sumikaの全国ツアー「sumika Live Tour 2026『Unique』」が7月24日に東京・日本武道館で閉幕した。
今年4月から4カ月をかけて、各地のホール会場を中心にライブを回ってきたsumika。ツアーのフィナーレを飾る日本武道館公演では、集まった9000人との絆を深めるような、一体感ある“音楽空間”を作り上げた。
高揚感と一体感にあふれたライブの始まり
この日の公演は、注意事項のアナウンスに不意に雑音が混じるという、観客がそれぞれ過ごす日常とライブという非日常の境界を曖昧にする演出でスタート。ステージを覆っていた紗幕が切って落とされ、観客は一斉にゲストメンバーがクラップを打ち鳴らすステージに目を向ける。が、そこにはメンバーの姿はない。誰もが頭に疑問符を浮かべていると、突然アリーナエリアに片岡健太(Vo, G)、荒井智之(Dr, Cho)、小川貴之(Key, Cho)が登場。客席の間を縫ってステージに向かう演出で、観客の心をたちまち鷲づかみにした。
これ以上ないほどの高揚した空気の中で始まったのは「Phoenix」。朗らかなアンサンブルと片岡の晴れやかなボーカルが、武道館に開放感をもたらしていく。片岡が「さあ、ファイナル! 飛ばしていくぞ」と宣言した通り、そこから続いたのはsumikaらしいポジティビティにあふれたポップチューン。観客は力強くクラップを打ち鳴らし、メンバーとともに盛大に歌い、2階席までびっしり埋まった客席に笑顔の輪を広げる。序盤から心をひとつにして幸福感あふれる空間を作り上げるファンの姿に、片岡も思わず「最高だよ!」と目を細めた。
なお、ライブの序盤では、片岡が一時的に退場し、小川が「かかってこい! いけるのか?」と叫びながらロックスター然としたオーラを放ち、ギターをかき鳴らす「ハイヤーグラウンド」、オーディエンスを撃ち抜くように伸びやかなボーカルを聴かせた「ソーダ」など“ボーカリスト小川貴之”をフィーチャーしたワンマンライブならではの特別な趣向もたっぷり展開された。
sumikaファンにオススメのデートコースは?
ひとしきり盛り上がったところで、メンバーは観客を着席させ、“大人なsumika”をじっくり聴かせるブロックへ。片岡の艶やかな歌声が映えるグルーヴィな「ナイトウォーカー」、小川の透き通る歌声がピュアな感情を呼び起こす「Blue」という2曲が穏やかな時間を紡ぐ。しっとりしたムードの中、ここでゲストメンバーと荒井、小川が去り、ステージは片岡1人に。アコースティックギターを構えた彼は「片岡がいなくなったり、片岡だけになったり、ユニークなツアーです」と笑う。そして、複数のファンから寄せられたという「sumikaのライブ翌日に予定している、好きな人と行くべきデートスポット」を決めるべくアンケートを取り始める。
さまざまな声を受けて、「朝は川崎に行き、sumikaとゆかりのある川縁でキャッチボール。昼はすみだ水族館に行き、夜は隅田川花火大会を鑑賞する」という完璧なデートコースが組まれた。その後、片岡は温もりのある照明の下で「光の始まる場所 よければ 辿って来て」「いつの日か私にもその痛みを教えて」と歌う「ゴーストライター」を弾き語り、観客1人ひとりの心に寄り添う。片岡が最後のフレーズを歌い終えると、熱がこもった拍手がさざなみのように広がっていった。
「俺たちはあなたを悲しませることはしない」
sumika、そして片岡のディープな側面を見せる1曲を挟み、ライブは後半戦に。片岡は「いいライブの定義は、このステージと客席の境界線が曖昧になること!」と叫び、「VINCENT」を皮切りにアッパーチューンを叩き込んでいく。「ふっかつのじゅもん」では小川がハンドマイクでアリーナだけでなく、1階席にも足を運び、演者とオーディエンスをひとつにまとめ上げていく役割を果たした。sumikaの代表曲として愛される「Starting Over」では、スタジアムライブを思わせるすさまじいシンガロングが発生。感極まった表情の片岡が「最高!」と快哉を叫ぶ場面もあった。
息を切らすほどの全力を尽くすパフォーマンスを経て、片岡が口にしたのはゲストメンバー、スタッフ、ファンへの切実な思い。「こんなに生きてるなって心から感じる機会は大人になるとなくて……」とライブや音楽を奏でているときが生きていると実感ができる瞬間であることを明かす。「“本当の悲しみ”を教えてくれる人があなたの生きててよかったを作ってくれる人です。そういう人の手は離したくないと思ってしまう……」と本音を吐露。「俺たちはあなたを悲しませることはしない」「俺はあなたのことを裏切ることは1mmもない」と観客を前にsumikaとしての決意を表明してみせた。ラストを飾ったのは、そんな片岡の切実な思いを重ねた「Honto」。ツアーの閉幕とsumikaの新たな門出を祝うように、ステージとアリーナエリアに色とりどりの紙吹雪が吹き上がり、美しい空間を作り上げた。アンコールでは、再びポジティビティに満ちたポップチューンを届け、9000人の心を晴らしていったsumika。ツアーファイナルにぴったりな「ファンファーレ」では、ファンとの再会を約束する銀テープが舞い、しみじみとした余韻を演出した。
去り際に「楽しい人生だから、長生きしましょう!」「一緒に生きていこう」とファンとともにこれからも音楽人生を歩んでいくことを誓ったsumika。終演後には、“楽しい未来”を約束するように2027年1月から4月にかけて全国ホール&アリーナツアー「sumika Live Tour 2027『Laurens Library』」の開催をアナウンスして、「sumika Live Tour 2026『Unique』」に幕を下ろした。
セットリスト
「sumika Live Tour 2026『Unique』」2026年7月24日 日本武道館
01. Phoenix
02. Lovers
03. 「伝言歌」
04. ルサンチマンの揺籠
05. Flower
06. 春風
07. ハイヤーグラウンド
08. ソーダ
09. ナイトウォーカー
10. Blue
11. ゴーストライター
12. VINCENT
13. 運命
14. ふっかつのじゅもん
15. Starting Over
16. Honto
<アンコール>
17. Glitter
18. 願い
19. ファンファーレ
公演情報
sumika Live Tour 2027「Laurens Library」
2027年1月23日(土)埼玉県 三郷市文化会館 大ホール
2027年1月29日(金)神奈川県 よこすか芸術劇場
2027年2月6日(土)愛媛県 愛媛県県民文化会館
2027年2月7日(日)香川県 サンポートホール高松
2027年2月12日(金)山口県 KDDI維新ホール
2027年2月14日(日)岡山県 倉敷市民会館
2027年2月18日(木)新潟県 新潟県民会館
2027年2月20日(土)石川県 金沢歌劇座
2027年2月27日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2027年2月28日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
2027年3月4日(木)北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2027年3月5日(金)北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2027年3月12日(金)福岡県 福岡サンパレス
2027年3月13日(土)福岡県 福岡サンパレス
2027年3月19日(金)広島県 広島文化学園HBGホール
2027年3月20日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
2027年4月3日(土)東京都 国立代々木競技場第一体育館
2027年4月4日(日)東京都 国立代々木競技場第一体育館
2027年4月10日(土)愛知県 クロコくんホール
2027年4月11日(日)愛知県 クロコくんホール
2027年4月17日(土)東京都 有明アリーナ
2027年4月18日(日)東京都 有明アリーナ
2027年4月24日(土)大阪府 大阪城ホール
2027年4月25日(日)大阪府 大阪城ホール
Photo by Sotaro Goto / Taku Fujii


