作、ミュージックビデオ制作、宣伝、ライブ制作に関わる職業を以下のようにリストアップしました。

楽曲制作に関わる職業

  • 作詞家
  • 作曲家
  • 編曲家
  • エンジニア

音源の制作&宣伝に関わる職業

  • A&R(宣伝 / 制作)

CDパッケージや告知物の制作に関わる職業

  • カメラマン
  • デザイナー
  • プレス工場のスタッフ

ミュージックビデオ制作に関わる職業

  • ミュージックビデオ監督
  • ムービーカメラマン

CDが店頭に並ぶまでに関わる職業

  • ディストリビューター
  • バイヤー
  • 店頭スタッフ

ライブ開催に関わる職業

  • ローディー
  • PA
  • 照明
  • 警備
  • イベンター
  • イベントプロモーター

細かなものを挙げていけばキリはありませんが、この時点でざっと20近い職業が。ここにメンバーの身の回りのお世話やスケジュールを管理するマネージャーも加わるとなると、本当に多くの人が関わってCDがファンの手元へ届き、レコ発ライブが行われていることがわかります。「CDをリリースしてライブをするというだけで、こんなに雇用を生んでいるんですねえ」とありぼぼさんとモリタさんはしみじみ。さっそく、ここから取材先を選定していきます。

どんな人に話を聞きに行く?

ありぼぼさんが最初に目を付けたのは、作詞、作曲、編曲を手がけるクリエイター。CDリリースにおける根幹を担う職種です。取材をするのは、ありぼぼさんが大好きなアニメの楽曲などを手がける“あの人”に決定しました。昨今ではミュージックビデオをきっかけにヒットする楽曲も数多く、MV監督も外せません。ヤバTが結成された大阪芸術大学にありぼぼさんが行くきっかけとなった“あの監督”に話を聞きに行くことにしました。

配信においても、CDパッケージにおいても欠かせない、“アートワーク”とも呼ばれるジャケットについては、“あの大御所デザイナー”の事務所に足を運び、取材しようという話に。思い入れのあるジャケットや大変だったパッケージなどについて話を聞きます。

CDリリースからそれに伴うライブまで欠かせないのがA&Rという職業。モリタさんもメジャーレーベルで勤務していたときにはA&Rのポジションでした。2人によると、メジャーレーベルにはだいたい“名物A&R”がいるそうで、そういった方を尋ねるのもいいかも?とありぼぼさんのアイデアが膨らんでいきます。こちらはヤバTの所属するユニバーサルミュージックのスタッフに話を聞くことに。ちなみにA&Rとはアーティスト・アンド・レパートリーの略称で、この職業については音楽ナタリーの連載「キニナル君が行く! 第5回 レコード会社のA&Rってどんな仕事?」で詳しく説明されているので、気になる人はこちらをチェックしてみてください。

それらのインタビューを終えたあとは、ライブ制作の現場やCDのプレス業務に携わるスタッフ、CDショップの店員などに取材を実施する予定。ここまでの話をモリタさんから聞かせてもらったありぼぼさんは、このロードマップに書かれている一連の工程をぜひ実際に自分の手で進めてみたいという気持ちに。そこで「この企画で学んだことを糧にして、ゆくゆくはソロ作品のリリースからレコ発ライブまでセルフプロデュースしてみたい」という、この連載の最終的な目標が決まりました。

次回からはこの目標の実現に向けてありぼぼさんと編集部で動いていきます。月1更新予定の新連載「ありぼぼの音楽おしごと探検隊」をお楽しみに。

モリタナオヒコ プロフィール

1986年11月25日千葉県松戸市生まれ。TENDOUJI のギターボーカル。2015年に中学の同級生だったアサノケンジ、ヨシダタカマサ、オオイナオユキとともにバンド・TENDOUJIを結成。2017年8月に1stフルアルバム「MAD CITY」をリリースし、翌2018年にはアメリカ・テキサス州オースティンで行われている世界最大規模のフェス「SXSW」に出演した。2019年にはTeenage Fanclubのサポートアクトを務め、2025年4月にはHindsのサポートアクトに抜擢されるなど、海外アーティストとも数多く共演している。またモリタ個人としては「天童児直」名義でソロ活動も行っており、2024年12月に最新曲「Don't look back Today」をリリース。5月からはTENDOUJIのワンマンツアー「TENDOUJI ONEMAN TOUR "STRAWBERRY" 2025」が始まる。

森田直彦(@tendoujinao)|Instagram

ありぼぼ

ヤバイTシャツ屋さんのベース&ボーカル。バンドとしては、2016年11月にフルアルバム「We love Tank-top」でユニバーサルミュージック内のレーベルUNIVERSAL SIGMAよりメジャーデビューし、2020年9月発売の4thフルアルバム「You need the Tank-top」で初のオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得した。ソロではにゅうろん名義で楽曲をリリースし、道重さゆみや岸本ゆめの、CUTIE STREETらに楽曲提供も行う。また多趣味なところやトークスキルの高さから、さまざまなトークイベントにも出演。2020年12月より自身の出身地・大阪府高槻市の「たかつき観光大使」を務めている。2024年2月にはアパレルブランド・neüronを立ち上げるなど、その活動は多岐にわたる。

ありぼぼ(@shibata_aribobo)|Instagram

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