大江千里のコンサートツアー「大江千里ソロコンサート2026年夏『ふたつの宿題~黒画用紙ではりつめて~』」の特別公演が7月19日に東京・サントリーホールで開催された。
「大江千里ソロコンサート2026年夏『ふたつの宿題~黒画用紙ではりつめて~』」は7月から8月にかけて行われている全国ツアー。7月11日の福岡・響ホール公演を皮切りに全14公演が行われ、クラシック専用ホールを舞台に“千里JAZZ”のステージが届けられている。この記事では7月19日の特別公演の模様をレポートする。なお一部曲名や演出に関するネタバレがあるので、これから足を運ぶ予定の人はご注意を。
一瞬で広がる“千里JAZZ”の世界
暗転すると、“自撮り”スタイルでスマホを掲げた大江がステージに登場。観客の盛大な拍手に迎えられながら、スマホのカメラを客席へ向け、ぐるりと会場を見渡して笑顔を見せる。クラシック専用ホールとは思えないほどリラックスした空気が漂う中、大江がステージ中央に配された1台のグランドピアノに向き合うとその空気は一変。最新アルバム「HOMEWORK」のリード曲「Fresh Edge」が繊細なタッチで紡がれ、コンサートがスタートした。演奏は徐々に熱を帯びていき、観客は早くも彼が作り上げる“千里JAZZ”の世界に引き込まれている。深い没入感に包まれたところで、1曲目はわずか1分半程度でフィニッシュ。大江がマイクを手に取り「皆さん、ようこそ!」と呼びかけると、歴史あるクラシックホールでの特別な一夜を祝福するかのような大きな拍手が会場中に広がった。
続けて大江は、最新アルバムのテーマが“宿題”であることを説明。ツアータイトルにも冠されている「ふたつの宿題」にちなんで、「2つ目の宿題が今もわからない、65歳。白髪もありますけど、今日は僕の物語を紐解いていって皆さんにお聴かせしようかなと思います」と語り、「Wallabee Shoes」「YOU」を遊び心たっぷりの軽やかなサウンドで届けた。続いて「それではさっそく、核心に入っていきます」と前置きした大江がステージに呼び込んだのは、「横浜少年少女合唱団」の25人。大江のコンサートでは恒例となっている、少年少女合唱団との共演の時間だ。合唱団は大江の伴奏に導かれながら、「ふたつの宿題」を透明感のあるイノセントな歌声で歌唱。楽曲が描く学生時代をリアルタイムで生きる彼らの歌唱ならではのノスタルジックな情景が、ゆっくりと立ち上がる。大江はその余韻を残したまま、次に「17℃」を繰り出し、時折足音やスナップを織り交ぜながら劇的な演奏を展開。そのままスピード感たっぷりに「Tommy Who Knew Too Much」へとつなぎ、あっという間の第1部を締めくくった。
ポップスとジャズの融合
幕間を挟み、大江は黄色のハットに黒いジャケットという衣装に着替えて再登場。次に演奏する曲について「この曲を書いた1990年代から、ずっと階段が続いていて、これから先もその階段は螺旋のように続いていく。僕もそこを登ったり降りたりしている1人なんですよね」と語り「ぼくらの階段」を柔らかなタッチで繰り広げた。温かみのあるフレーズのリピートが、迷いながらも人生の階段を駆け上がっていく足取りを想起させる。ここで大江はこの特別公演ならではのもう1組のゲストとして、母校・関西学院のグリークラブOB合唱団「東京新月会」を呼び込んだ。大江の同級生を含む15人が登場し届けたのは、1980年代の名曲「プールサイド」。少年少女の合唱団とは色合いの異なる、あの頃を懐かしむような趣のあるハーモニーが広がった。エモーショナルな空気に包まれたまま、大江は続けて「ロマンス」を演奏。幸福感あふれるハートフルなメロディに、オーディエンスも自然とクラップし始める。
ここでメドレーに突入。大江はメドレーの主人公が“山ガール”と“山ボーイ”であると前置きし、2人がたどる登山と参拝の物語について語る。数々の楽曲がシームレスにつなげられる中、大江は参拝時の拍手の音やユニークなダンスを織り交ぜた演奏で“千里ワールド”を展開。疾走感たっぷりにメドレーを駆け抜けた。そのあとジャズナンバーに続いて披露されたのは、「十人十色」「ジェシオ'S BAR」「Boys & Girls」といったキャッチーなポップスナンバー。観客は体を揺らし、時にハミングをしながら、時に歌詞を口ずさみながら、ポップスとジャズが融合した豊かなサウンドを楽しんだ。
進化したあの頃の楽曲群
一度笑顔でステージを去るも、大きな拍手に誘われてすぐにステージへとカムバックしてきた大江。ふたたびピアノの前に座ると、オーディエンスからは大きな歓声が上がった。アンコールで披露されたのは「ありがとう」と、懐かしの楽曲群をつないだメドレー。1曲終わるごとに沸き起こる歓声と拍手、そしてそれに応えるように客席を見渡す大江。何度かその繰り返しが起きたあと、大江はついに「あばよ!」と言い残しステージをあとにした。止まらない拍手が、会場中に鳴り響いた。
セットリスト
01. Fresh Edge
02. Wallabee Shoes
03. YOU
04. ふたつの宿題
05. 17℃
06. Tommy Who Knew Too Much
07. Acha!
08. ぼくらの階段
09. Mohawked
10. プールサイド
11. ロマンス
12. Scribble
13. メドレー(ワンダーフォーゲル部 / Camp Sweetheart / Sand Wish / ハワイへ行きたい / 海開き山開き / 本降りになったら / A MOONLIGHT EPISODE / Dear / あいたい / 格好悪いふられ方 / 夏の決心)
14. Stormy Day
15. Poignant Kisses
16. The Adventure of Uncle Senri
17. 十人十色
18. エールをおくろう
19. ジェシオ'S BAR
20. Boys & Girls
<アンコール>
21. ありがとう
22. メドレー(かわいいハートブレイカー / 舞子 VILLA Beach / 夙川パーキングナイト / ずっと海をみてた / ラジオが呼んでいる)
公演情報
大江千里ソロコンサート2026年夏「ふたつの宿題~黒画用紙ではりつめて~」(※終了分は割愛)
2026年7月25日(土)新潟県 新潟市音楽文化会館
2026年7月29日(水)神奈川県 横須賀芸術劇場 小ホール
2026年7月30日(木)埼玉県 埼玉会館 小ホール
2026年8月1日(土)富山県 オーバード・ホール 中ホール
2026年8月2日(日)愛知県 愛知県芸術劇場 コンサートホール
2026年8月7日(金)兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)中ホール
2026年8月8日(土)兵庫県 芦屋市民会館大・小ホール(ルナ・ホール)
2026年8月9日(日)岐阜県 サラマンカホール
2026年8月11日(火・祝)岡山県 倉敷市芸文館


