超特急のアリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025-2026 REAL?」が昨日2月21日に東京・国立代々木競技場第一体育館でツアーファイナルを迎えた。
「REAL?」のラストゲーム、スタート
まるで映画のような世界観の中、謎解き要素を含むストーリーが展開した「Joker」(2024年12月~2025年1月)や、「生命」「祝祭」をキーワードに根源的なテーマと向き合った「EVE」(2025年6~8月)──ツアーごとにコンセプチュアルなテーマを掲げ、5号車・ユーキの手によるこだわりの演出やメッセージ性を含ませた選曲、そして何よりも9人の豊かな表現力で8号車(超特急ファンの呼称)の驚きや感動を誘ってきた超特急。今回のツアーで彼らがコンセプトに置いたのは「ゲームの世界」で、さまざまなゲームのステージを舞台に、9人が現実(REAL)と虚構(FAKE)の間で揺れながら真実を追い求め進んでいく姿が描かれた。加えて、最終公演では超特急が結成当初からの目標としてきた東京・東京ドームでのワンマンライブ開催が発表に。この先、超特急の歴史に刻まれていくであろうメモリアルな公演には大勢の8号車が集い、U-NEXTの生配信を通しても多くのファンが9人の勇姿を見届けた。
開演時刻を迎え映し出されたのは、ゲームに順にログインしていくメンバーの姿をモニタの奥から覗き込むようなアングルで捉えたメンバー紹介VTR。「START」ボタンを押すとともに画面の中へと“吸い込まれた”9人は、多層に組み上げられたステージセットのあちこちに出現した。「君たちはこの空間を動かす唯一の要素だ。現実か虚構か、その答えは君たちの中にしかない。元の世界に戻るには証明が必要だ。君たちのリアルが、まだここにあるということを。さあ、世界を動かしてみせよ」。この世界の創造主・ワールドクリエイターを名乗る存在の声で覚醒した9人は、今ツアーのテーマ曲である「REAL」で “ラストゲーム”をスタートさせる。額や耳、頬に装着したギアが特徴的な赤いバトルスーツを身にまとった彼らは鋭い視線を客席に向け、グリッチノイズや複雑な回路が交錯する映像を背に冒頭からパワフルに躍動。すると改めてゲームの幕開けを告げる壮大なオープニング映像が流れ、ここで創造主は「ゲームスタート」を告げた。
8bitサウンドに乗せ、ゲームの世界を次々と
ここで観客の目に飛び込んできたのは、ゲームのプレイヤー選択の画面。超特急の9人の個性的なステータスに加え、カイは海賊、シューヤは射手、アロハはアサシンと、それぞれにジョブが割り当てられており、明転したステージにその職業のプレイヤーに扮した9人の姿が浮かび上がると客席から歓声が沸く。2曲目に鳴り響いたのは、8bitミュージック風のアレンジが施された「メタルなかよし」。ステージ背景は「REAL FACTORY」というタイトルの固定画面アクションゲームに見た目を変え、9人は楽曲を歌い踊りながら、この曲のジャケットにも描かれたドラゴンを討伐すべく“上”を目指した。画面上には9つの“ライフ”が示され、アクションの中でメンバーが脱落するたびにライフも削られていく。9人が生身でゲームプレイを再現するという楽しい演出の中、最後まで残ったのはこの曲のセンターを務めるリョウガ。剣を手に階層を駆け上がった彼のひと振りで、ドラゴン討伐は見事に成功した。
続いて9人がログインしたのは「REAL TRAVEL」というボードゲームのタイトル。チップチューンアレンジの「AwA AwA」の調べとともに、9人は“サイコロ振って”日本縦断の列車旅に出た。メインステージとエンドステージをつなぐ一直線の花道を線路に見立て歩みを進めるメンバーだったが、曲中に登場する「リセットボタン」をシューヤが踏んでしまったことから振り出しに。すると今度はタカシが“特急券”を繰り出し、9人は倍速アレンジで楽曲を歌い踊る。人生をゲームに重ねポジティブに歌い上げる「AwA AwA」の世界観が立体的に可視化されたような演出で、8号車の笑顔を誘う9人。サビパートでは秋田県の「西馬音内盆踊り」岐阜県の「郡上おどり」、徳島県の「阿波踊り」という“日本三大盆踊り”の動きを取り入れたパフォーマンスで列島縦断の様子が表現され、メンバーの動きに合わせて観客たちも楽しく盆踊りに参加した。
「ちょ、今から本気出していくわ」というハルの声をきっかけにエンドステージからメインステージへ舞い戻った9人。「to be continued…」というアウトロの効果音が流れると、彼らは「YES」を選択する。するとステージ上は、最新シングル曲「NINE LIVES」とともに「REAL ELEVATOR」と題した新たなゲーム世界へと展開。この曲では「行こうか上まで」というフレーズでメンバーが天を指すたびにエレベーターが新しい世界が広がる階層へとプレイヤーを引き上げていく、LED映像と連動したダイナミックな演出が8号車の目を奪った。
伝説の剣を“てこの原理”で
「REAL ELEVATOR」は実際にメンバーをスタンド席の上層階へと運び、「CASTLE QUEST」と題されたRPGゲーム風のブロックでは5台のトロッコに分乗した9人が10色のペンライトの海の中を進みながら観衆の声を求めていく。ここで届けられたのは「Drive on week」「ジュブナイラー」と、8号車の盛り上がりが必須の楽曲。会場中の8号車の威勢のいい声がメンバーへと向けられる中、カイがコールや“バッテンダンス”を頼もしくリードした「Burn!」では、森の中を行くダンジョンの道中に宝石や武器、エーテルといった強化・回復アイテムが無数に配置されている様子がビジョンに映し出され、8号車の声援やペンライトの光が9人の“パワーの源”であることが視覚的にも表現された。
「イチとゼロの間にある Distiny 超えていこう」と2進法のデジタルな世界観で愛を歌う「One/O Signal」を勇壮な佇まいで歌い踊り、クエストのゴールである“城”へとたどり着いた9人は「KNOCK U DOWN」でその城の中へ。ドープなサウンドが緊迫感を醸成する中でタカシとシューヤが「余裕で越えていく Last Dungeon」と朗々としたボーカルで歌い上げるも、最上層へたどり着いたセンターメンバーのマサヒロが檻の中に囚われてしまう。彼を助けるべく、続く「Believe×Believe」で立ち上がったのは、この曲のセンターを務める勇者リョウガ。彼は選ばれし者にしか抜けない伝説の剣を台から引き抜くも、その剣を使い“てこの原理”で檻を持ち上げようとする。まさかの判断に戸惑いが広がる中、彼を見守る8号車は「がんばれ!」とリョウガを応援。ユーキが「精霊たち(8号車)の声を聞いただろ?」、タクヤが「早くー」、カイが「がんばぇ~」と声をかけるなど、メンバーもリョウガに声をかけながら踊り続ける。それでもネジ回しをするなど一向に正しい剣の扱いができないリョウガに、しびれを切らしたマサヒロは「斬って? それで斬って?」と冷静にツッコみ、リョウガは最後に鉄格子を断ち切ってステージクリアした。
リョウガいわく“セーブポイント”のMCタイムでは、自己紹介を行う中でタカシが「僕この衣装、お医者さんなんですよ。だから今日はあなただけの処方箋を作ります」と言って黄色い悲鳴を誘ったり、リョウガが「みんな、超特急という神ゲーをプレイする準備はできてんのかーい? 攻略できんのかーい? オッケー!」と呼びかけたりと一気に砕けたムードに。21日公演では超特急の恒例行事となっている、タカシによる手作りバレンタインのエピソードが明かされた。今年、タカシは「マシュマロで作ったチョコのプリン」をメンバーに贈ったそうで「俺も早くメンバーと共有したいなと思ってたんよ」と彼が言うと、シューヤは「かわいい~!! みんなも食べたいもんね?」、リョウガは「食べられませーん!」とそれぞれ8号車にマウントを取る。シューヤの提案のもと、ホワイトデーには「8人でごはんに連れて行き、タカシくんをもてなす」というお返しをする話が進んだが、メンバーの「何か欲しいものある?」という問いかけにタカシは「ホンマに、みんなが笑ってくれてたらそれでいい」と応じていた。
超特急と8号車のときめきタイム
9人が舞台の奥へ姿を消すと同時に、観衆は「ときめきREAL?」というタイトルの恋愛シミュレーションゲームにログイン。学生服姿の9人と“日曜日の遊園地デート”の約束をする会話が展開された次の瞬間、ステージの背景は遊園地へと姿を変える。メンバーカラーのデートルックに着替えた9人は、20日公演では「Revival Love」、21日公演では「Winter Show」で華やかにパフォーマンスを再開した。このセクションで届けられたのは「バッタマン」「ikki!!!!!i!!」「超えてアバンチュール」のメドレー。いずれも超特急のライブではおなじみのアッパーチューンでありながら、「そもそも誰が決めたんだReal or Fake?」という歌詞が歌われたり、8bitサウンドが取り入れられていたり、“2次元愛”を表現する楽曲だったりと、今回のツアーテーマとも深いつながりがある楽曲群だ。
「バッタマン」ではいつもスタンドプレイで大暴れするセンターのハルが日替わりでメンバーを巻き添えにし、20日公演ではリョウガが、21日公演ではタクヤが長い花道を激走。“股下3km”の大きなストライドでダイナミックに推進するリョウガ、エンドステージで余裕たっぷりに踊ってから快足を飛ばしてラストシーンに合流したタクヤと、それぞれの個性がにじむパフォーマンスでハルの期待に応えてみせる。「超えてアバンチュール」ではダンサーの7人がメインステージとエンドステージに、ボーカルの2人が花道の中央に立ち、それぞれの場所から8号車を熱く煽り立てる。落ちメロで1人エンドステージに残り、いつのまにか“電池切れ”していたセンターのリョウガは、8号車から注がれる「(僕には)リョウガだけ!」の声で復活。タカシとシューヤが歌い上げるラストサビを背に受けながら、見事な“エヴァ走り”で8人のもとに合流した。
超特急と8号車の、にぎやかでエネルギッシュでちょっと奇抜な愛の交歓が行われたこのシーンは、ボーカルのタカシとシューヤ、通称「せぶいれ」によるバラード「スピカ」で締めくくられた。満点の星空へと景色を変えたステージに残った2人。1番をタカシが、2番をシューヤが歌い上げたのち、セットの最上層で合流したせぶいれはお互いに目を合わせながら美しいハーモニーを会場いっぱいに響かせる。豊かな広がりをたたえたタカシの温かい歌声と、シャープで自由闊達なパワーを感じさせるシューヤのボーカル。2人の声の美しい重なり合いに、オーディエンスはじっくりと耳を傾けていた。
リアルとフェイクの曖昧な境界線
8bitのレトロゲーム風の演出で幕を開けた「REAL?」は、テクノロジーの進化の道筋をたどるように、終盤に向けて表現を複雑化させていく。宙に浮く小型AIロボットがストーリーテラーを担った次のセクションで9人が飛び込んだのは“少し未来の世界”。AIロボットはここが「リアルとフェイクの差がわからなくなってくる」場所であることを説明し、「見分けがつかなくなってきたら、後ろを振り返るといい」という言葉を残して姿を消した。AIロボットに代わりステージに現れた超特急は、緻密なデジタルサウンドが疾走する「Star Gear」でパフォーマンスを再開する。ホワイトとシルバーの近未来的なスーツに着替えた9人はカラフルに輝くサイバーシティをバックに精緻なポージングとダイナミックなムーブを掛け合わせたダンスで聴衆を圧倒。センターのカイは1人花道に踊り出て、パワフルなソロと大ジャンプで注目を一身に集めてみせた。
続く「ウィンクキラー」は今ツアーで初披露された楽曲。コレオグラファー・Macotoが手がけたコレオは妖艶さと切れ味、複雑なフォーメーションが同居するもので、ハルやリョウガ、ユーキがキメのタイミングで見せるキャッチーなウィンクポーズや、せぶいれの2人が歌いながら腕を絡ませ見つめ合う仕草などに客席から黄色い歓声が上がる。ただ、そんな熱狂とは裏腹に、ステージ両脇のモニタに映る“ライブ映像”には違和感が。目の前で群舞を見せているはずの9人がセットに散り散りになっていたり、アロハだけが踊らず“傍観者”になっていたり……現実と虚構がないまぜになり始めていることを静かに示唆した。すると次の「Steal a Kiss」では、アロハが「こっち向けよ」と告げるはずの決めゼリフパートでハルが「大好きだよ」とひと言。このフェイクは2番の決めゼリフでも発生し、タクヤが「素直になれよ」と言うところをアロハが「離れんなよ」と言い放つ。メインステージで艶やかに、挑発的に躍動していたはずの9人の姿はいつの間にか逆光に照らされたシルエットに変化したが、モニタに映るのは順光の中で歌い、踊り続ける9人の姿。客席に渦巻く違和感がにわかに高まったそのとき、会場に響いたのは「こっちだよ」というタクヤの声で、その声をたどるように観客が“後ろを振り返る”と、リアルの9人はエンドステージで歌い踊っている、という特大のギミックが8号車の驚きを誘った。
“未来の虚構”で“過去の現実”を超えて
現実と虚構の境界線の曖昧さが加速する中、観衆が次に経験したのは“時空の歪み”。「Time Wave」のインストバージョンに乗せ、現在を始点に昨夏の「EVE」ツアー、そして1年前の「Joker」ツアーへと時間が巻き戻されていくVTRが流れ、そこに「Joker」ツアーで“真のジョーカー”を演じたハルの手が時計を巻き戻す映像がオーバーラップする。これから何が起こるのか、緊張感が張り詰める中でステージに姿を見せたのは、8号車にとって見覚えのあるグレーのスーツ姿の9人と、ジョーカーの仮面を被ったハル。ハルがゆっくりと仮面を外したその瞬間、ブラックアウトしていた彼らの背景が「Joker」ツアーのステージセットに姿を変え、9人はここで「Joker」ツアーのラストナンバーだった「JOKER FACE」を披露した。
作り込まれた世界観の中、ミステリータッチの物語とライブパフォーマンスを掛け合わせた「Joker」は超特急の新たな一面をあらわにし、彼らの表現のさらなる可能性を提示したマイルストーン的なツアーとなったが、タカシの不在によって9人全員で最終公演を完走することが叶わなかった。その無念を晴らすかのように、“仮想現実”の中に過去を出現させた超特急。“未来の虚構”の中で“過去の現実”を超えていくという選択肢を選んだ9人の表情は覇気に満ち、表情や仕草、1つひとつの巧みな表現で哀しきジョーカーの激情をドラマチックに描き出す。“過去の現実”では響かせることのできなかった、力強いユニゾンで会場の空気を震わせるタカシとシューヤ。時に声を歪ませ、ジョーカーが憑依したような乾いた笑い声を上げながら曲の世界観を浮かび上がらせる2人の歌声が「二人揃わない未来ならいらない」というフレーズが持つ意味を、聴く者の心に刻み付ける。迫真のパフォーマンスが展開した「JOKER FACE」のラストシーン、見開いた目で前を見据えるハルは暗転直前に小指を噛みちぎるような仕草を見せて観衆の悲鳴を誘った。
メインダンサーの存在証明
「クライマックスといこうか。見せてもらおう、君たちの『生きる』という現象を」。創造主がそう告げたライブの最終盤、オールブラックのレザーウェアで“制御不能”となった仮想空間に舞い戻った9人は、今ツアーが初披露となったラウドなロックチューン「Ready?」でクライマックスの火蓋を切る。ステージのあちこちでファイヤーボールが吹き上がる中、闘志に満ちあふれた挑発的な躍動を見せる9人。シューヤが圧倒的な声量で響かせた「ブチ上げろ!」のロングトーンが、会場を一層ヒートアップさせる。続けて投下された「Beautiful Chaser」ではセンターのユーキが鬼気迫る表情とダンスで狂気的な感情を爆発させ、「全ての終焉へ」と勢いを加速させていく。唸りを上げるギターの音色に誘われるようにエンドステージへと駆け出したのはダンサーメンバーの7人。彼らがメインステージに目を向けると、そこには“ラスボス”の2つの大きな目が出現していた。
その大きな目は会場をぐるりと見渡しながら「証明してみせろ、お前たちがここに在るということを。そして、この世界を終わらせてくれ」と9人に語りかけた。するとダンサーの7人はすうっと息を整え、ここで“無音ダンス”を披露して観衆を静かに驚かせる。静寂が広がる大空間に響くのは、一糸乱れぬ足音と「はっ!」という掛け声だけ。繊細なニュアンスの手振りやダイナミックなステップを息ぴったりにそろえ躍動する7人の姿を、8号車は息をのむように見つめる。「メインダンサー」という肩書きを背負う7人のプライドに満ちた“存在証明”が成されたその瞬間、響き渡ったのは「COUNTDOWN」。メインステージに合流した9人が見せるパフォーマンスは圧巻で、テンションを振り切ったユーキはジャケットを脱ぎ捨ててアクロバティックなソロを踊ってみせた。最高潮のボルテージへと達した9人が曲を歌い踊り切ると、大きな爆発音とともに「REAL GATE OPEN」の警告音が鳴り響く。力強い輝きをたたえた瞳でまっすぐに前を見据えた9人は、ステージを降りると客席通路を抜け、“現実世界”へと駆け出していった。
じゃじゃーん!「Big Ta-Da!」のサプライズ
仮想空間での9人の冒険が終わり、これまでの公演では「Big Ta-Da!」に乗せてエンドロールが流れていたが、ツアーファイナルの代々木第一公演ではこの「Big Ta-Da!」のパフォーマンスが初披露されるというサプライズが用意されていた。メンバーは1曲目の「REAL」と同じ場所、同じポーズから起き上がるも、浮かべているのは正反対の柔らかな表情。ユーキとU★Gが手がけたコレオは、ハンドサインや超特急の過去楽曲に登場する振りを取り入れたハートフルなもので、歌詞に歌われる“愛すべき日々”を全力の笑顔で表現する9人が放つ温かなパワーに、客席にも笑顔の輪が広がっていった。
「東京ドーム決定しました!」
会場中から上がる「超特急!」の声に応えて8号車のもとへと戻ったメンバーは「Clap Our Hands!」でアンコールをスタートさせた。トロッコでスタンド席の通路を進み、会場の隅々まで笑顔を向けながら拍手を響かせる9人。軽快なクラップ音とシンガロングで8号車との一体感を確かめ合ったのち、メインステージに立ち並んだメンバーは真剣な顔つきで客席を見つめる。「ここでお知らせがあります」。リーダーのひと言に静かな緊張感が走る中、彼はこう続けた。
「僕たち超特急、2011年12月に結成して気付けば15周年を迎えさせていただきます。それも8号車の皆さんのおかげです、本当にありがとう。15年間、本当に本当にいろいろなことがありましたが、今、ここで発表させてください。東京ドーム決定しました!」
誰もが待ち望んでいたその瞬間が訪れ、天井が突き抜けるほど大歓声が響き渡る会場の中で、9人はガッツポーズを力強く突き上げる。ハルが「きたァ~!!」と絶叫して暴れ回る中、タカシは脱力したように膝に手を付き、タクヤは8号車に拍手を送り、カイやユーキは潤んだ瞳で前を見据えた。
俺らが最高の歌届けます!
大きな報告に興奮冷めやらぬ中、9人は“逆号車順”で1人ずつ挨拶をすることに。ハルが「みんなの力を借りて、無事夢の場所に立つことが決まって。僕としては、一番恩返しをしたかった1桁号車の5人に恩返しができたのかなと思います」と笑顔で語ったのち「2桁の4人には、いったんここまで手を取り合ってきてくれてありがとうって言いたいし、1桁の5人には僕らの居場所を作ってくれてありがとうと言いたいです」とメンバーへの感謝を口にすると、アロハも「1桁の5人には、僕を選んでくださって本当にありがとうございますと伝えたいです。普段迷惑ばかりかけてると思うんですけど、8人のことが大好きで全員リスペクトしているし、俺に欠けているものをすべて持っている8人なので、毎日活動してて楽しいです。超特急に入れて、心からよかったなと思います」とまっすぐな思いを伝えた。
「大きな発表をしましたけど、皆さんには絶対乗車していただきたいと思っているので、それまで必ず死なないでください。これだけ約束してください、死なないでください。絶対東京ドームで会いましょう」と力強く簡潔に訴えたマサヒロに続き、シューヤは涙で声を詰まらせながら「僕が超特急に入った理由は有名になりたいからとかじゃなくて、タカシくんを支えたい、タカシくんの隣でもう1回歌いたいと思ったからで」と言葉を紡いでいく。「超特急に入る前も命を懸けてやってたグループがあって、でもそこで成し得なかった夢があって、俺1回あきらめたんですよ。でもそのときの自分に、今、最高のメンバーと最高の歌を歌える相棒と一緒にめちゃくちゃ楽しい日々を送ってるって言いたいっす!」。そう力を込めるシューヤの隣には彼を支えるタカシの姿があり、シューヤは相棒とともに「俺にも超特急にも、もっともっと大きな夢がある。この9人だったらドームを超えてもっと先の未来まで行けます。だからついてきてください。俺らが最高の歌届けます、ありがとうございます!」と宣言した。そしてタカシは「何を伝えればいいのかわからないくらい気持ちがぐちゃぐちゃで。でも、これが正解なんだろうなと思います」と、嘘偽りない今の感情を8号車に伝え「僕は、東京ドームという場所に立ったうえで、やっと今の超特急がスタートすると思うんです。もっといろんな景色を見て、もっといろんな8号車に出会って、最高のメンバーともっと笑い合って泣き合っていろんな感情を共有することで、東京ドームで伝えたい気持ち、歌が生まれてくると思います。東京ドームはあくまでもスタート。初心を忘れずいろんな景色を見せていけたらと思います」と誓う。
15年かかったけど、15年かけるべきだった
開口一番「待たせたな!」と叫んだのはユーキ。「僕らはライブが主体なので、“ドームに立てる超特急”が今のリアル。15年かかったけど、15年かけるべきだったと思います」。そう伝えた彼は「皆さんと同じ景色を見て、同じ夢を見て、同じ感動を分かち合える。この時間が俺にとっての宝物だし生き甲斐です。ドームもそうだけど、この先の未来も絶対置いていかないし、もっとすげえ夢見せてやるから絶対ついてこいよ!」と、ありったけの力を込めて8号車に語りかけた。続くタクヤは「今回のツアーは特にそうなんですが、出しきって空っぽなのであまり言うことがないんです」と小さく笑い「何よりも『REAL?』を無事に終えようとしていることがすごくうれしいなと思います。ドームもありますけど『ESCORT』ツアーもありますし、それまでに体と、何よりも心が笑顔で元気で会えたらと思うので。また笑いに来てください」と訴えた。
「長かったあ。本当にいろんなことがあって。つらいことも楽しいこともしんどいことも、いっぱいあって。もう辞めたいなと思うことも全然あったんです」と涙を見せたのはカイ。「でもやっぱり楽しくて、みんなのことが好きで、みんなに届ける時間が大好きで」。たどたどしく言葉をつなぐ彼は「ちょっとみんな、1回抱き締めて?」と8人に語りかけ、8人の力強いハグを受けて「こういう素敵なメンバーたちとこれからも走っていくので、ずっと一緒にいてください」と8号車に呼びかけた。そして、最後に挨拶に立ったリョウガは「一時期は東京ドームを最終目標みたいな言葉で表していたときもあって。ラスボスみたいな立ち位置ですけど、ラスボスを倒したからと言って超特急というゲームは攻略できないんですよ。あるでしょ? エンドコンテンツとか、DLCとかもありますし」と、ゲーマーならではの語彙で思いを伝える。「だから8号車の皆さんはどうかこれからも、どうかこれからも、僕たち超特急と……」。乾いた瞳を必死に潤ませようとする姿でメンバーの笑いを誘いながら、リーダーは「あはっ。僕の涙は東京ドームまでお預けですッ」と晴れやかな笑顔を浮かべた。
「さあ、じんわりっていうタイムはおしまい!」とリョウガが空気を切り替えると、「よいしょー!」と真っ先に反応したハルを筆頭に、メンバーはウォーミングアップを開始。そしてマサヒロは「お前ら超特急のこと好きか! まだまだ騒ごうぜ、行くぜ東京ドーム!」という声を合図に「Drawイッパツ!」へと導く。8号車のパワフルなコールが9人の背中を押すこの曲では「どんな壁も壊し乗り越え夢のドームへ連れてって!」というコールにひときわ大きな力がこもり、“願望”が“確約”に変わった響きに高揚感があふれ出す。その勢いのまま、ラストナンバーとしてドロップされたのは超特急屈指のパーティチューン「Party Maker」。ひさびさの披露にイントロから一気に会場の熱狂が高まる中、9人はTシャツを引き裂き、花道を猛ダッシュし、ペットボトルの水をぶちまけるお祭り騒ぎで狂騒の空間を作り上げた。濡れ髪とあふれる笑顔で表情をくしゃくしゃにした9人が円陣を組み、“連結”した右手を高く掲げたラストシーン。カイが「お前ら全員幸せにするぞ!」、ユーキが「お前ら8号車と作り上げた夢! みんなで東京ドームつかもうぜ!」と叫ぶ中、9人は完全燃焼の晴れやかな表情で「REAL?」のステージをあとにした。
セットリスト
「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025-2026 REAL?」2026年2月20、21日 国立代々木競技場第一体育館
01. REAL
02. メタルなかよし
03. AwA AwA
04. NINE LIVES
05. One/O Signal~Drive on week~ジュブナイラー~Burn!~One/O Signal
06. KNOCK U DOWN
07. Believe×Believe
08. Revival Love(20日) / Winter Show(21日)
09. バッタマン~ikki!!!!!i!!~超えてアバンチュール
10. You Don't Care
11. スピカ
12. Star Gear
13. ウインクキラー
14. Steal a Kiss
15. JOKER FACE
16. Ready?
17. Beautiful Chaser
18. Countdown
19. Big Ta-Da!
<アンコール>
20. Clap Our Hands!
21. Drawイッパツ!
22. Fantasy Love Train(20日) / Party Maker(21日)
撮影:米山三郎、笹森健一


