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小西康陽と弦楽器の調べ、アルバム「失恋と得恋」の世界を再現するバンドライブ

小西康陽
10分前2026年02月25日 8:03

小西康陽が2月18日、東京・池尻大橋GOOD TEMPOにてバンド編成のワンマンライブ「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」を行った。これは1月29日に東京・mona recordsで開催されたライブのチケットが完売したことを受け、そのアンコール公演として実施されたもの。このチケットも完売となり、当日は有料生配信も行われた。

ピチカート・ファイヴとして日本のみならず海外の音楽シーンにも多大な影響を与え、ピチカート解散後も音楽プロデューサーとして幅広く活躍している小西。近年は自らマイクを取るシンガーソングライターとしての活動も精力的に行っており、2019年にはPIZZICATO ONE名義での実況録音盤「前夜 ピチカート・ワン・イン・パースン」、2024年10月には初の個人名義によるボーカルアルバム「失恋と得恋」を発表した。今回のライブはウッドベース、ギター、チェロによるドラムレスのバンド編成で、アルバムレコーディングに参加した鈴木克人(B)、田辺充邦(G)、平山織絵(Cello)の3人が登場し、「失恋と得恋」の世界を再現した。

ライブ会場となった池尻大橋GOOD TEMPOは、旧池尻中学校をリノベーションした複合施設・HOME/WORK VILLAGEの中にあるミュージックバー。場内には開演前から心地よいジャズやイージーリスニングが流れ、来場者を温かく迎え入れた。やがてバンドメンバーとともにステージに登場した小西はまず挨拶代わりに、小坂忠のカバー「春を待っている私はこたつの中」を歌う。打楽器のないアコースティックなサウンドは穏やかで、観客も、椅子に腰かけて歌う小西もリラックスムード。歌い終えると小西は「実は最初に書いた譜面は全然違っていて。ちょっと捨てがたいので……」と、デモバージョンのアレンジによる「春を待っている私はこたつの中」を続けて披露した。

ピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」のセルフカバーを挟み、次は「失恋と得恋」から、カヒミ・カリィに提供した「私の人生、人生の夏」をプレイ。「このメンバーでレコーディングしたので、まったく同じサウンドが出ます」という小西の言葉の通り、チェロとウッドベースが厳かに響き、田辺のシンプルなギターソロが絡み合う。アウトロが終わった途端、小西は「間奏からもう1回いいですか? 歌詞を間違えた」とリクエストした。そんなゆるやかなムードもこのライブの醍醐味だ。小西は加えて「皆さんにぜひ聴いていただきたいところがあって。サビの前に6/4の休符が入るんですよ」と聴きどころを伝えて再挑戦。ときおり小西はこうして作曲家・編曲家としてのこだわりや特徴、かつての貴重なレコーディングエピソードなどを挟み、熱心なファンを楽しませた。

「早くも自分の曲に飽きてしまいまして」と前置きして歌われたのは、Ohio Playersのヒット曲に自ら日本語で歌詞を付けた「Sweet Sticky Thing」と、ピチカート時代にも取り上げた「銀ちゃんのラヴレター」の2曲。「銀ちゃんのラヴレター」はNHK「おかあさんといっしょ」の楽曲で、作詞は歌人の俵万智によるもの。小西はオーギュメントコードが取り入れられたスコアを解説した。その後は「失恋と得恋」から「悲しい歌」「きみになりたい」をプレイし、ジャック・ジョーンズの楽曲にこれまたオリジナルの日本語詞を乗せ、邦題も付けた「けれど愛してた」(原題「But I Loved You」)を披露。敬愛する作曲家ロジャー・ニコルスのカバーでは、「The Drifter」の日本語訳を小西は「風来坊」と解釈してみせた。

PIZZICATO ONEのレパートリー「ゴンドラの歌」(「華麗なる招待」改題)、「マジック・カーペット・ライド」を歌ったところでライブは終了となった。アンコールでは小西がグランドピアノの前に座り、おもむろに「東鳩オールレーズン」「明治チェルシー」といった懐かしのCMソングを小西らしいコード感で歌い、観客をくすりとさせる。さらに小西はピアノ1台の弾き語りで「陽の当たる大通り」を歌い、再びバンドメンバーを呼び込むと「美しい星」でフィニッシュ。「いつかぼくを 想い出して」の歌詞に添えるように「皆様もいつかこの夜を想い出してください」とメッセージを残してステージを去った。

なお生配信が行われたツイキャスプレミアでは3月4日いっぱいまでアーカイブ映像を視聴できる。

セットリスト

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」2026年2月18日 池尻大橋GOOD TEMPO

01. 春を待っている私はこたつの中
02. 春を待っている私はこたつの中(デモアレンジヴァージョン)
03. 大都会交響楽
04. 私の人生、人生の夏
05. 神の御業
06. Sweet Sticky Thing
07. 銀ちゃんのラヴレター
08. 悲しい歌
09. きみになりたい
10. けれど愛してた
11. 風来坊
12. ゴンドラの歌
13. マジック・カーペット・ライド
<アンコール>
14. CMソングメドレー
15. 陽の当たる大通り
16. 美しい星

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