EGO-WRAPPIN'が夏の恒例野外ライブ「Dance, Dance, Dance」を7月11日に山梨・河口湖ステラシアター、昨日8月1日に大阪・大阪城音楽堂にて行った。「Dance, Dance, Dance」は、EGO-WRAPPIN'が東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)と大阪城音楽堂で開催してきたイベント。日比谷野音の改築に伴い、今年は山梨・河口湖ステラシアターに会場を移して行われた。本稿では同会場での公演の模様をレポートする。
「Dance, Dance, Dance」特有のムードは健在
会場となった河口湖ステラシアターは富士山の麓に位置する野外ホール。この日の公演ではステージ後方の開閉式の壁が開け放たれ、緑の芝生や青々と生い茂る森など豊かな自然の風景が広がり、気持ちいい風が時折、客席に吹き抜けていた。定刻の16:30過ぎ、いつものようにSly & The Family Stoneの「Dance To The Music」が大音量で鳴り響きメンバーがステージに登場。「引っ越し一発目! 富士山の麓の河口湖で大自然に囲まれて大きな喜びをともに。みんなを解放していくよ!」という中納良恵(Vo)の力強い言葉を合図にライブは「PARANOIA」で勢いよくスタートした。のっけからハイテンションで歌唱する中納をバンドもエネルギッシュな演奏でバックアップ。畳みかけるように「裸足の果実」が演奏されると会場の熱気がさらに上昇していく。次に届けられたのは、ゆったりとしたレゲエチューン「レモン」。真船勝博(B)と伊藤大地(Dr)が繰り出す心地よいリズムに観客たちは思い思いに体を揺らし、例年、野音で繰り広げられていた「Dance, Dance, Dance」特有の開放感あふれるピースフルな雰囲気が会場全体に広がっていった。
EGO-WRAPPIN'らしさ全開のカバーも飛び出した中盤
EGO-WRAPPIN'は、サウナをテーマにした「AQUA ROBE」で会場をじっくり“整える”と、森雅樹(G)のクールなカッティングが印象的なミドルチューン「Shine Shine」、icchie(Tp, Tb)のパーカッションをフィーチャーしたドラマチックな「水中ゲーム」などダイナミックレンジの広いサウンドで観客を魅了していく。ここでサポートメンバーが一旦ステージから退場し、中納と森による弾き語りのコーナーに。「満ち汐のロマンス」では森が奏でるアコースティックギターの調べに乗せて、中納の透明感あふれる歌声がみずみずしく響き渡った。「懐かしい曲やる?」という中納の呼びかけで急遽披露されたのは当初は予定になかったという「Calling me」。結成後初めて書いたというこの曲を2人はリラックスしたムードで歌い届けた。
繊細なバラード「admire」の演奏が終わると、再びサポートメンバーがステージに合流する。バンドは、WU-TANG CLAN「C.R.E.A.M.」のトラックをメロウに演奏すると、そのままサンプリングの元ネタである、STAXのガールズグループThe Charmelsの「As Long As I've Got You」をプレイ。“らしさ”全開のマニアックなカバーでライブを再開した。その後、スカやロックステディといったジャマイカンミュージックをベースにした「love scene」「Sunny Side Steady」や、高揚感あふれる「デッドヒート」など夏らしい楽曲が次々届けられ、「スカル」ではミステリアスな雰囲気の楽曲に合わせ、ステージにスモークが焚かれ幻想的な雰囲気が生み出された。
中納良恵が客席を練り歩きながら熱唱
グルーヴィなアップチューン「10万年後の君へ」でライブは後半へ。日が暮れ始めた絶妙なタイミングで披露されたのは、ライブ直前の7月8日に12inchシングルでリリースされたばかりの新曲「RIVIERA」。メランコリックなサウンドと中納の落ち着いた歌声が、夕闇の会場を絶妙に彩っていた。そこからシームレスに「BRAND NEW DAY」の演奏になだれ込み、ライブは佳境に突入。おなじみのホーンのイントロを合図に「くちばしにチェリー」の演奏が始まるやいなや、バンドが繰り出す性急かつスリリングなサウンドに会場は蜂の巣をつついたようなお祭り騒ぎ状態に。「GO ACTION」では演奏の途中で中納がステージから降り、客席を練り歩きながら歌唱し、観客たちと至近距離で熱い交歓を繰り広げる。客席の最後列まで移動した彼女は観客たちとハイタッチしながら汗まみれでステージに戻り、エンディングに向けて熱唱。大きな興奮が会場に渦巻く中、本編はフィナーレを迎えた。
アンコールの拍手に応えてメンバーがステージに登場。TUCKER(Key)が奏でるハモンドオルガンの甘美な音色で「a love song」がスタートするとロマンチックな雰囲気が場内に広がる。この日のラストを飾ったのは「WHOLE WORLD HAPPY」。楽曲終盤では伊藤がドラムソロでサンバのリズムを軽快に刻み、中納と観客がコール&レスポンスを繰り広げた。EGO-WRAPPIN'風カーニバルソングともいうべきこの曲で会場がひとつになり、祝祭的な雰囲気の中ライブは閉幕を迎えた。
セットリスト
「Dance, Dance, Dance」2026年7月11日 河口湖ステラシアター
01. PARANOIA
02. 裸足の果実
03. レモン
04. AQUA ROBE
05. Shine Shine
06. 水中ゲーム
07. 満ち汐のロマンス
08. Calling me
09. admire
10. C.R.E.A.M~As Long As I’ve Got You
11. love scene
12. Sunny Side Steady
13. デッドヒート
14. スカル
15. 10万年後の君へ
16. RIVIERA
17. BRAND NEW DAY
18. くちばしにチェリー
19. GO ACTION
<アンコール>
20. a love song
21. WHOLE WORLD HAPPY


