JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイト「ジョイオンプー」LINEスタンプ販売中

金子ノブアキがアーティストとしての矜持示した「Leave the Negatives」、音楽×映像で観客を魅せる

金子ノブアキ(Photo by Junji Hirose)
約1か月前2025年08月25日 13:01

金子ノブアキが8月17日に大阪・Yogibo META VALLEY、21日に東京・WOMBでワンマンライブ「Nobuaki Kaneko Showcase 2025 "Leave the Negatives"」を開催した。

ソロアーティスト・金子ノブアキのスタンス

金子と言えば、1997年に結成されたRIZE、自身が発起人となったRED ORCAにおいてバンドの屋台骨を担うだけでなく、AA=や山嵐、YEN TOWN BAND、吉井和哉といった数多くのアーティストのサポートを務めるなどドラマーとして多角的に活躍。躍動感あふれるエモーショナルなプレイに定評があり、ドラマーとしてのキャリアは30年近くにおよぶ。そんな彼が新たな試みを始めたのが約1年前。自身の生ドラムとさまざまなテクノロジーを融合させた楽曲の制作と、たった1人でステージに立ちパフォーマンスをする実験的なライブを通して、金子ノブアキというアーティストの現在地を示している。この記事では、金子にとって2度目となったショーケースライブより東京公演の模様を紹介する。

曲ごとに異なる景色を描くドラム

舞台の下手に存在感たっぷりに鎮座するドラムセット、「LEAVE THE NEGATIVES」という金子のメッセージをさまざまなフォントで映し出す3面の大型LEDスクリーン、爆音で流れるトライバルなダンスミュージック──。フロアに足を踏み入れた観客を待ち受けていたのは、これから始まるライブの内容を示唆するような視覚と聴覚の両方を刺激する演出。不意にSEのボリュームが上がりいよいよ開演と思われたとき、静寂が会場を支配する。しかし、次の瞬間には透明感ある女性ボーカルが緊張した空気をほどくように響き、金子がドラムセットの前へ。美しいフォームで勢いよくスティックを振り下ろすと、7月にリリースしたばかりの「Respect & Rise」でライブの口火を切った。

清水康彦が作り出した映像を横に、脇目もふらずドラムと向き合い、一打一打に力を込める金子。その一挙手一投足にフロアを埋め尽くすオーディエンスは見入り、抑圧された感情を解き放つように喜びをにじませた歓声を上げる。ヒップホップ的なアプローチを聴かせる「FZKJNY」では、享楽的なサウンドとともに近未来的な映像がスクリーンに投影され、WOMBをダンスフロアへと変えていく。時間の経過とともに場内の開放感が強まる中、金子は「おかげさまでWOMBに帰還できました」と、笑みを浮かべながら放つ言葉に充実感をにじませる。さらに「今日は撮影OKなんで、一緒に(曲)を育てていってください」と述べると、最新曲「Morpho Effect」へとつなげた。この曲では、現代アーティストNAGONによる書と金子のドラミングが融合。まるで生きているかのように躍動する書に、ダイナミックなビートが重なりオーディエンスの興奮を煽る。一転して「Weather & Seasons」で金子は大自然に息づく動物たちの映像を横に、繊細な手つきでグルーヴを紡ぐなど、楽曲ごとにプレイスタイルを変え、異なる景色を描き出していった。

オーディエンスを鼓舞させるクライマックス

ライブが後半戦に突入すると、金子のプレイはますます研ぎ澄まされ、それに比例してWOMB内の熱気も上昇。「旅を続けよう」というフレーズが象徴的に響く「Sad Horses」では、荒廃した世界の中で生き抜く戦士たちの姿がスクリーンに投影される中で、金子のダイナミックなドラムが響いた。タイトルの通り、終始ポジティブなムードが漂っていた「Nobuaki Kaneko Showcase 2025 "Leave the Negatives"」の中で、一際大きな盛り上がりを見せたのが「Historia」。眩いほどの光が金子を包み、スクリーンにシルエットがくっきりと浮かび上がる。その表情は見えないものの、全身からエネルギーをほとばしらせ、力強くスティックを振り落とす姿からは生命力が立ち上り、オーディエンスを鼓舞させた。

本編は「Fin - Orca」をもって大団円を迎えたが、観客の熱烈なアンコールの呼ばれ金子は再びステージへ。「アンコールは予定してなかったのでマジでうれしいです」と照れ臭そうに笑った彼は、「周りへのリスペクトをどう表現しようと思ったら1人でやるしかないってなった」とソロプロジェクトを始動した経緯を説明。最後に「Living Dead Riot」を全力で届け、ステージをあとにした。テクノロジーを駆使しつつも、それに寄りかかることなく、己の肉体の可能性をも追求し続ける金子。「Nobuaki Kaneko Showcase 2025 "Leave the Negatives"」はそんな彼のアーティストとしての矜持を表明する一夜となった。

セットリスト

「Nobuaki Kaneko Showcase 2025 "Leave the Negatives"」2025年8月21日 WOMB

01. Respect & Rise
02. Keraunos
03. Stanta Destroy
04. FZKJNY
05. Morpho Effect
06. Weather & Seasons
07. Lobo
08. Glory
09. Hands Together
10. Sad Horses
11. Call My Name
12. Historia
13. Fin - Orca
<アンコール>
14. Living Dead Riot

関連記事

Mrs. GREEN APPLE

ミセス、ヒゲダン、セカオワ、aikoら出演!30周年の「ラブシャ」8万5000人が来場

25日
終演直後のSUN STAGEの様子。

石狩湾を熱狂で包んだ25回目の夜明け、「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO」2日間をレポート

約1か月
金子ノブアキ

金子ノブアキ、夢を掴むために舞い上がる気高き魂への讃歌「Morpho Effect」発表

約2か月
「WHAT IS JAM? Vol.10」フライヤー

PATAがついに復帰「熱いライヴを届けられたらいいなぁ!」SUGIZO率いるSHAGライブに出演

約2か月
TENBLANKスペシャルカット

布袋寅泰、AI、大橋トリオらがNetflix「グラスハート」を絶賛「すべてのロッカーに捧げたい」

約2か月
金子ノブアキ

金子ノブアキが本日新曲配信、“Respect & Rise”で分断の連鎖を断ち切ろう

2か月
「MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!! 25」出演者

「モンパチフェス」にWEST.、オーラル、WANIMAら5組追加!全17組の出演者が確定

2か月
「緊急企画『100% Japan 仲間大集合!』Bye-Bye Brya」告知ビジュアル

ブライアン・バートンルイスのサヨナラパーティにCornelius、RIZE、砂原良徳、WRENCHら

3か月
「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO」ロゴ

「ライジングサン」タイムテーブル公開、今年のクロージングアクトはSHISHAMO

3か月