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HACHI、ニューアルバムの新曲を惜しみなく披露!力強い歌声で観客の心を揺らす

「HACHI Live Tour 2025 “Unlockture”」神奈川・カルッツかわさき公演の様子。(Photo by Kenta Umeda)
9分前2025年12月19日 10:05

バーチャルシンガーのHACHIが12月12日に神奈川・カルッツかわさきでワンマンライブ「HACHI Live Tour 2025 “Unlockture”」を開催した。

公演タイトルの「Unlockture」は「鍵を開ける」という意味の“Unlock”と「序章」という意味の“Overture”を掛け合わせた造語。「⾃⼰開⽰」をコンセプトにした4thアルバム「Revealia」が2月11日にリリースされるのに伴い、その序章として今回の公演が企画された。HACHIは初披露の新曲を6曲も含むフレッシュなセットリストでライブを展開。会場に集まった大勢のファンを夢中にさせた。

新曲を惜しみなく披露「びっくりしたでしょ?」

暗闇からまっすぐに伸びたスポットライトに照らされ、HACHIが神々しくステージに登場する。4thアルバムから先行配信されている「To Be Alive」のイントロが流れると、客席に続々と黄色い光が灯り始めた。優しくも存在感のあるHACHIの歌声が響き、一気に聴衆を掌握する。1曲目が終わると、間髪をいれずに濃厚なバンドサウンドの「fragment」がスタート。新曲「∞」も序盤に披露され、新譜への期待感が広がった。

開幕から3曲を歌い終えたところで最初のMCへ。HACHIは「皆さーん! こんにちはー!」と、先ほどまでの濃厚なパフォーマンスからは想像できない、元気いっぱいの挨拶で観客にギャップを感じさせ、「1年越しのワンマンライブ、こうして皆さんとお会いできて本当にうれしいです」と切実に喜びを表現した。また彼女が序盤に歌い上げた3曲のタイトルを読み上げ、「初公開の新曲が2つもありました。びっくりしたでしょ?」と問いかけると、盛大な拍手がホール内を包み込んだ。

MCの終わりに「とてもいい音響で楽曲を楽しんでいただけると思います。存分に浸っていただけると思います」と期待を煽ったHACHIは、「Brand New Episode」でパフォーマンスを再開する。新曲やライブ初披露の楽曲で新たな魅力を提供しつつ、2ndアルバム「Close to heart」の収録曲「まなざし」「いつまでも」も歌唱。今回のライブは多数の新曲に加え、これまでHACHIがリリースしてきた楽曲を網羅的に堪能できる構成になっているのが特徴だ。続いて披露された「√64」はアコースティックサウンドの優しい楽曲で、ダンサブルな始まり方を見せた「Brand New Episode」からのギャップを観客に印象付けた。

ファンが聴き慣れた曲やチルなナンバーも

その後、HACHIは改めて新曲の多さに触れながら「安心してください、次はみんなが聴き慣れたあの曲たちを歌わせていただきたいと思います」と前置きすると、「空が待ってる」を披露。軽快なビートに合わせて手拍子が刻まれ、ペンライトも揺れ動く中でグルーヴ感が生まれる。ライブ前半とは異なる、新鮮な世界観が場内に広がった。そこから「ビー玉」「夏灯篭」「万華鏡」と続き、ペンライトの光が青から赤へと変わりながら輝く。どこかノスタルジーを感じさせるライブが展開された。そして少し間が空いたあとに「Rainy proof」がスタートし、ホール内の熱気がまた一段と上昇。「HACHIが絶対に歌いたかった5曲」とその後のMCで語られたが、このブロックでは美麗なコーラスの楽曲がまとめて届けられた。

「ここからはチルなセトリをお届けしたいと思います」という前振りのあと、新曲の「Empty Town」の初披露へ。その言葉通りのチルなサウンドに合わせ、ステージの背景モニタに電車内から望む風景がエンドレスに映し出される。朝焼け、夕焼け、夜景とエモーショナルな暮色が楽曲の輪郭を浮き彫りにした。さらに「Deep Sleep Sheep」「異星から」とチルなムードのナンバーが連続。サウンドはチルなアレンジだが、HACHIの歌声は強い存在感を放ち、観客の感情を息つく間もなく揺り動かした。

ポエトリーリーディングにも挑戦

続いてポエトリーリーディングとともに新曲「Chère amie」が始まると、息をのむような緊張感が漂う。HACHIはポエトリーリーディング初挑戦とは思えないほどの表現力を発揮しつつ、エネルギッシュなサビのパートで観客を圧倒。「Chère amie」はHACHIのポテンシャルを存分に生かしつつ、新境地へ踏み入れた印象を与える楽曲だ。彼女はMCでこの曲について「みんなの心の中にいるかけがえのない大切な人に送るラブソング」と紹介した。

ライブ終盤、HACHIは「この曲をリリースしてから私の新たな人生が始まりました」という言葉を経て、自身のアーティスト活動の起点とも言える楽曲「光の向こうへ」を歌唱。真っ暗なステージに一筋のスポットライトの光が差す中で歌い上げる姿が、“序章”という本公演のコンセプトを強調する。客席では黄色のペンライトが楽曲に合わせて緩やかに揺れ、サビに入ると眩い光がステージを照らし出した。そして感情の入った力強いHACHIの歌声がライブのクライマックス特有の高揚感を生み出した。

続いて公演本編ラストの楽曲「Pale Blue Dot」へ。「最後は一緒に大きい声を出してください!」という声に応えるように、オーディエンスの掛け声がホール内に響く。HACHIとの盛大なユニゾンが繰り広げられ、ステージに映し出された銀河の映像も相まって迫力のあるステージングが実現した。アンコールに入ると、HACHIは「いつもは最後っぽい曲を歌っていたけど、今回は新曲を歌います!」と語り、「Before anyone else」を初披露。ライブを締めくくる楽曲でありながら、“始まり”をイメージさせるきらびやかな空気が広がる。HACHIはこのライブで計19曲を届けたが、最後まで歌のパワーが途切れることはなかった。

本公演の生配信が行われたZ-aNでは12⽉31⽇23:59までアーカイブ映像を配信中。なお「HACHI Live Tour 2025 “Unlockture”」は3月5日に台北・Legacy TERAでも開催される。

セットリスト

「HACHI Live Tour 2025 “Unlockture”」2025年12月12日 カルッツかわさき

01. To Be Alive
02. fragment
03. ∞
04. Brand New Episode
05. まなざし
06. いつまでも
07. √64
08. 空が待ってる
09. ビー玉
10. 夏灯篭
11. 万華鏡
12. Rainy proof
13. Empty Town
14. Deep Sleep Sheep
15. 異星から
16. Chère amie
17. 光の向こうへ
18. Pale Blue Dot
<アンコール>
19. Before anyone else

今後の公演情報

HACHI Live Tour 2025 "Unlockture" at Legacy Tera

2026年3月5日(木)台北 Legacy TERA

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