「にじさんじフェス展」をたっぷり楽しみ、月ノ美兎さんと一緒に「アルクマルチバース」をプレイした前編に続いて、後編ではのっちさんによる月ノさんへのインタビューをお届けします。
月ノさんにはゲーム制作者として「アルクマルチバース」について話してもらう予定でしたが、5年前に出会って以来の仲良しな関係もあり、2人がお互いに質問をし合う展開に。話題はゲームにとどまらず、動画配信やバーチャルでの表現活動など、さまざまな方向に広がっていきました。
取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平 撮影 / 曽我美芽 ヘアメイク(のっち) / 大須賀昌子 題字 / のっち
©ANYCOLOR, Inc.
長年Perfumeが体験してきたことだから、美兎ちゃんに「そうだよね!」って思った
のっち 「アルクマルチバース」面白かった! さっき4周やらせてもらいましたけど、流れ作業みたいに感じることが一度もなくて、全編ハイライトみたいな感じ。
月ノ美兎 本当にありがたいです。私が最初に提案したときは全部2択で、もっと分岐が少なかったんですけど、作詞作曲をされたフロクロさんという方がけっこう凝り性で、「もっと増やしましょう!」ということになり、めちゃくちゃなボリュームになってしまいました(笑)。
のっち これ、全部でどれくらいのルートがあるんですか?
月ノ 曲は24パターンありますね。それを組み合わせるから、ルートだとかなりの数だと思います。
のっち ルートは作曲者さんが考えてくれたんですか?
月ノ それは2人で考えました。通話会議をしながら、私が「こういうルートを追加したい」って言うと、「いいですね。じゃあ、ここで急に死んだりしたら面白くないですか?」とか、そういう提案をいろいろしてくださって。最終的に半々くらい採用されてます。
のっち 歌はアルバムの曲を収録するときに一緒にレコーディングしたんですか?
月ノ 最初はそのつもりだったんですけど、完成しなくてそのあとゲームのために2回レコーディングしましたね。歌詞の書き込みの量がすごいことになりました。
のっち 曲調は近いけど、譜割もまったく違うし、全部覚えるのは大変そう……。
月ノ いや、ホントにそうなんです。そういえばPerfumeさんは「歌入れの直前に曲を知る」とおっしゃってましたよね。
のっち 今でもそうですね。レコーディングスタジオに行って、歌詞と曲をもらって、その場で覚えて録るっていうのを、ずっとやってます。
月ノ それって大変ですよね?
のっち 大変だけど、「次はどんな曲をもらえるんだろう」ってワクワクしながらレコーディングスタジオに行く楽しみもある。あと、中田(ヤスタカ)さんが作ってくれた通りに歌うために、変な癖が入らないほうがいいから、変に前もって練習していくのも逆に怖いんですよね。
月ノ その件について私、1つの説を提唱したいんですけど……「実はレコーディング当日までに曲が完成してないだけ」説ありません?
のっち 実際ありました(笑)。今は私たちの時間も大切にしてくれるんで、曲が完全にできてからスタジオに向かうんですけど、昔は曲ができるまで、中田さんのスタジオの外に停めた車の中でずっと待ってたりとかしてました(笑)。
月ノ すごい状況。
のっち 何時間も待って、「今日できませんでした」で解散、みたいな(笑)。
月ノ ヤバすぎる(笑)。私が中田さんのスタジオに行ったときも、なんかずっと作ってましたよ。
のっち それって、こないだのワンマンライブ(2025年4月18日に開催された「Paper Rabbit」)でも歌われてた「あいがたりない」ですよね? あの曲を歌ったあとで「今になってこの歌詞が響く」とおっしゃってて、なんかめっちゃうれしくなっちゃって。
月ノ そうなんですよ。2019年にあの曲を録ったときは「どういうこと?」って感じで、正直よくわからなかったんですよね(笑)。別にこんな未来が来るって想定して書いたわけでは絶対ないと思うんですけど、巡り巡って今、すごく刺さるというか。
のっち まさにPerfumeは中田さんの曲でその体験を長年してきたから、それを美兎ちゃんが口に出してくれたときに「そうだよね!」って思った。
月ノ 似たような体験があるんですか?
のっち あります! ライブで歌うたびに「うわ、この曲って今日のために作られた曲だったの?」みたいな気持ちになったり。歌う人のことを深く深く考えて曲を作られてるから、時を経て響くんだろうな。
月ノ 正直、中田ヤスタカさんに「歌詞がすごい人」というイメージがあんまりなかったんですけど、そういう事例がほかにもあるってことは、やっぱりすごい人なんですね。
ボカコレで「絶対来年来るな」みたいな方を見つけて
のっち 美兎ちゃんは自分が好きで聴いてる方に曲作りをお願いしてるじゃないですか。「アルクユニバース」を作ったフロクロさんもボカロPですし、昔からボカロが好きなんだろうなと思ってるんですけど。
月ノ のっちさんはボカロとか聴きます?
のっち “歌ってみた”は観ますね。ボカロ自体も好きですけど、にじさんじの方が歌ってるのを観て「うわ、カッコいい」って思って原曲を聴いたりします。
月ノ 私はVTuberになって“歌ってみた”をやるようになってから、勉強のつもりで観始めたんですよ。ボカコレっていう大会があるんですけど。
のっち 年に2回かな、開催されてますよね。
月ノ そこで上位の方が次の年に活躍されたりするので、そういうことに注目しながら観ています。「この人、絶対来年来るな」みたいな方をボカコレで見つけて、早いうちに声をかける、みたいな。今回のアルバムではそういうことをしてました。
のっち 例えば誰を「これから来そうだな」って思ったんですか?
月ノ 「ルナティックウォーズ」を作っていただいたマサラダさんとか。マサラダさんは“これから”っていうか、すでにもうかなり来ていたので、早めにオファーしないと、と思って連絡しました。
のっち めちゃくちゃ面白かったですね、「ルナティックウォーズ」も。配信での美兎ちゃんの声をつないで、合成音声みたいにして。
月ノ 頭がおかしくなるような作業だったと思う(笑)。わざわざいろいろと観てくださって、すごすぎる。
のっち 美兎ちゃんのこと好きじゃないとできない作業ですよね。
Steamで販売してるゲームは、出汁の風味を楽しむ
のっち 美兎ちゃんは昔「にじさんじのタイプ診断」も作ったことがあるし、もともと自分でゲームを作りたい気持ちがある人なんだろうなと思ってて。
月ノ そうなんですよ。私、全然ゲームをやらせてもらえない家庭で育って、だからこそなのかわからないんですけど、ゲームを作りたい欲求がずっとあったんです。
のっち 「遊びたい」じゃないんだ。そこを飛び越して「作りたい」になるの、なかなかない気がする。
月ノ のっちさんは子供の頃、ゲームは禁止されてなかったんですか?
のっち 禁止されてなかったですね。親戚の家でよくスーファミやってました。
月ノ 思い出深いゲームあります?
のっち 初めて自分用に買ってもらったゲーム機がPSPだったんです。ピエール瀧さんが作られた「バイトヘル2000」っていうゲームをずっとやっていて。それがめっちゃくちゃ好きだったんですよ。流れてくるヒヨコのオスメスを見分けたり、流れてくるボールペンにキャップをかぶせたり。
月ノ 「メイド イン ワリオ」みたいなミニゲーム系かな?
のっち なんだけど、終わりがなくて一生その作業が続くんです。そのとき「有名人がゲームを作ることもあるんだ」ということを知って。
月ノ のっちさんはゲームを作りたいと思ったりしません?
のっち まったく思ったことがなくて。だから「自分がゲームを作るとしたら」って質問されると、なんて答えていいかわからないんですよね。
月ノ 好きなジャンルはなんですか?
のっち RPGが好きです。自分が主人公になってお話を体験するのが好きなんですよね。最近は「真・三國無双 ORIGINS」とか、幕末を舞台にした「Rise of the Ronin」っていうゲームをやってました。
月ノ のっちさん、以前お会いしたときも「どんなゲームをやりますか?」って聞いたら、ちゃんとゲームをやってる人のチョイスって感じがめっちゃしたんですよね。私はちゃんとゲームをやってないから。
のっち そうなんだ! ゲームをやらないっていうのが、今ちょっと驚き。
月ノ いや、やるんですけど、私が好きなのはSteamのインディーゲームとかで。ちょっとチルい感じのやつを、よく配信の外でやってるんです。最近だと「ファミレスを享受せよ」っていうアドベンチャーゲームとか。逆に今まで、王道のゲームをあんまりやってこなかったんですよね。
のっち それ、なんとなくわかるかも。大きい会社が作ってる大きいタイトルって、しっかり味付けしてあって絶対おいしいっていう信頼がありますよね。でも個人がSteamで販売してるゲームは趣味性が強いように思うから、出汁の風味を楽しむというか(笑)。そっちのほうが好みの人もいると思う。
月ノ でも私、実況プレイはめっちゃ観てたんですよ。ゲームは禁止されてたけど、パソコンは禁止されてなかったので。
のっち あー、だから知識はあるんだ。誰の実況を観てたんですか?
月ノ 最終兵器俺達さんとか。
のっち キヨさんの!
月ノ そうですね。あとはアブさんという方がいらっしゃって、ゲームのチョイスが独特で、よく観てましたね。だから自分が実況プレイをすることになったときに、すんなりできたのかもしれません。
のっち なるほど。自分でプレイをしていなくても知識はあるから、「自分だったらこういうゲームにするのにな」みたいな想像が膨らんだのかな。
もし実況を今やるなら、ゆっくりお話ししながらできるゲームがいいなあ……
月ノ のっちさんは実況プレイをする機会はありますか?
のっち ないですし、たぶんできないから、やるつもりがないです。
月ノ いや、みんなめちゃくちゃ観たいと思いますよ!
のっち だってみんな、ゲームしながらあんなにおしゃべりして、すごいですよ。私、ゲームするとき絶対黙っちゃうし。
月ノ 「バイトヘル2000」実況してみてほしい(笑)。
のっち それ面白すぎる(笑)。もし何かの機会で実況することになったら「バイトヘル2000」かな……?
月ノ 楽しみだなー(笑)。じゃあ、最初の挨拶はどうしますか?
のっち 「おはのち!」とか?(笑)
月ノ 「おつのっち!」みたいな?
のっち いや、やらないですけど(笑)。
月ノ というかのっちさん、5年前にPerfumeのオンラインフェスで実況やってるじゃないですか。
のっち はい。「Fall Guys」を美兎ちゃんと一緒にやらせてもらって。
月ノ 楽しかったですよね。次に一緒にやるなら、ぜひ「School Days」をリベンジしたいです。
のっち 美兎ちゃんはあのとき、もともと「School Days」をやろうって提案してくれてたんですよね。この連載の本を出したときに、ファミ通.comさんにインタビューしていただいたんですけど、記者の方がなんかすごい気にしてましたよ。「月ノ美兎と『School Days』をやる予定だったって本当ですか!?」って。
月ノ まず、のっちさんが「School Days」って言葉を発すること自体がビックリしますね(笑)。
のっち あのとき私は、美兎ちゃんの面白いところをPerfumeファンのみんなにも知ってほしいと思ってたんですよね。例えばシャニマス(「アイドルマスターシャイニーカラーズ」)実況で女の子の衣装について語ってる美兎ちゃんとか。「これは下着が……」みたいに。そういうお話を私も一緒にできたら楽しいなって思ってたんですけど、もし今やるなら、もうちょっとゆっくりお話ししながらできるゲームがいいなあ……。
月ノ ありますよ。引っ越し先で荷ほどきするゲーム。
のっち 「Unpacking」?
月ノ あれもチル。めっちゃ好きなんですよ。配信の外でやってます。
のっち やってみたい! というか、なんでそれ配信しないんだよ!ってちょっとだけ思ってます(笑)。美兎ちゃんの「Unpacking」超観てえー。あ、マイクラ(「Minecraft」)とかどうですか?
月ノ 確かにそれ、かなりアリですね! おしゃべりしながらできそうだし。マイクラは「にじさんじサーバー」っていうのがあって、私が始めたときにはもうできあがってたんですよ。インフラが整ってて、飼育場も全部あるし、黙っててもダイヤもらえる状態で。だから自分の足で立った感じがしないんです。
のっち 自分でワールドを作ったことはないんですか?
月ノ 1回だけやったんですけど、何もかもわかんなくって。ベッド作って死んで終わり(笑)。
のっち 典型的なマイクラ初心者の動きを(笑)。私は作業をするのが好きなので、ブランチマイニングでひたすらダイヤを掘ってますね。
美兎ちゃんに歌ってほしい曲、今またストックが溜まってます
月ノ 5年前ののっちさんとの実況プレイ、反響がすごかったんですよ。Perfumeファンの高校の同級生から急に連絡があったり(笑)。ちょうどのっちさんとの収録の帰りに、外で葛葉とすれ違ったんですけど、「どこに行ってたんですか?」って聞かれたから「のっちさんと収録があったんだよね」って答えたら、「嘘をつくな!」って言われた(笑)。
のっち ははは。その日はゲームだけでなく対談もしたんだけど、ただ「好きだ!」っていう気持ちを伝えるだけで時間になっちゃって。もっとお話ししたかったなって思って、連絡先を聞いたんですよね。
月ノ それで後日、一緒に遊ばせていただいて。
のっち 私の周りでは、まずVTuberというものの説明をする必要があったから、美兎ちゃんにオンラインフェスに出てもらうときは「中でも委員長はトップオブトップで……」みたいな説明をしたなあ。
月ノ ほかに、にじさんじの配信を観てらっしゃいますか?
のっち 観てます。EXゲーマーズのみんなが好きです。椎名さん(椎名唯華)とか、りりむちゃん(魔界ノりりむ)とか、笹木さん(笹木咲)とか。あと葛葉さんのゲーム配信もよく観てますね。切り抜きもめっちゃ観るから、けっこういろんな人のを観てますよ。
月ノ のっちさんが観てるなんて知ったらみんなビビりますよ……。あと、にじさんじ以外にも2018年ぐらいのVTuberをいっぱい観てるんですよね?
のっち そうそう、ピーナッツくんとぽんぽこさんとか。
月ノ ピーナッツくんにもめっちゃ言われましたよ。「のっちとしゃべったんでしょ? そんなん、もう勝てねえよ!」って(笑)。いや、のっちさん絶対ピーナッツくんも観てると思うけどな、って思いながら聞いてました。
のっち 観てます。歌も好きです(笑)。
月ノ そういえば、前にのっちさんがプレイリストを共有してくれたの覚えてます? 「委員長に歌ってほしい曲」みたいな。
のっち あー、送った!(笑)
月ノ あれ、めっちゃびっくりしましたね。
のっち 美兎ちゃんに歌ってほしい曲、今またストックが溜まってますね。
月ノ え! 待ってくださいホントですか!? 次のライブの曲を決める参考にしたいから、めちゃくちゃ見たいですけど(笑)。
のっち 送らせてください!
月ノ うれしいうえにありがてえ……(笑)。
動画がVTuber界隈の外の人たちにまで知れ渡ったのはうれしかった
のっち 美兎ちゃんは最近、配信だけじゃなくて動画も作ってるじゃないですか。動画を作り始めた理由ってなんですか?
月ノ 私、にじさんじデビューしたときに、動画を作るものだと思ってたんですよ。最初の頃は配信をやってるVTuberってそんなにいなかったので。それに配信って、どこかサボってるみたいな感覚があったんですよね。
のっち そうなの?
月ノ 編集もしないで、ボタンを押すだけでできちゃいますからね。いや、今思えばそんなことないんですけど。配信は配信で大変だし。それで配信をメインにしつつも動画を作ってたら、その評判がけっこうよくて手応えを感じたんです。
のっち なるほど。バーチャルの活動をしていてどの瞬間が一番楽しいですか?
月ノ 最近で一番「うおー!」って思ったのは、「『カチカチ山』とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか」という動画がVTuber界隈の外の人たちにまで知れ渡ったことで。VTuberをあんまり知らない人たちが「面白いじゃん」って言ってるのが、すごくうれしかったんですよね。
のっち 「VTuberが好きだから観る」という観られ方と関係なく、自分の作った動画の出来が評価されたわけですもんね。私も「カチカチ山」の動画が大好きで。
月ノ ありがとうございます!
のっち 今日ね、実は好きな動画作品をリストにしてきているんですけど、あと好きなのは「出不精召喚バトル」。あれを観て「マジで私、歩いてないな」って自分を見つめ直しましたね(笑)。あと「配信中に名前が出た食べ物だけで生活しよう!!」も狂おしく好きです。ほかにも一蘭を食べに行く動画と……あ、「にじさんじライバー部屋当てクイズ大会」。あれもまたやってほしい!
月ノ めちゃくちゃ観てくれてる(笑)。ありがたいです。
プレイヤーの考え方と、クリエイターの考え方の違い
のっち いつか美兎ちゃんのライブも生で観たいです!
月ノ いやいや、それを言ったら私こそです。前にPerfumeのライブに招待してもらったのに行けない日だったことがあって、マジで悔しかった。Perfumeさんが使う技術は、VTuberも見習うべき点が多いんですよ。限りなくバーチャルに近い方々ですからね。
のっち いろんなデータも取ってますしね。3Dデータはめちゃくちゃあります。逆に美兎ちゃんは、2Dからリアルな世界に向かっているというか。そう考えると確かに近いのかも。
月ノ のっちさんって、VTuberをやりたいと思ったりしないんですか?
のっち 思ったりしないです(笑)。でも、マジで未知の世界だし、きっとやったら楽しい気はする。技術的なことが好きだから「こんな顔をできるのか! こう動けるのか!」みたいなことには興味あります。
月ノ いや、未知なのかな? 似て非なることをすでにやってる気はしますけどね。
のっち 私の体が「Perfumeのっち」として世に出る姿になるまでに、お衣装着せてもらったりメイクをしてもらったりして、のっちというキャラクターを背負ってるという意識はあるから、まあ近いっちゃ近いのかな。
月ノ なるほど、「のっち役になる」という意味で。さっき「ゲームを作りたいとは思わない」と言ってましたけど、のっちさんってクリエイター気質だと思うんですよね。
のっち たぶんクリエイターの人は、「みんなが動きやすいように、どこを改善していこう?」みたいなことを考えると思うんですけど、私の場合は「今あるもので、何をするのが最善だろう?」に頭が行きがちなので。それってめっちゃプレイヤー目線だと思う。生粋のプレイヤーだと思ってますけどね、自分は。
みんなの質問、のっちが代わりに聞いてきますのコーナー!
のっち ここからは、Xのハッシュタグを使って読者の皆さんから募集した美兎ちゃんへの質問です。最初はよっちゃんさん。名前にウサギの絵文字があるので美兎ちゃんリスナーですね。
のっちさん、委員長、お二人ともメジャーな物からインディーズまで数多くのゲームを触ってきたかと思われますが、お互いに「これだけは相手にやってもらいたいゲーム」を1つ挙げるとすれば何のゲームを勧めますか?理由も併せて伺いたいです。
のっち もうやったかもしれないけど「都市伝説解体センター」やってほしい!
月ノ もうダウンロードはしてるんですよ。こないだのライブが終わったあとにめっちゃ熱が出て、休んでる間に「暇だからこれやるか」と思ったんですけど、ドット絵の情報量が強烈でちょっと戦慄しちゃって、「あ、熱出てる状態でこれやるの無理だわ」ってやめたんです。
のっち そうだったんだ! 絶対やってほしいです! 私、こないだやったらめっちゃ面白くて、あんなにゲームで鳥肌立ったの初めてかも。
月ノ やりたい! やります!
のっち 都市伝説を解明していくにあたって、SNSの中からヒントを得ていくパートがあるんだけど、その投稿がリアルで。登場するキャラクターの価値観とか意見も面白いから、それに対する美兎ちゃんの意見が気になる。
月ノ 私からのオススメは……「Her Story」って知ってます?
のっち 名前は知ってるけどまだやってないです。謎解き系みたいな?
月ノ そうかもですね。すごく面白かったんですよ。時系列の順番もわからない、5秒くらいで終わる女性への事情聴取の動画がいくつもあって、それを断片的に見ながら推理していくうちに、なんとなく自分の中で事件の全貌に結び付いていくというゲームで。ストーリーラインがないから早々に真相にたどり着いちゃう人もいそうなものなんだけど、そうならないように作られていて、本当によくできたゲームだと思いました。
ライバーと診断、散歩と音楽と来たら次は何を題材にしたゲームを作ってみたいですか?
月ノ 次はデスゲームを作りたいですね。
のっち デスゲーム?
月ノ ライバー同士が生き残りを懸けて争うゲーム。たぶんそれって、運営さんは思いついても提案するのが難しいと思うんですよ。だから私が実行役になるしかないじゃないですか。
のっち 確かにそれは委長長じゃないと作れないのかもしれない(笑)。じゃあ次の質問です。
お互いの好きな曲を教えてください
月ノ あります! 「スウィートドーナッツ」!
のっち えー! そうなの? 2003年の曲ですよ? なんで知ったんですか?
月ノ えっ……いや、あの、アイマスが好きで……それをきっかけに原曲を知って(笑)。
のっち なるほど! 当時いろいろ作ってくださる方がいたんですよね! 「スウィートドーナッツ」なんだ!
月ノ めっちゃ聴いてましたね。Perfumeさんの曲を全部知ってるわけではないんですけど。
のっち いや、そういうもんですよ。
月ノ とはいえ義務教育レベルの曲、例えば「ねぇ」とか「ナチュラルに恋して」「ポリリズム」「チョコレイト・ディスコ」とか、そこらへんはもちろん聴いてます。
のっち ありがたい話です。
月ノ あとは「Time Warp」。めっちゃ聴いてます。
のっち えっ、わりと最近の曲。うれしい!
月ノ ミュージックビデオが面白かったですね。こんなに長く活動を続けてて、まだまだ新しいことしようとしてるの、本当にすごいですよ。
のっち 私が好きな美兎ちゃんの曲は……めっちゃ難しいです(笑)。でもあえて言えば、「みとらじギャラクティカ」は歌い方が好きだし、こないだのワンマンライブの演出もすごくよかった! あとは「それゆけ!学級委員長」も「Moon!!」も大好き。ライブで言えば「恋星ぺリコ」も超かわいかったです。演出が付いたことで、より物語の全貌が見えて、歌詞がめっちゃ入ってきて「なるほど!」ってなった。
月ノ 「恋星ぺリコ」はライブの前にまだMVを作ってなくて、ライブで初めて画が付きましたからね。
のっち カーテンの裏に入って影だけになったり、猫足バスタブに入ったり、めっちゃかわいかったです。あとMVだと、「百cd融怪点」も超カッコよかった!
月ノ そんなこと言われたら、市松寿ゞ謡さんうれしいだろうな(笑)。
のっち 今日はどうもありがとうございました。美兎ちゃんからクリエイターとしての話を聞き出そうと思ってたのに、話題があっちこっちに行っちゃって(笑)、ちゃんとインタビューできたのか不安ではあるんですけど、やっぱり一緒にお話しして楽しかったです。「ファンが出てきてすいません」っていう気持ちもあるけど(笑)、クリエイターとしての考え方みたいなことを感じられる部分もあったと思います。というか、美兎ちゃんからめっちゃ質問してくれてうれしかったです。
月ノ 質問したいことだらけですよ。のっちさんの「私は生粋のプレイヤーです」って話がめっちゃ面白かったですね。「そこに気が付くってことは、やっぱりクリエイター寄りの人じゃないの?」っていう気もしたけど、言われてみると確かに「クリエイターではない、パフォーマーだからこそ気付けること」って、きっと意外と多いんですよ。そういう視点は面白いなって。
のっち にじさんじの人たちって、自分で撮って自分で出てるから、クリエイター、プロデューサーでもありプレイヤーでもありますよね。
月ノ だから、そこらへんがあやふやな人が多いと思う。
のっち 美兎ちゃんって自分の作品について話をしてると、一緒に作ったクリエイターさんのことがすぐに頭に浮かぶんですよね。「やっぱり、みんなで物作りするのが好きなんだな」とか「一緒に作った人へのリスペクトが強いんだな」と思って。「みんなで作る月ノ美兎」って感じで、話を聞きながら私もうれしくなっちゃいました。
のっちさんの取材後記
こんにちは、GWガンダム見人間のっちです。
マネージャーのもっさん(一緒にいて20年くらい)が、ガンダム大好きなんです。
ガンダムの何かの色だから緑色が好きらしく、昔々、ガンダム仕様のグリーンのキャリーバッグをプレゼントしたこともありました。
そんなもっさんから、嬉しそうな文面のメールがグループメールに届きまして
なんと「ガンダムカードゲーム」のタイアップソングが決まりそうだと。
嬉しいお話! ご褒美みたいなお話だねと私たちも大喜びでした。
わたしもコッソリとガンダムには思い入れがありまして「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が狂おしく好きで。
リアタイ出来ない時に間違ってSNSのトレンドを見ちゃうとその週に退場したキャラがランクインしている、というトラップを潜り抜けながら、出来る限りリアタイで見てました。
なんだけど、最初の「機動戦士ガンダム」を見た記憶はおぼろげにしかない! この機会にシリーズを見返そう! と思い立ち、TV版の「機動戦士ガンダム」から見始めました。知らないエピソードが沢山、というかほとんど初見でめちゃめちゃ面白かった。そうかザクの緑色だったのか。ランバ・ラルかっこいい。ララァかわいい。
タイアップソングの曲名は「ソーラ・ウィンド」
8月に全曲配信、9月に盤が発売の「ネビュラロマンス後篇」のアルバムに収録されます。
そう、後篇なんです。
「ネビュラロマンス」という、中田さんの考えた、前後篇からなるSF物語のサウンドトラックとして作られたコンセプトアルバムの「後篇」です。
前篇のMVやライブでは、コールドスリープから目覚めた私たちがPerfumeとしての活動の傍ら、ネビュラ軍に所属し、どこからか攻めてくるロボットアーミーと日々戦ったりしてました。
宇宙が舞台の世界観がなんとなくリンクする。そんなアルバムなので「ソーラ・ウィンド」と合わせて、是非!聞いてみてほしいです!
という、「ガンダムカードゲーム」のお話に見せかけたアルバムの宣伝です(にこっ)
そうそう! 「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のスタートデッキも9月に出るそうです。やった!
9月といえば、私たちも東京ドームでライブがありますね。後篇引っさげたライブなんで「ソーラ・ウィンド」も歌うのかな?!
こちらも楽しみですね(にこっ)
てことで「ガンダムカードゲーム」みんなゲットして、遊んでくれよな!!
さて。今回は、「にじさんじフェス展」にお邪魔したのち、ANYCOLOR株式会社様にお伺いし、所属バーチャルライバーである月ノ美兎さん作のゲームを一緒にプレイさせていただいた上に、ご本人にお話も伺いました!
、、えなにこれ、、夢!???と訪問前も後もワクワクとまらずでした。贅沢コンボすぎます。
にじさんじフェスは過去3回ともオンラインで楽しませてもらってます。
「そんなの! 嬉しいに決まってるよ!!」な、ライバーさんを近く深く感じる展示やライブが毎回更新されて、みんなのにじさんじ愛に嬉しくなる、もっと「にじさんじ」が好きになるフェスなんです。
にじさんじさんの音楽ライブ、すごいですよ。
進化がすごい。
見るたび更新される、ライバーさんがそこに“いる”舞台演出、カメラワーク、そしてライバーさんの表現力!
特に、完全ARライブの時は驚きました。
生バンド(リアル生身人)に四方囲まれた360度ステージの上で、照明を浴びながら歌い踊るライバーさん、の存在感顕現感たるや! ダンスの動きの奥行きもしっかり見えて、まじで革命、めっちゃそこにいました。
あとはトロッコ! あれもすごいです!
バーチャルのみんながトロッコに乗って客席まできてくれるなんて想像もしなかったです。
そしてね、技術の進歩もさることながら、やっぱりライブ作品としてかっこいいのは月ノ美兎のソロライブだよ!!
4月に開催された、月ノ美兎2ndワンマンライブ「Paper Rabbit」。配信で拝見しました!
アルバムやライブのメインビジュアルから繋がるオープニング、そしてとにかく美しいセットリストの流れ! 曲演出! ゲスト! 可愛い美兎ちゃん! 全て、最高のおもてなし!! ね!!
ご自身で演出考えたと振り返り配信で言ってたね。
2次元にいながら3次元にいる私たちを肌で楽しませようとするアイデアから、絶対楽しんで帰ってほしいっていう気持ちが伝わってきてもうそれだけで、愛。加えてパフォーマンスからも、努力が滲み出るどころか溢れ出てて、涙。です。バーチャルライバーとしての品や美学を感じました。
今回遊ばせてもらった「アルクマルチバース」
ゲームがMV作品になってるなんて夢みたいです!
分岐の量に驚いたし、どのルートに行っても曲として違和感が無いし。面白いアイデアとそれを膨らませて形にするプロ達まじですごい。
また委員長が作るゲームが遊んでみたいです!
見守ってもらいながら遊べるなんてまじで贅沢でした。
3rdワンマンライブ開催もお願いします! 期待しています!
VTuber、バーチャルライバーって何ができるんだろうを発展させてきた沢山の人たちの愛をずっと見せてもらってます。
バーチャルライブ。エンタメの上昇気流です!(太字)(ドヤ顔)
月ノ美兎さん、にじさんじさん、ANYCOLORさん。この度はありがとうございました! これからも応援してます!
告知のコーナー
当連載を書籍化した「のっちはゲームがしたい!の本」がKADOKAWAより発売されました!
この本は連載バックナンバーのインタビューパートをまとめたもので、書籍限定の企画として「星のカービィ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの生みの親・桜井政博さんとの対談も掲載。さらに購入者限定特典として、ゲーム実況者のジャック・オ・蘭たんさんとの対談動画も観ることができます。
2020年に行われた月ノ美兎さんとの対談も収録されているので、ぜひご購入ください!
Perfume最新情報
日本テレビ系ドラマ「ちはやふる-めぐり-」の主題歌「巡ループ」を現在配信中。その「巡ループ」も収録されるアルバム「ネビュラロマンス 後篇」が、8月には配信・9月にはCDでリリースされます。また、メジャーデビュー20周年記念日の翌日にあたる9月22日と23日に東京・東京ドームで2DAYSライブを開催します。
