僕が見たかった青空のライブイベント「僕青祭2025」が10月18日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催された。
「僕青祭」は“学園祭”をテーマに掲げたイベントで、昨年に続いての開催となった今回は昼夜2部構成で実施。僕が見たかった青空は通常のライブとはひと味違う、さまざまな演出や企画でファンを楽しませた。また10月末をもってグループを離れる山口結杏の卒業セレモニーも行われた本公演の模様はTikTokで生配信され、会場に来られなかったファンたちにも会場の熱気と感動が届けられた。この記事では、山口の卒業前ラストステージとなった第2部公演の模様をレポートする。
僕青の学園祭、今年もフレッシュに開幕
秋田莉杏と岩本理瑚による元気いっぱいの影ナレ、そして袴姿の伊藤ゆずによる書道パフォーマンスの映像を経て、机と椅子が並んだステージにメンバーが登場。学校のチャイムが鳴り、早﨑すずきの「僕青に夢中になってください! 『僕青祭』2部始まるよー!」という言葉から、彼女がセンターを務める「空色の水しぶき」でライブはみずみずしく幕を開ける。机と椅子を使った演出で観客を一気に引き込み、「友よ ここでサヨナラだ」で山口が「今日はここにいる皆さんのことを私たち全員で幸せにします! 忘れられない最高の時間を作っていきましょう」と呼びかけると、会場には早くも一体感が生まれた。デビュー曲「青空について考える」では大きなコールが沸き起こり、「あの頃のトライベッカ」ではオレンジ色の照明の中、ダブルセンターの八木仁愛と杉浦英恋を中心にエモーショナルなステージが繰り広げられた。リーダーの塩釜菜那から意気込みを聞かれた山口は「この2年間、活動してきた中での思いや気持ちをパフォーマンスに全部ぶつけて皆さんにお届けしようと思います」と挨拶。青木宙帆は今回のライブが学園祭コンセプトということから学園祭にまつわるエピソードを披露してファンを喜ばせた。
次のブロックでは、青空組と雲組がオリジナル編成で交互にパフォーマンスを展開。まず青空組が一途で甘酸っぱい恋心を描いた「スペアのない恋」をさわやかに歌い上げる。対する雲組は「涙を流そう」で、誰かの心にそっと寄り添うような温かいメッセージを送る。ここで次の曲に向けたミニコントへ。ダンススキルの高さに定評がある八木のターンがなかなか決まらないという設定のコントだったが、観客からの熱い声援を受け、ターンが無事成功。そのまま青空組が「好きすぎてUp and down」をキレのあるパフォーマンスで披露すると、続く雲組もそれに負けまいと熱量たっぷりに「初めて好きになった人」を届けた。
「僕青祭」ならではの企画続々
安納蒼衣、西森杏弥、工藤唯愛による学校をテーマにした妄想トークで会場が和んだのち、ダンス部による学園祭ブロックへ。昨年の「僕青祭」ではメンバーが3つの“部活”に分かれ、それぞれ異なるパフォーマンスを披露したが、今年はメンバー22名で「竹取物語」をテーマにした特別演目に挑戦した。和装に身を包んだ彼女たちは、和傘や障子、扇子を巧みに使いながら、Zeppのステージに幻想的な“和”の世界を作り上げていく。これまでもLEDパネルを使った演出などで観客を驚かせてきた僕青だが、今回は繊細な動きと表情で魅せるステージングでファンを圧倒した。パフォーマンス後、かぐや姫の身の回りの世話をする侍女を演じた金澤亜美と吉本此那の所作を須永心海が絶賛。練習中のエピソードを明かし、会場の笑いを誘う場面もあった。
続いては、昨年も好評を博したファッションショー企画。この公演では早﨑、工藤、杉浦がそれぞれプロデューサーとなり、今井優希、八木、塩釜をコーディネートした。人形を意識したフリフリなコーデの今井、イマドキのガーリーファッションに身を包んだ八木、そしてローラースケートにグラサン姿、三つ編みに風船を結び付けた塩釜と三者三様の個性が炸裂。ファン投票の結果、ニコラ専属モデルでもある工藤のセンスが光った工藤&八木チームが見事優勝を果たした。
青春はいつでもほろ苦い
早﨑、工藤、須永からクリスマスイベントの開催や、今回の「僕青祭」がABEMAで無料配信されることなど、うれしいニュースが告げられると、ライブはいよいよ終盤戦へ。「暗闇の哲学者」「真っ白に塗り直せ!」と、僕青のシリアスでクールな一面を感じさせる楽曲が続き、コール&レスポンスや長谷川稀未による振付レクチャーを経て披露された「青空ディスコティック」では、場内がクラブさながらの熱気に包まれた。この日集まったファンに改めて感謝を伝えた八木は、これが山口との最後のステージになることに触れ、「寂しいなと思いながら1曲1曲を披露したんですけど、ライブって楽しむものだと思うので、私はここまで全力で楽しみました」と思いを語った。ラストは22名が合唱部として届けた「炭酸のせいじゃない」。別れの訪れとともに感じる青春のほろ苦さを歌ったこの曲で、メンバーは互いに目を合わせながら丁寧に歌声を重ね、ミラーボールの光が降り注ぐ中、美しいハーモニーを響かせた。
山口結杏が卒業前最後のスピーチ
アンコールでは今回がラストステージとなる山口の卒業セレモニーが行われた。2023年6月のグループ始動以来、初の卒業メンバーとなる山口。「ちゃんと気持ちを伝えたい」と事前に思いを手紙にしたためてきた彼女は、これまでのアイドル活動を振り返った。2年間ともに活動してきたメンバーに対し、山口は涙をこらえつつ「いろんな気持ちを抱えながら今この場所に立ってるみんなを私は本当にカッコいいと思うし、心から尊敬しています。どんな時間にも終わりがあるけど、だからこそ今を信じて、思いっきり楽しんで突き進んでいってほしいです」とまっすぐな思いを伝える。最後は「私は本当にみんなのいるグループが大好きで、そしてこのグループと私と出会ってくれた皆さんのことがずっとずっと大好きです。皆さんと直接会うことができるのは今日が最後ですけど、31日まで私は“僕が見たかった青空の山口結杏”なので、それまでたくさん一緒に笑って過ごしましょう」とメンバーとファンに目一杯の愛を伝え、スピーチを締めくくった。
そのあとに披露された「あの日 僕たちは泣いていた」「マイフレンズ」では、涙を浮かべながら歌うメンバー、笑顔を見せようと努めるメンバーなど、22人それぞれの思いが交差。「マイフレンズ」では山口が「皆さんと過ごした時間は私にとって宝物です。今までたくさんの愛を本当にありがとうございました。これからはこの思いを胸に自分の道をまっすぐに進んでいきます。これからもずっとずっとみんなのことが大好きだよ」と改めてファンに語りかけ、八木が「結杏ちゃん、ありがとう!」と振り絞るように叫ぶひと幕も。楽曲の終盤、山口はリーダーの塩釜と副リーダーの柳堀花怜と並び、グループを離れても続く絆を確かめ合った。
最後はメンバーを代表し、塩釜が山口とファンに向けてメッセージを届ける。塩釜は、山口の卒業を聞いたときに「このグループどうなるんだろう」と不安になったと当時の心境を明かしつつも、「結杏ちゃんがいなくなって寂しさが残る僕青じゃなくて、もっともっと前に進めるような強いグループになりたい」「結杏ちゃんが将来、誰かと幸せになったり、友達とお酒を飲んだりしているときに『私、僕青に入ってたんだ』って自慢できるようなグループになりたい」と決意を新たにした。
感動的なムードに会場が包まれる中、ラストを飾る「好きになりなさい」の晴れやかなイントロが流れ始める。メンバーに卒業を伝えた際、「明るく終わりたい」と話していた山口。その言葉を体現するように、会場には色とりどりの風船が舞い、岩本理瑚がバク転を決めるなど、最後まで僕青らしい明るいステージが繰り広げられた。エンディングでは山口を中心にメンバーがぎゅっと密着。温かい歓声と拍手を浴びた彼女たちは全員笑顔で今年の「僕青祭」に幕を下ろした。
セットリスト
「僕青祭2025」2025年10月18日 KT Zepp Yokohama
01. 空色の水しぶき
02. 友よ ここでサヨナラだ
03. 青空について考える
04. あの頃のトライベッカ
05. スペアのない恋
06. 涙を流そう
07. 好きすぎてUp and down
08. 初めて好きになった人
09. 学園祭ブロック(和パフォーマンス)
10. 暗闇の哲学者
11. 真っ白に塗り直せ!
12. コール&レスポンス
13. 青空ディスコティック
14. 炭酸のせいじゃない
<アンコール>
15. あの日 僕たちは泣いていた
16. マイフレンズ
17. 好きになりなさい
僕が見たかった青空「僕青祭2025」配信情報
ABEMA SPECIAL 2チャンネル 2025年10月25日(土)21:00~23:30
配信URL:https://abema.go.link/hjbI3
