テレビアニメ「神の雫」の制作発表会が本日11月20日に東京・ポニーキャニオンにて行われ、主演声優を務める亀梨和也と糸曽賢志監督が登壇した。
「神の雫」は亜樹直が雑誌「モーニング」で連載していた同名マンガを原作としたアニメ作品。アニメの主演声優に選ばれた亀梨は、2009年に実写ドラマで主人公・神咲雫を演じており、16年という時を経てテレビアニメ版の神咲雫の声優を担当する。亀梨にとって実写ドラマとテレビアニメで同一の主人公を演じるのはこれが初めてだ。
テレビアニメ版の雫役に亀梨を抜てきした理由について、糸曽監督は「まず、実写で演じた方がアニメで演じるというのは、ユニークだしあまりないことで」と切り出し「僕自身、雫に亀梨さんのイメージがついていたので、会議の場で『ぜひ亀梨さんでお願いできないか』と。ただ、会議室がシーンとなりました(笑)。毎週録るものですし、果たして亀梨さんにそういうお願いができるのか?と。そこをスタッフ陣が僕のわがままに付き合ってくれて、走り回ってくれて……」とオファーの経緯を明かす。これに亀梨は「自分が(アニメ版の)雫としてお話をいただけるとは思っていなかった」と率直な思いを漏らしつつ「初めてのことだらけで、自分に務まるのか?という面を含めて悩ませていただきました。ただ、またお話をもらえるということにご縁を感じたので、技術面含めて向き合えるところに行けたらいいなと思い、何度もディスカッションさせていただきました」と、熟慮の末に声優を務めることになった経緯を語る。
テレビアニメのアフレコ作業は「初めてだったので、最初はガチガチで、右も左もわからない状態だった」という亀梨。「最初のアフレコの日は亜樹先生とずっとLINEでやりとりして。『到着しました』『大丈夫か?』『大丈夫じゃないかもしれないです』みたいな感じで(笑)」と臨場感たっぷりに緊張の初体験を回顧しつつ「ただそこは、ピュアで魅力的な雫というキャラクターの力を借りて。自分もピュアなところから素敵に(技術を)身に付けていけたらいいなと思いながらやっています」と収録に臨む思いを明かす。
そうやって亀梨自身が謙虚な姿勢を見せる一方で、糸曽監督は亀梨が本職の声優陣とまったく同じスタイルで日々のアフレコ収録を行っていることを報道陣に伝え、その成長ぶりを絶賛。すると亀梨は「何も気付かずやってます。見よう見まねです」と照れ笑いし「最初は特別ルールで1本のマイクを“雫専用”にしてもらっていたんですが、最近は皆さんと一緒に動きながらマイクの前に立つようになりました。本当にちょっとずつですね。半年くらい経って、少しずつ仲間の中に入っていけてるかな?」と続ける。そして、アフレコ現場の空気感について「休憩時間の前室とか、学校みたいに和気あいあいとした感じなんですが、もうアニメを観ているような感じなんですよ(笑)。テレビや映画で聴いたことのある声の声優さんがたくさんいらっしゃるので、『あの声は!』『この声は!』みたいな感じ。最初は『すごいところに来たな』と思ってました。楽しくやらせてもらってます」と瞳を輝かせながら語った。
トークセッションの中では、糸曽監督から亀梨の“らしさ”を感じるエピソードが語られる場面も。「僕たちしか知らない話を2つほど……」と切り出した糸曽監督は、雫が怒る演技をリクエストした際、亀梨が必ず舌打ちをするという秘話を明かす。「亀梨さんと言えば『REAL FACE』の舌打ちのイメージがありますが、怒る演技で必ず舌打ちをするから、現場では“舌打ち禁止令”が出ました。『あ、KAT-TUN出たね、もう1回』って(笑)」と説明する監督に、亀梨は「もう癖ですね、あれは」と苦笑い。さらに糸曽監督は「女性キャラと対話するシーンの亀梨さんの演技が色っぽくて、『大人すぎるので抑えてもらって』とリクエストしたら、亀梨さんが『最近KAT-TUNのライブリハが多すぎて。KAT-TUN出ちゃってました』とおっしゃって」と裏話を披露。このエピソードにも亀梨は少し照れた様子を見せつつ「大人っぽいシーンがけっこうあるので、そこらへんの強弱をつけるときに“亀梨”が出てしまうときがあって。『亀梨強すぎです』って言われることもありますね」と返した。
会見の終盤には、本日がボージョレヌーボーの解禁日であることから、実際にワインを開けて壇上で糸曽監督と乾杯した亀梨。持参したソムリエナイフを使い、鮮やかな手さばきでボトルを開けた彼は、ワインを口に含むと「すーっと入っていくんですけど、香りを強くしっかりと感じさせてくれるワインだなと。濃いけど二層になって楽しめると言うか」と、深いワイン愛を感じさせる感想を伝えた。最後の挨拶で亀梨は「『神の雫』という作品の世界観を通じて、さまざまな景色を旅することができたらいいなと思っています」とコメント。そして集まった報道陣へ向け「ぜひこの作品の香りを感じていただけるような、情景が浮かぶような表現で世界に届けてもらえたら」とリクエストし、会見を結んだ。
テレビアニメ「神の雫」は2026年にTOKYO MX、関西テレビ、BS日テレにて放送される。
©亜樹直・オキモト・シュウ・講談社/TVアニメ「神の雫」製作委員会


