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Base Ball BearとGalileo Galileiがライブハウスで再会、1年ぶり2度目の夏は“素の殴り合い”

「ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei” -2025- 東京」の集合写真。(撮影:タマイシンゴ)
22分前2025年08月07日 3:04

ライブナタリー主催によるBase Ball BearとGalileo Galileiのツーマンライブが8月1日に大阪・梅田CLUB QUATTRO、3日に東京・Spotify O-EASTで開催された。本稿では東京公演の模様をレポートする。

昨年8月にSpotify O-EASTで開催されたライブナタリー企画で初めて実現したBase Ball BearとGalileo Galileiのツーマンライブ。ライブナタリーは「ピークを更新し続ける2組の“今”を感じ取ってほしい」という思いから再びツーマンを企画した。チケットは大阪、東京いずれもソールドアウト。昨年はお互いのカバーも熱狂を呼んだが、今年は両バンドともに自分たちの楽曲のみでセットリストを構成し、約1時間ずつパフォーマンスを展開した。なおGalileo Galileiは岩井郁人(G)がやむを得ない事情で出演見合わせとなり、尾崎雄貴(Vo, G)、尾崎和樹(Dr)、岡崎真輝(B)にサポートメンバーのDAIKI(G / BBHF)を加えた4人編成で出演した。

Galileo Galilei

フィードバックノイズが轟き、ストロボライトが点滅する中、Galileo Galileiは「MANTRAL」でライブを開始。スケール感のあるサウンドと力強い歌声で聴衆の心をつかむと、続いてワイルドなロックチューン「CHILD LOCK」を畳みかける。「SPIN!」ではGalileo Galileiおなじみのグッズ「すずめちゃんペンライト」と、本公演の公式グッズのタオルを観客が頭上でくるくる回して会場がひとつに。さらに「リトライ」「バナナフィッシュの浜辺と黒い虹」が披露され、観客は彼らの紡ぐ詩的な世界観と、雄貴の伸びやかな歌声、サックスなどの同期を交えた豊かなサウンドを堪能した。

「Base Ball Bearとの対バンが今回も実現しました。こんなにたくさんの方に来ていただきうれしく思います。ありがとうございます」と挨拶した雄貴は、「トップバッターで、満塁にしておこうかと思います」と意気込む。「UFO」でライブを再開させると、続いてGalileo Galileiは2016年発表のアルバム「Sea and The Darkness」の楽曲を連発。歌詞とギターリフが妖艶に響く「ウェンズデイ」、激しい演奏と叫ぶようなボーカルが気迫に満ちた「ブルース」、たゆたうギターが幻想的な「燃える森と氷河」と、ダークな世界観で貫きながらも幅広い音楽性で観客を魅了し、演奏を終えるたびに歓声を浴びた。キャッチーなメロディの「色彩」で幸福感が広がったのち、披露されたのは「青い血」。再び場内がほの暗いムードに包まれ、4人の研ぎ澄まされた演奏に喝采が送られた。

2016年の活動終了直前、そして2022年の再集結以降に発表した楽曲をメインに、MCをほとんど挟まずストイックなライブを展開したGalileo Galilei。「……大丈夫ですかね」と観客の様子を伺った雄貴は、大きな拍手を浴びると「バットを思い切り振って空振ったような気がしますが……あとはBase Ball Bearに託しますか!」と言い放ち笑いを誘った。そして彼らは最後に「星を落とす」で壮大なサウンドスケープを描き、Base Ball Bearへとバトンをつないだ。

Base Ball Bear

Base Ball Bearはこの時期らしい人気曲「BREEEEZE GIRL」を1曲目にチョイスし、のっけから観客を沸かせる。さらに小出祐介(Vo, G)がカッティングとラップを繰り出すグルーヴィなナンバー「The Cut」が盤石のアンサンブルで奏でられ、場内の熱気が急上昇した。「ご来場ありがとうございます」と挨拶をした小出は、「先ほどGalileo Galileiに満塁にしていただきました。でも、こうは考えなかったのかな? 俺が野球のルールを全然知らないって……」と続けて笑いを起こす。「俺はどうすればいいの?」と言う彼に、堀之内大介(Dr, Cho)が「お客様に対してホームランを打ちゃいいんだよ!」と答えるとフロアから歓声と拍手が送られた。そんな和やかなやりとりを経て、甘酸っぱい世界観の「short hair」でライブが再開。さらに「SCHOOL GIRL FANTASY」「Transfer Girl」というみずみずしいナンバーが連続し、場内が心地よい清涼感に包まれた。

「Galileo Galileiはいいバンドだなあ」「まじめに音楽を作っているのが本当に偉い」としみじみ語った3人。関根史織(B, Cho)が「このあと、楽屋の延長みたいなMCをするバンドが出てくるよ?と思った」とほとんどMCを挟まなかったGalileo Galileiのステージを振り返ると、小出が「MCがひと言だけって、自分だったら怖くて仕方ない。新曲の告知もしなかったよね? かっけえな……」、堀之内が「うちらは無理だな。ストロングすぎる!」と彼らのスタイルを口々に称賛した。その後、リリースを目前に控えた新曲「夏の細部」でライブ後半をスタートさせたBase Ball Bear。歪んだベースを起点にした物憂げかつ衝動的な「悪い夏」、疾走感あふれるリズムと美しいハーモニーの「senkou_hanabi」を畳みかけフロアにハンズアップを巻き起こす。夏らしい楽曲が連発されたBase Ball Bearのステージのラストを飾った楽曲は「ドラマチック」。昨年のツーマンではGalileo Galileiがカバーし、Base Ball Bearがアンコールで演奏したこの曲で会場全体がひとつになった。

ライブ終了後、Base Ball BearとGalileo Galileiは再びステージに姿を見せ、お互いの熱演をたたえ合う。その中で小出が「今回はカバーをやらずに“素の殴り合い”だったわけですが、来年はコラボとかやりたいね。まだ来年があるかわからないけど」と語り、それに雄貴が「一緒にステージに立ちたいです」と答えるひと幕もあった。そんな次回の開催への期待がふくらむ言葉が交わされ、Base Ball BearとGalileo Galileiの1年ぶり2度目の夏は幕引きとなった。

なおBase Ball Bearは「夏の細部」、Galileo Galileiは新曲「青陽潮」をそれぞれ昨日8月6日に配信リリースした。

セットリスト

「ライブナタリー “Base Ball Bear × Galileo Galilei” -2025- 東京」2025年8月3日 Spotify O-EAST

Galileo Galilei

01. MANTRAL
02. CHILD LOCK
03. SPIN!
04. リトライ
05. バナナフィッシュの浜辺と黒い虹
06. UFO
07. ウェンズデイ
08. ブルース
09. 燃える森と氷河
10. 色彩
11. 青い血
12. 星を落とす

Base Ball Bear

01. BREEEEZE GIRL
02. The Cut
03. short hair
04. SCHOOL GIRL FANTASY
05. Transfer Girl
06. 夏の細部
07. 悪い夏
08. senkou_hanabi
09. ドラマチック

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