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ポルノグラフィティ、「みなとみらいロマンスポルノ」で示した意欲的すぎる“次の一手”

「みなとみらいロマンスポルノ'25 ~THE OVEЯ~」の様子。(撮影:入日伸介)
23分前2026年01月01日 3:04

ポルノグラフィティが12月28、29、31日の3日間にわたって、神奈川・ぴあアリーナMMにてワンマンライブ「みなとみらいロマンスポルノ'25 ~THE OVEЯ~」を行った。

「ロマンスポルノ」はポルノグラフィティが不定期で開催している大型ライブ。近年は夏季に行われることが多かったが、今回は7年ぶりのカウントダウン公演を含む3DAYSに。この記事では新曲「はみだし御免」を初披露した初日12月28日公演の模様を紹介する。

「THE WAY」を彷彿とさせるオープニング

革命を指す「REVO」を“反転”させた、終わりや越えるといった意味を持つ「OVEЯ」を冠した今回の「ロマンスポルノ」。レア曲も交えたセットリストには2025年を総括し、2026年に向かっていく2人の意志が反映され、tasuku(G)、玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)、皆川真人(Key)というおなじみのバンドメンバーとともに繰り広げられたライブは、徹頭徹尾熱烈な盛り上がりを見せた。

ライブは、美しいみなとみらいの夜景から1本の電柱にクローズアップしていく様子を捉えたオープニングムービーとともに、2016年に行われた「横浜ロマンスポルノ'16 ~THE WAY~」を彷彿させる岡野昭仁(Vo)のアカペラが会場に響き渡りスタート。ステージから放たれる青いレーザーが弧を描く演出とともに、ステージの真ん中にスポットライトが落ち岡野のシルエットを浮かび上がらせる。続いて新藤晴一(G)にも一筋の光が落ち、スクリーンにはライブタイトルの「THE OVEЯ」のロゴが大写しに。そして新藤のかき鳴らすギターが唸りを上げたのを合図に始まったのは、約10年前にリリースされ、テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」第1期のオープニングを飾った「THE DAY」。「THE DAY HAS COME(その日が来た)」と歌う岡野の声が暗闇を突き抜ける一筋の光のように響き、その背から天井に向けて電飾が伸びていく。ダイナミックな演出に会場が沸き立つ中、「みなとみらいロマンスポルノ」は華々しく幕を開けた。

「あんたらの心は熱くなってますか?」

曲が始まるなり驚きの声が沸いた「Montage」を経て、岡野は「あんたらの心は熱くなってますか? ぴあアリーナに集まってる皆さんの心は熱くなってますか?」と問いかける。客席からステージに向けられる熱い歓声を耳にした岡野は満足げに笑い、新藤は「ここに来てくれた君たちのために、今日も最後まで全力でやってしまいますよ」と余力を残すことなくライブをすることを誓う。これを受けて岡野は「今日は僕らのいろんな世界観を見せようと思います。『ロマンスポルノ』は僕らの新旧、いろんな世界観を皆さんに見せるというコンセプトですので」ともっともらしく説明するも、次の瞬間には「最近僕らも気が付いたんですけど……」とおずおずと口にして観客を爆笑させた。

「ヴィヴァーチェ」で始まったブロックは、新藤のロックスター然としたギタープレイがさく裂する「Shake hands」や、普段のライブでは終盤を彩る鉄板曲「アゲハ蝶」といった“ポルノ流夏曲”が連続する内容に。その中でオーディエンスに一際大きなインパクトを残したのは「今年リリースした、僕たちの大切な曲をお届けします」という岡野の言葉と、皆川の奏でる柔らかなピアノの音に導かれて始まった「言伝 -ことづて-」。原爆被災地である広島を故郷に持つポルノグラフィティだからこそ表現できる平和へのメッセージが、温もりのあるアニメーションにあわせて9000人の観客に伝えられる。岡野は最後に「『明日が来る』ことがいつも嬉しいと 隣の誰かと言い合える世界でありますように」と祈るようにメロディに乗せると最後にひとつ息を吐き、天井を見上げた。

ロックモードに世界観を“反転”

ライブの折り返しでは「惑星キミ」「空想科学少年」「夕陽と星空と僕」という2000年代前半の楽曲を連ね、2ndアルバム「foo?」を軸にした昨秋開催のファンクラブツアー「FANCLUB UNDERWORLD 6」の世界を垣間見せた岡野と新藤。観客はイントロが鳴るたびに驚喜し、20年以上前の楽曲を再構築する2人の試みを、それぞれの目と耳に焼き付ける。皆川がポルノのために編曲した「風波」が残した穏やかな余韻の中、岡野が口を開き「ぜひこの素晴らしいアレンジで、皆さんもう1回お届けしたいなと」「こういうアリーナのスケール感が似合う曲だと思ったので」と「空想科学少年」をセットリストに組み込んだ背景を説明したのち、皆川に温かい視線を送りながら「新しい風を吹かせてくれた」と「風波」についても言及した。

しかし、岡野はしみじみとした空気を吹き飛ばすように「こっからまたガラッと世界を変えて、皆さんを違う世界に引きずり込みたいと思います」と予告し、新藤が鳴らすノイジーなギターを引き金に、ライブのタイトル通りロックモードに世界観を“反転”。火柱が上がる中で豪快に「ラック」をパフォーマンスしたかと思えば、「悪霊少女」で岡野が常人離れしたロングトーンを轟かせたり、「鉄槌」ではボーカルとギターの両方にリバーブをたっぷりと効かせつつ幻惑的な空間を作り出したり、デビューして25年を超えるキャリアに裏打ちされたテクニックを駆使しながら、壮大なサウンドスケープを描き出す。ステージ上だけでなく、客席上方に設置された照明も躍動感たっぷりに動き、ぴあアリーナ全体を使ってこの日限りのライブ空間を構築した。

歌詞の一部を「2025」に変えた「2012Spark」で会場を大いに沸かせた2人だったが、岡野の「まだまだ手は緩めんよ!」という宣言で、クライマックスに向けてさらにアクセルを踏み込む。9000人がタオルを回した「ハネウマライダー」を機に、岡野と新藤は汗を額に浮かべながら、全身全霊のパフォーマンスを展開。「メリッサ」が始まると、岡野は再びすさまじいロングトーンをアリーナ内に轟かせる。無尽蔵のエネルギーを感じさせる圧倒的な歌唱力に、オーディエンスは驚嘆と称賛の両方をにじませた歓声を上げた。

「いち早く新曲を食らってください!」

「皆さんのおかげで、ホンマにホンマに楽しい時間を過ごさせてもらってます」とファンに向けて感謝の思いを伝えた岡野。「今日のこの日を、この時間をきっかけに、皆さんの中で大きくなくても、小さな小さな革命でもいいから起こしてくれたらうれしいなと僕たちは思っております」と語りかける。するとスクリーンには2025年を象徴するニュース映像が投影され、しみじみとした年末感を演出。誰もがそれぞれの2025年に思いを馳せる中、陽炎のようにスモークがゆらめくステージに、放射状の巨大なコアのようなオブジェが降りてくる。眩い光を放つオブジェの下で、静かに、だが力強く歌い始める岡野と、1音1音を丁寧に弾く新藤。「僕のヒーローアカデミア」“FINAL SEASON”のオープニングテーマであり、「THE DAY」同様に「THE DAY HAS COME」と歌う「THE REVO」を全身全霊で届ける2人と、歌とも叫びともつかぬ声で応えるオーディエンス。ステージと客席から立ち上る熱気がピークに達し、ひとつになったとき、コアがまばゆい光を放ち会場を包み込んだ。

おなじみの「ポルノコール」に呼ばれてステージに戻ってきた岡野と新藤は、「いち早く新曲を食らってください!」と「はみだし御免」を初披露。2人は新藤の弾くフライングVのパワフルな音色が映える、スタジアムロックチューンで「THE REVO」の歌詞にもある“次の一手”をファンに示す。なお、この「はみだし御免」は新テレビアニメ「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」のオープニングナンバーで、アニメがスタートする1月11日に配信される。

自分たちを支えてくれるバンドメンバーを丁寧に紹介したのち、新藤は「バンドの根本みたいな活動ができたんじゃないか」「曲を作ったり、歌詞も書いてレコーディングしたりして。ベテランになると働かんでいいと思ったんだけど、全然そんなことないような、精力的に動けた2025年の後半でした」と忙しない2025年の下期を振り返る。「皆さんにとって2025年がどういう年だったか、1人ひとりあると思いますけれども、年末にこういう会場に来れるということは、最終的には悪くない1年だったんだろうということにしてしまいましょうか」とまとめ、「日本には名言があります。終わりよければすべてよし。来年もよろしく」と年末らしい挨拶をした。一方の岡野は、開場を待つファンの姿を会場入りする際に目にしたと言い、愛おしげな表情を浮かべる。「そんな1人ひとりの姿を見とったら年取ったんかな……ちょっと胸が熱くなってきてね。忙しい中、たくさんの選択肢がある中で、ポルノグラフィティのライブを選んでくれたことに本当に本当に感謝しております」と感謝の思いを改めて口にした。「ホントに皆さんが楽しんでる姿とか熱量みたいなものをわしらはしっかり預かって、これからの活動でちゃんとそれを返していきたいと思う、そんな1日でした」と決意を新たにする。「そんな皆さんとの楽しい時間も残りがわずかとなりまして……」と途中まで真剣な面持ちで語っていた岡野だったが、表情を一変させ「やっぱりライブの最後は、アホになって! 大いにアホになって帰ってほしいと思います!」とシャウト。そして「これがなくちゃ終われない!」とばかりに、演者もオーディエンスも恒例のラストナンバー「ジレンマ」でお祭り騒ぎを繰り広げた。

全22曲、約2時間半におよぶライブを終えたのち、岡野と新藤はマイクオフで観客に挨拶。「よいお年をお過ごしください」と1年を締めくくった新藤に続き岡野は「2月末からツアーがあります。遊びに来てください。次会う日まで元気でいてください」と叫ぶ。まだまだ“次の一手”はあるとばかりに笑顔でステージを去る2人に、9000人からの拍手が送られた。

なお12月31日に行われた「みなとみらいロマンスポルノ'25 ~THE OVEЯ~」最終日の様子はストリーミングサービス「LIVESHIP」にて配信中。視聴チケットを購入すると、1月7日23:59までアーカイブを楽しめる。

セットリスト

「みなとみらいロマンスポルノ'25 ~THE OVEЯ~」2025年12月28日 ぴあアリーナMM

01. THE DAY
02. Search the best way
03. Montage
04. ヴィヴァーチェ
05. Shake hands
06. 言伝 -ことづて-
07. アゲハ蝶
08. 惑星キミ
09. 空想科学少年
10. 夕陽と星空と僕
11. 風波
12. ラック
13. 悪霊少女
14. 鉄槌
15. Interlude
16. 2012Spark
17. ハネウマライダー
18. メリッサ
19. 幸せについて本気出して考えてみた
20. THE REVO
<アンコール>
21. はみだし御免
22. ジレンマ

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