友成空が多彩な音楽性を示した初ツアー「僕はこれからも音楽を届け続けます」

友成空のツアー「友成空 1st ONEMAN TOUR」の最終公演が11月27日に東京・WWW Xで行われた。

今年11月に初のアルバム「文明開化 - East West」を配信リリースした友成。「友成空 1st ONEMAN TOUR」は彼にとって初めてのツアーで、東名阪の3会場にて開催された。

友成は「グッドモーニング」でしっとりとライブをスタート。鍵盤を鳴らしながらR&Bテイストの楽曲を歌い上げ、場内に切なく美しい空気をもたらす。かと思えば「TSUMI」ではサイケデリックな色味の照明の中でハンドクラップを巻き起こし、その音楽性の振れ幅をいきなり見せつけた。「睨めっ娘」では「別品さん手を上げて！」とフロアを煽り、会場に独特のグルーヴを作り出していく。MCに入ると彼は「僕の曲を聴いている3分とか4分が、みんなにとって幸せな時間になったり、心を動かす時間になって、それで自分の人生という時間が好きになったらいいなと思って曲を作ってます」と、音楽に懸ける真摯な思いを言葉にした。

その後もゴスペルチックな「I LOVE ME!」で合唱を発生させ、和テイストの「宵祭り」でノスタルジックな空気に観客を浸らせるなど、多彩なパフォーマンスを繰り広げる友成。盆踊りのような動きでしばし観客とのコミュニケーションを楽しんだあとは、自身のルーツの1つでもあるAORからの影響を感じさせる「5号線」「メトロ・ブルー」をクールに歌い上げ、動と静を行き来するステージで観る者の心を揺さぶり続ける。中盤には「改札」「看板」「コーヒー」が連続で弾き語られ、内面を吐き出すような情感たっぷりの歌唱に観客は酔いしれるように聴き入った。

ライブが終盤に差しかかった頃、友成は「ベルガモット」でフロアを揺らし、「ウィスキー、ロックでひとつ。」でまるで場末のバーのようなムードを醸し出す。「月のカーニバル」のサンバのリズムで客席をほのかに波立たせたのち、彼は「黄色信号」「アリババ」を怒涛の勢いでパフォーマンス。続く「white out」で静謐な空気を作り出し、ラストに「咆哮」を披露。フロアにたくさんの拳が掲げられる中、力強い歌声を轟かせた。

アンコールは、映画「君がトクベツ」の劇中アイドル・LiKE LEGENDに提供した「YOU ARE SPECiAL」のセルフカバーでスタート。キーボードの音色に凛とした声を乗せて届ける。そして2月にリリース予定だという新曲「ノーマル」を披露し、伸びやかな歌声をじっくり聴かせた。ラストに彼は、すっかり名詞代わりとなったヒット曲「鬼ノ宴」をパフォーマンス。重低音の効いたトラックに乗せて軽やかな歌声を届け、ライブを閉幕へと導いていく。最後に彼は、“間違い”から始まったという自身の創作活動を振り返りながら「自分が数年前こうなってるって知りませんでした。でもなんだってありなんだなって気付かされて。それを気付かせてくれたのは、みんなのおかげなんです。恩返しにみんなに『なんでもできるんだ』って思ってほしくて。だから僕はこれからも音楽を届け続けます」と涙を堪えつつ語り、ツアーの幕を下ろした。

セットリスト

「友成空 1st ONEMAN TOUR」2025年11月27日 WWW X

01. グッドモーニング
02. TSUMI
03. ACTOR
04. 睨めっ娘
05. I LOVE ME!
06. 宵祭り
07. 5号線
08. メトロ・ブルー
09. ベッドルーム
10. 改札
11. 看板
12. コーヒー
13. ベルガモット
14. ウィスキー、ロックでひとつ。
15. 月のカーニバル
16. 黄色信号
17. アリババ
18. white out
19. 咆哮
20. YOU ARE SPECiAL
21. ノーマル
22. 鬼ノ宴