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「マクロスF」2人の歌姫がつむぐギャラクシーライブ、アンコールには驚きのゲストも

「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」の様子。
16分前2025年08月03日 8:07

シェリル・ノーム starring May'n、ランカ・リー=中島愛の2人によるコンサート「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」が7月26、27日に神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。この記事では2日目の模様をレポートする。

これは2008年放送のテレビアニメ「マクロスF」に登場するシェリル・ノーム starring May'n、ランカ・リー=中島愛による歌姫2人のコンサートで、「マクロスF」単独ライブとしては約4年ぶりの開催。本編の主人公・早乙女アルトの誕生日にあたる千秋楽公演では、会場に「マクロス」シリーズ史上最大規模だという約1万9000人の観客が詰めかけ、3時間を超える濃密かつ絢爛なショーを堪能した。

巨大なYF-29、天上の歌姫……ダイナミックな空間表現

会場に足を踏み入れた来場者たちの目にまず飛び込んできたのは、ステージ上に鎮座し風化した巨大なYF-29デュランダルバルキリー(ファイターモード)だ。YF-29は、異様な存在感を放ちながら静かに開演の時を待ち構えていた。ステージ両脇には計4基の砲台が設置されており、メインステージから滑走路のように伸びる花道の先、センターステージの床面にはS.M.Sのエンブレムがあしらわれている。さらにステージ背面には壁面を覆い尽くすほどの広大なスクリーンが設置され、シネマスコープの倍はあろうかというワイドな画面にさまざまな映像が映し出される仕組み。ライブ中は演奏やパフォーマンスのみならず、こうした舞台装置も大いに聴衆を「マクロスF」の世界観に没入させた。

開演時刻が近付き、客入れBGMの音量が少しずつ上昇していくと、それに合わせて客電がゆるやかに暗転。大量のスモークとレーザー光がステージを包み込み、おもむろに「サクリファイス」のアンビエントなイントロが場内に響きわたった。ピンクとグリーンに発光するペンライトを手にしたオーディエンスたちがステージに注目する中、ふいにアリーナ上手側のサイドバルコニー後方にスポットライトが照射され、1つの人影が浮かび上がる。その場所で「空の重さに 疲れたのね」と歌い始めたのは、言うまでもなくシェリル・ノーム starring May'nその人だ。

May'nはステージから遠く離れた位置で切実な歌声を丁寧に届けていく。まるで天上から歌が降りてくるかのような演出に聴衆がうっとり耳を傾けていると、今度はメインステージ下手にランカ・リー=中島愛が姿を現し、2人は時空を超えて心を通じ合わせるかのように遠距離で歌声を重ね始める。幻想的な舞台演出も相まって夢の中の出来事のような光景が繰り広げられ、Kアリーナの広大な敷地を効果的に活用したそのダイナミックな空間表現は、オーディエンスの度肝を根こそぎ抜き尽くしてみせた。

続く「時の迷宮」は中島がセンターステージで歌い、いつの間にか下手側のサイドバルコニーに移動していたMay'nと顔を向かい合わせて「この声 届いてますか」と遠隔デュエット。そして風化して壊れていたYF-29が本来の姿を取り戻し、きらびやかに輝きながら飛行高度を上げ飛び立つ豪快な演出とともに「トライアングラー(fight on stage)」を叩きつけ、オーディエンスの感情を爆発させて一気にボルテージをマックスにまで引き上げる。3段構えのオープニングで、彼女たちは華々しくライブの幕を切って落とした。

シェリル&ランカ、怒涛のステージ

「Welcome To My FanClub's Night!」からはシェリルのソロパートが展開。場内がピンクのペンライトの光で染まる中、「射手座☆午後九時Don't be late」などの人気曲が次々に投下される。「アイモ~鳥のひと」からは客席がグリーン一色に包まれるランカパートにスイッチし、「星間飛行」における「キラッ☆」の大合唱などでみるみるうちに客席をひとつにしていった。ここまで約1時間の内容がほぼノンストップで畳みかけられたのち、ライブはようやくこの日最初のMCタイムへ。

2人はリラックスしたムードでほがらかなトークを展開し、「マクロスF」が約17年前の作品であることや、この日がアルトの誕生日にあたることなどに言及。先日リリースされたオールタイムベストアルバム「娘々グレイテスト☆ヒッツ!」にも触れ、その限定盤に含まれるお互いの楽曲をカバーし合うカラオケ企画「デカルチャー歌合戦」のメドレーをここで披露することを告げると、観客からは大歓声が届けられた。

「pink monsoon」に始まり「ギラギラサマー(^ω^)ノ」で締めくくられた「デカルチャー歌合戦メドレー」を経て、アルトの操縦するYF-29と映像を絡めた大気圏突入シーンが上演されたのち、ライブは怒涛のラストスパートに突入。May'nと中島が入れ替わり立ち替わりパフォーマンスを披露し、多彩な衣装チェンジでも聴衆を魅了する。そして「サヨナラノツバサ ~the end of triangle」「ライオン」といった象徴的な楽曲でライブを完走した2人は、晴れやかな表情で舞台から立ち去った。

アンコールにまさかのゲスト!2059年の誓い

アンコールの大声援がKアリーナにこだまする中、グランドピアノを奏でる菅野よう子がせり上がりでステージに姿を現すと、客席からは一瞬のどよめきののち大きな歓声が沸き起こった。サプライズゲストとして登場した菅野は、May'nとともに「ダイアモンド クレバス」を、中島とともに「Songbird」を、それぞれピアノ伴奏のみでパフォーマンス。「ダイアモンド クレバス」では「妖精」の一節がアレンジとして取り入れられ、「Songbird」では中島とMay'nがアウトロで「愛・おぼえていますか」の「I love you, so」のフレーズを歌い上げた。パフォーマンス後、May'nと中島がステージで菅野と共演するのは実に15年ぶりだといい、3人は口々に「あの頃にタイムスリップしたみたい」と感慨深げに語って表情をほころばせる。そして菅野がショルダーキーボードを抱え、テレビシリーズの最終話を飾った「娘々サービスメドレー」をこの日のラストナンバーとしてバンドとともに大々的に披露した。

すべての演目を終え、ステージに2人残ったMay'nと中島はオーディエンスに向けて最後の挨拶。May'nは15歳でデビューした当時を振り返り、当初は「生きるために歌わない」と固く心に誓っていたことを打ち明ける。しかしその後シェリルと出会ったことで「歌うために生きていく」という新たな指標を得られたのだと涙ながらに述懐。「ステージで歌うとき、最高の景色を皆さんに見せてもらえることで『ここで死んでもいいな』と思える。だけど同時に『だからこそ死ねないな』とも思います。これからも自分の音楽人生をかけて、シェリル・ノームの歌を生かしながら生きていくことを誓います!」と告げ、盛大かつ温かな拍手を呼び込んだ。

続いて中島もデビュー当時について語り、事務所から「絶対にグループには入れない。あなたは絶対ソロ」と断言されたという過去をユーモラスに明かして笑いを誘いつつ、May'nとは対照的に「私はずっと生きるために歌ってきた」と吐露。正反対のタイプとも言えるMay'nとの出会いが「一番の宝物」だという中島は、「いつも『自分は1人だ』と思ってた私を『1人じゃない』と思わせてくれる『マクロスF』のみんなとMay'nちゃん、そしてシリーズを愛し続けてくれている皆さんのおかげで、今日私はここにいます。本当に本当にありがとうございました!」と涙ながらに頭を下げた。

最後に2人は「マクロスF」の舞台である「2059年」まで歌い続けることを改めて誓ったのち、結びの言葉として「これからも、私たちの歌を聴けー!」のキメフレーズをユニゾン。固い握手と抱擁を交わし、手をつないでステージをあとにした。

セットリストト

「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ☆ファイナル 2025」2025年7月27日 Kアリーナ横浜

01. サクリファイス
02. 時の迷宮
03. トライアングラー(fight on stage)
04. Welcome To My FanClub's Night!
05. What 'bout my star?
06. ノーザンクロス
07. 射手座☆午後九時Don't be late
08. アイモ~鳥のひと
09. ねこ日記
10. アナタノオト
11. 星間飛行
12. What 'bout my star?@Formo
13. デカルチャー歌合戦メドレー
14. そうだよ。
15. 永遠
16. ユニバーサル・バニー
17. 虹いろ・クマクマ
18. オベリスク
19. 放課後オーバーフロウ
20. サヨナラノツバサ ~the end of triangle
21. ライオン
<アンコール>
22. ダイアモンド クレバス(Piano ver.) with 菅野よう子
23. Songbird(Piano ver.) with 菅野よう子
24. 娘々サービスメドレー with 菅野よう子

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